トルコリラ円見通し ドル円の一段安とドル高リラ安で4.70円を割り込む(24/7/18)

トルコリラ円の7月17日は概ね4.80円から4.70円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.72円で前日終値の4.79円から0.07円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の一段安とドル高リラ安で4.70円を割り込む(24/7/18)

ドル円の一段安とドル高リラ安で4.70円を割り込む

〇昨日のトルコ円、ドル円一段安を受けて夕刻4.74へ続落
〇本日午前のドル円続落を受け、8時台には4.68をつける
〇円高への警戒とドル高リラ安による押し下げ圧力により、当面安値試しを続けやすいか
〇対ドル、7/17は概ね33.17から32.88の取引レンジ、取引時間中の史上最安値更新
〇英仏米の総選挙を巡る混乱によるリスク回避感等がトルコへの投資意欲を後退させている側面も
〇4.72を下回るうちは一段安余地ありとし、4.67割れからは4.65前後への下落を想定
〇4.72超えからは4.73、4.74を順次試す上昇を想定

【概況】

トルコリラ円の7月17日は概ね4.80円から4.70円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.72円で前日終値の4.79円から0.07円の円高リラ安だった。
7月3日に4.98円を付けて3月13日安値4.52円以降の最高値としたところから下落に転じ、ドル円が7月11日夜と12日夜の覆面市場介入で急落したために7月12日に4.76円へ下落して3月13日以降の上昇トレンドの支持線を割り込んだが、17日もドル円が一段安したことで夕刻に4.74円へ続落して18日早朝には4.70円まで安値を切り下げた。
7月18日午前にドル円が155.50円割れへ続落したために8時台には4.68円を付けて5月3日安値4.69円も割り込んでいる。

ドル円は河野デジタル相の円安けん制と日銀へ利上げを求める旨の発言をきっかけに急落したが、昨年12月末以降の主要な安値を結ぶ上昇トレンドの下値支持線を割り込んでいる。トランプ氏がドル高をけん制する発言をしたことやFRB高官による年内利下げ示唆発言等も背景にあるが、17日夕刻への急落も覆面介入だったのではないかとの声も聞かれており暫くは追撃の市場介入に対する警戒感がぬぐえない。
ドル/トルコリラにおけるドル高リラ安も継続しており、7月16日に終値ベースの史上最安値を更新し、17日は取引時間中の最安値も更新しているため、トルコリラ円としては円高への警戒と共にドル高リラ安による押し下げ圧力もかかった状況にあり、当面は安値試しを続けやすいと思われる。

【対ドルでトルコリラは取引時間中の史上最安値更新】

ドル/トルコリラの7月17日は概ね33.17リラから32.88リラの取引レンジ、18日早朝の終値は33.05リラで終値ベースでの史上最安値だった17日終値と変わらなかったが、7月15日安値33.14リラを超えて取引時間中の史上最安値を更新した。
6月28日に当時の史上最安値を33.04リラへ更新してからリラ買い戻し優勢となり7月3日高値32.30リラへ上昇したものの、7月5日から7月10日への4営業日続落してリラ売り再開の流れとなり、7月15日からは取引時間中と終値ベースでの史上最安値を交互に更新している。

金融政策正常化の継続や高インフレ抑制のための金融引き締め姿勢が継続して外貨準備高が増強され、大手格付け機関による格付けの引き上げや大手金融機関によるトルコ投資への積極姿勢等がリラ安に歯止めをかけるのではないかとの見方もあったが、年末から来年にかけてドル高リラ安基調が続くとの見方が再認識されていること、仏英の総選挙を巡る混乱や米大統領選挙が波乱含みで推移していることによるリスク回避感がトルコへの投資意欲を後退させている側面もあるようだ。
2024年末の為替レートについての市場コンセンサスは今年初めの1ドル40リラ近辺だったところから1ドル38リラ前後の水準まで下方修正されているものの現状の33リラ台からはまだ下落余地も大きい。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、7月11日早朝高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとしていたが、7月12日夜へ一段安してから戻り高値を切り上げてきたために16日午前時点では12日夜安値を直近のサイクルボトムとし、4.78円割れからは下落再開と仮定して4.77円割れからは弱気サイクル入りとした。
7月17日午後の下落で4.78円を割り込んでから大幅続落したため、16日午後高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は18日午前から19日夜にかけての間と想定されるのでまだ一段安余地ありとするが、4.72円超えからはいったん戻しに入るとみて19日午後から23日午後にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では7月17日午後の急落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したがその後も両スパン揃っての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパン好転からはいったん戻しに入るとみるが、先行スパンを上抜けないうちはその後に遅行スパンが悪化するところから下落再開とみる。

60分足の相対力指数は7月17日夕刻への下落時に10ポイント台へ低下してからも40ポイント以下での推移が続いているのでまだ下落途中として再び10ポイント台前半を試す可能性があるとみる。急落後の反動高にも注意がいるため40ポイント超えからは50ポイント台前半への上昇を想定するが戻り一巡後の反落に注意する。

【当面の主な予定】

7月18日
 20:30 週次 外貨準備高 7月12日時点 (7月5日時点 897.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 7月12日時点 (7月5日時点 435.6億ドル)
7月19日
 23:30 6月 中央政府債務 (5月 7兆6410億リラ)
7月22日
 16:00 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末CPI、ドル/トルコリラ等予想集計)
7月23日
 16:00 7月 消費者信頼感指数 (6月 78.30)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 50.0%)


注:ポイント要約は編集部

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