ポジション調整主導で急反落。本日は米FOMCがメインイベント
〇ドル円、米11月小売売上高、鉱工業生産の市場予想を下回る結果等に米国時間153.43まで急落
〇ユーロドル、欧州指標の不冴え、ECB関係者のハト派発言等に1.05近辺で上値重い
〇ドル円、日米金融政策イベントを控えたポジション調整が昨日のドル円急落の背景か
〇テクニカルにはダウンサイドにサポート並び、下落余地小さいか
〇明日未明のFOMC結果公表、0.25%利下げがコンセンサス、来年の利下げ見通しは見方分かれる
〇単なる利下げではなく市場に対してタカ派的・利下げとのメッセージを示す場となる可能性高いか
〇本日の予想レンジ:152.00ー155.50
海外時間のレビュー
17日(火)のドル円相場は高値圏から急反落。アジア時間朝方にかけて、高値154.35まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)前日記録した約3週間ぶり高値154.49を背に戻り売り圧力や、(2)日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)、(3)日米金融政策イベントを控えたポジション調整、(4)米11月小売売上高・除く自動車(結果+0.2%、予想+0.4%)の市場予想を下回る結果、(5)米11月鉱工業生産(結果▲0.1%、予想+0.3%)の市場予想を下回る結果、(6)米11月設備稼働率(結果76.8%、予想77.3%)の市場予想を下回る結果、(7)米主要株価指数の冴えない動きが重石となり、米国時間午後にかけて、安値153.43まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/18午前1時30分現在)では、153.60前後で推移しております。
17日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0534まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ドイツ12月IFO企業景況感指数(結果84.7、予想85.6)の市場予想を下回る結果や、(2)ユーロ圏10月貿易収支(結果61億ユーロ黒字、予想116億ユーロ黒字)の市場予想を下回る結果、(3)フィンランド中銀レーン総裁による「金融政策の方向性は今や明確だ」「利下げのスピードと規模は公表されるデータと総合的な分析に基づいて会合ごとに決定される」とのハト派的な発言が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0479まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米経済指標の冴えない結果が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間12/18午前1時30分現在)では、1.0505前後まで持ち直す動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は前日記録した約3週間ぶり高値154.49をトップに反落に転じると、昨日は一時153.43まで急落しました。日米金融政策イベントを控えたポジション調整が昨日のドル円急落の背景と考えられます。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいること(日足ローソク足が全ての主要テクニカルポイントの上側に位置していること)等を踏まえると、テクニカル的に見て、続落余地は乏しい(昨日の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目)と判断できます。
こうした中、本日は米国時間に発表される米FOMCに注目が集まります。CMEが提供するFed Watch Toolによると、利下げ確率は95.4%とされており、FOMCでの25bpの追加利下げはすでに市場の織り込み済みとなっています。しかし、同時に発表されるドットチャートについては依然としてコンセンサスが形成されておらず、前回9月時点で示された2025年の利下げ予測(計4回)に対して、計3回への下方修正、あるいは計2回への下方修正といった見方が混在しています。市場では計3回への下方修正との見方が優勢であるため、その通りであれば影響は限定的と考えられますが、2回への下方修正となればタカ派的と受け止められ、米金利上昇→米ドル買いの流れを経て、ドル円が急騰するシナリオも想定されます。
事実、Fedウォッチャーとして影響力のあるWSJのニック・ティミラオス記者も12/16に「FRB内で意見が分かれており、一部メンバーはさらなる利下げに懸念を示している。また、当初利下げを強く支持していたメンバーについても現在は以前ほど確信を持てていない」といったタカ派的な見解を投稿しています。以上を踏まえると、本日の米FOMCは「単なる利下げ」ではなく市場に対して「タカ派的・利下げ」という明確なメッセージを示す場となる可能性が高いため、当方では引き続きドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(但し、タカ派的利下げを嫌気して株式市場が値を崩す場合には、一時的にドル円が下げに転じる恐れあり)。
本日の予想レンジ:152.00ー155.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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