ユーロ円の動きから若干上値が重たい展開か
〇先週のユーロドル、上値の重い流れから7/17に週間高値1.0948レベルまで上昇
〇トランプ前大統領、河野デジタル相の発言がドルの動きに影響したことが要因
〇週後半は、ドル買いの動きからユーロドルも安値圏へ押して引ける
〇7/18のECB理事会は予想通り現状維持、9月追加利下げの言及もなく無風通過
〇今週はECB関係者発言、独仏欧PMI速報値、米GDPやPCEの影響に要注意
〇ドル円の上値の重さがユーロ円に波及し、ユーロドルも上値が重くなる展開か
〇1.0825レベルをサポートに1.0925レベルをレジスタンスとする週を見る
今週の週間見通しと予想レンジ
先週のユーロは週前半は前週のユーロ円の下げの影響が残り上値が重たい流れでしたが、水曜のトランプ前大統領の発言はドルの動きにも影響したことでユーロドルは週間高値の1.0948レベルまで上昇しました。しかし1.09台半ばよりも上の水準では売りオーダーが残っていたこと、また週後半はドル買いの動きからユーロドルも安値圏へ押しての引けとなりました。
ECB理事会は注目度も高くはありませんでしたが、予想通りの現状維持で9月の追加利下げについての言及も無く無風通過となりました。今週はECB関係者の発言とPMI速報値がユーロの材料となりますが、先週もユーロドルは週間レンジが76pipsにとどまり、どちらかというと米国のGDPやPCEといった材料による米金利の動きにより反応しやすいと見られます。
フランス総選挙後の政局停滞、ECBの追加利下げは9月以降と材料的には動きにくいということはわかっているものの、先週のような狭いレンジでの動きが続きそうなことを考えるとユーロドルはしばらく蚊帳の外状態になりがちです。ユーロは対ドルよりも対円での動きを追いかけた方がトレード的にはよさそうです。
特筆すべきこともありませんので、テクニカルに見てみましょう。いつもの日足チャートをご覧ください。
ユーロドルは中期的な三角もちあい(青)を上抜けたのですが、1.09台半ばからの売りオーダーとドル買いの動きでレジスタンスラインの水準まで下押ししてきました。ここで反発すれば改めてユーロ買いが強まる可能性もありますが、今のユーロの動きを見ているとそうした勢いも感じられません。どちらかというと、ドル円の上値の重さがユーロ円に波及しユーロドルも上値が重くなる展開の方がありそうです。
そうなると、短期的な上値は見て、どこまで押すかを考えることとなりますが、6月安値と7月高値の38.2%押し1.0839、半値押し1.0806という水準が出てきます。最近の値幅からすると1.0806も遠そうに思えますので1.08台前半という程度で良いかもしれません。上値は1.09超えでの戻り売りのイメージです。今週は1.0825レベルをサポートに1.0925レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
今週のコラム
ユーロ円もドル円とともに大きく下げてきましたのでユーロ円を見ておきましょう。
先々週の時点でユーロ円は175.43レベルの史上最高値を更新後に介入を受けて大きく下落、その後ユーロ円でのレートチェック、さらに先週はトランプ前大統領と河野デジタル相の発言でドル円が一段安となったことから一時170円の大台を割る動きも見せました。ただ大台割れは短期的には買いと見た参加者も多くいったん下げ止まっています。
ただ中期的には円高に戻す動きが本流となっていくでしょうから、ユーロ円も当面の高値を見て172円台半ばでは売りたい向きが増えてくると考えられます。今週では無さそうですが、今後は長期的な上昇チャンネル(ピンク)の下限を試す動きが出てくると見ています。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
7月22日(月)
(特になし)
7月23日(火)
16:00 レーンECB理事講演 ☆
23:00 ユーロ圏7月消費者信頼感速報値 ☆
7月24日(水)
15:00 ドイツ8月消費者信頼感
16:15 デギンドスECB副総裁講演 ☆
16:15 フランス7月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
16:30 ドイツ7月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:00 ユーロ圏7月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:30 英国7月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
7月25日(木)
15:45 フランス7月企業景況感
17:00 ドイツ7月企業景況感
20:00 ドイツ連銀総裁講演 ☆
7月26日(金)
15:45 フランス7月消費者信頼感
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
7月15日(月)
ユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場に入ってから若干買われた後にNY市場では買われる前の水準へと押しましたが、終日のレンジは41pipsにとどまり高値圏でのもみあいを続けていました。
7月16日(火)
ユーロドルは1.09間近の水準でNY市場までもみあい、1.09台に乗せても売りオーダーが控えている様子でした。NY市場朝方の経済指標でドル買いの動きからユーロが売られ1.0872レベルの安値をつけましたが、引けはもみあい水準へと戻しました。ただ終日のレンジは33pipsと動意薄の一日が続きました。
7月17日(水)
ユーロドルも東京後場以降のトランプ前大統領の発言によるドル円での売りに引っ張られてユーロ買いとはなったもののユーロ円での下げの方が目立ったため、値幅自体は53pipsにとどまりました。高値は1.0948レベルと1.09台半ばよりも上の水準では売りオーダーが残っている印象でした。
7月18日(木)
ユーロドルはECB理事会を前に動きが鈍い流れが続きましたが、理事会では予想通り現状維持、またインフレ率は目標を上回る水準とし、9月理事会での利下げにも言及はありませんでした。理事会後も目立った反応はなく、ドル買いの動きからユーロドルは1.0894レベルまで低下して安値引けとなりました。
7月19日(金)
ユーロドルもイベント経過後の週末前ということで次の材料待ちという動きでしたが、Windowsの大規模障害の影響もあった様子で終日レンジはわずか26pipsにとどまり動意薄のまま終わりました。
注:ポイント要約は編集部
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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