明日以降の材料にらみ、基本はレンジ継続
〇本日のドル円、次の材料待ちで153.80-154.35での一進一退に終始
〇今夜は、明日のFOMCを前に、米11月小売売上高、鉱工業生産の発表に注目
〇FOMC、先行きについての見解が相場の波乱要因となるか
〇テクニカルには、フィボナッチポイントの154.85や155円が視界内に
〇ドル高・円安方向、本日東京高値154.35レベルや154.47が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、本日東京安値153.80レベルがサポートに
〇欧米時間のドル円予想レンジ:153.40-154.60
<< 東京市場の動き >>
東京市場は方向性が乏しい。154円挟みの一進一退で、明確な方向性はうかがえず。
ドル/円は寄り付いた154.15円レベルを中心に、上下20-30ポイントでの上下動。つまり、153.80-154.35円といったレンジでの一進一退に終始している。ドイツや韓国、日本などの政治情勢をにらみつつも、基本的には次の材料待ちで、積極的な売買は手控えられていた。16時現在では154.10-15円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の政治情勢」と「韓国情勢」について。
前者は、トランプ次期大統領が安倍元首相夫人の昭恵さんと面会するなか、そのトランプ氏が「石破首相と面会したい」と述べたと伝えられている。この発言に日本サイドも歓迎ムードで、林官房長官からは「石破首相とトランプ氏の会談、都合のいい時期に」とする発言が聞かれていた。しかし、その一方で国内政局は混迷。一時は良いムードで進展していたかに思えた「103万円の壁」をめぐる協議だったが、事実上約束を反故にした自民党など与党サイドに国民民主党が激怒、本日の協議は打ち切られたことが明らかになった。果たして、このあとどう決着するのか注目だ。
後者は、尹大統領に対する弾劾が妥当かを判断する審判が、12月27日から始まることになったと報じられるなか、警察などの合同捜査本部が尹氏に「18日に出頭するよう要請」したという。しかし後者について、聯合ニュースは「尹氏、出頭要請書を受け取り拒否し返送」と伝えていた。対決姿勢がますます鮮明になった格好で、逆に言えば韓国政治情勢をめぐる混乱はまだ当面続く見込みだ。続報などにも要注意。一方、そうしたなか韓国国防省は、同国軍が竹島付近で「防衛」訓練実施したと発表。日本からの抗議もうけたとしている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場の基本的な方向性はドル高方向ながら、一時期までの勢いは一服した感。155円を視界内に捉えつつも、上げ渋りの様相だ。ただ、このあと週末にかけて、日米中銀による金融政策発表などの材料が予定されている。再びドル高の動きに拍車が掛かり155円を超えていくのか、それとも予想に反して下落に転じるのか、重要な攻防の分岐点を迎えている。
市場の関心を集める12月の日米金融政策だが、うち米国は先行する格好で明日のFOMCにおいて、いよいよ内容が明らかとなる。現在までのところ「利下げ実施」との見方が有力ながら、問題は1月以降。たとえば、ブルームバーグによると米金融大手のゴールドマンサックスは「今週利下げしても1月は見送り」と予想しているようだ。当月よりも、先行きについての見解が相場の波乱要因となりかねない。一方、それとは別に欧州政治情勢や地政学リスクの高まりなどにも一応要注意だ。
テクニカルに見た場合、ドル/円はドル高基調が継続。昨日NY時間には一時154円半ばまで値を上げ、フィボナッチポイントの154.85円や155円が視界内に捉えられている。本日もまずはそれらをめぐる攻防に要注意。
しかし、ポジションの偏りが観測されることもあり、米FOMCを前にして調整による下押しが入るといった見方も一部で取り沙汰されている。大崩れする展開は予想しにいくが、それでも153円前半から半ば程度までの押しは否定できない。
本日は米経済指標として、11月の小売売上高や同鉱工業生産などが発表される予定となっている。注目の米FOMC発表前のデータということで、いつも以上に注目度が高いだろう。もちろん内容次第だが、発表前後は荒い値動きも。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは153.40-154.60円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の154.35円レベルや154.47円が最初の抵抗。超えるとフィボナッチポイント154.85円を目指す。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値の153.80円レベルがサポートに。まずは同レベルをめぐる攻防に注目。下回ると昨日安値153.33円が意識されそう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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