トルコリラ円見通し 7月3日以降の最安値更新後にドル円の反騰で戻す(24/7/19)

トルコリラ円の7月18日は概ね4.76円から4.68円の取引レンジ、19日早朝の終値は4.75円で前日終値の4.72円から0.03円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し 7月3日以降の最安値更新後にドル円の反騰で戻す(24/7/19)

トルコリラ円見通し 7月3日以降の最安値更新後にドル円の反騰で戻す

〇トルコリラ円、7/18午前4.68へ一段安してから、ドル円の反騰に合わせて7/19早朝4.76まで切り返す
〇対ドル、7/18は概ね33.13から32.90の取引レンジ、終値は史上最安値の水準となる
〇7/19午前序盤は33.14から32.91のレンジ推移、最安値更新を伺う位置に付ける
〇来週は7/22のトルコ中銀調査の年末レート予想と7/23の金融政策決定会合に注目
〇4.73を上回るうちは一段高余地ありとし、4.76超えからは4.78前後への上昇を想定する
〇4.73割れを弱気転換注意とし、4.72割れからは下落期入りとみて4.70前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の7月18日は概ね4.76円から4.68円の取引レンジ、19日早朝の終値は4.75円で前日終値の4.72円から0.03円の円安リラ高だった。
7月11日夜からドル円が市場介入をきっかけとして大幅下落に転じたことでトルコリラ円も7月3日高値4.98円から下落に転じたが、ドル円が7月18日午前に155.37円まで一段安してから19日早朝に157.39円まで2円を超える反騰となったため、トルコリラ円も18日午前に4.68円へ一段安してから19日早朝に4.76円まで切り返した。

ドル円は7月11日に3兆円を超える規模の覆面市場介入により161円台中盤から11日夜安値157.42円へ急落し、12日夜も2兆円規模とされる介入で157.37円まで下げ、16日未明に157.17円まで安値を切り下げてから16日夜高値158.85円まで戻したものの、17日午後からは日米要人の円安けん制とドル高けん制発言等をきっかけとして156円台序盤へ急落し、18日午前には155.37円まで続落して7月3日高値161.94円からの下げ幅は6.57円に拡大したが、大幅下落一服で買い戻されている。
ドル円は4月29日と5月2日の市場介入により4月29日高値160.16円から5月3日安値151.85円まで8.31円の下落となったもののその後に一段高しており、ファンダメンタルズ的な弱さを反映した歴史的な円安基調は継続し、18日午前安値を起点とした上昇で159円に迫る場合は上昇再開の可能性も高まると思われるが、まだ暫くは覆面市場介入への警戒感と波乱含みの展開が続くと思われる。

トルコリラ円は3月13日安値4.52円を起点とした上昇が7月3日高値4.98円で一巡となり、18日午前への下落で3月13日以降の上昇トレンドの下値支持線から転落した。ドル円の反騰が続いて4.80円台を回復すればリバウンドの継続期待で4.85円前後へ切り返す可能性もあると思われるが、ドル円が再び失速し始める場合は円高とドル高リラ安によりトルコリラ円の下落規模が大きくなる可能性もあると注意したい。

【対ドルでトルコリラは史上最安値近辺での推移続く】

ドル/トルコリラの7月18日は概ね33.13リラから32.90リラの取引レンジ、19日早朝の終値は33.05リラで前日と変わらなかったが、7月17日終値33.05リラで終値ベースでの史上最安値とした後も同水準を保っている。取引時間中の史上最安値は7月17日に33.17リラへ更新してから安値更新へ進んでいないものの、7月19日午前序盤は33.14リラから32.91リラのレンジで推移して最安値更新を伺う位置に付けている。
7月18日夜に発表されたトルコ中銀の週次外貨準備高は7月12日時点のネットで477億ドルとなり7月5日時点の435.6億ドルから増加した。グロスの発表はなかったものの外貨準備高増強姿勢は継続している印象だ。

【来週は22日のトルコ中銀調査での年末レート予想と23日の金融政策決定会合に注目】

7月23日にトルコ中銀の金融政策決定会合があり、6月のインフレ率が鈍化したもののまだ高インフレ状態が続いているために政策金利は50.0%で据え置かれると思われる。しかしインフレ鈍化傾向が続く場合には利下げへ向かうとの姿勢が示される場合には、利下げを時期尚早としてリラ売りのきっかけとなることもあり得ると注意したい。
7月22日にはトルコ中銀の月次ビジネスサーベイ(エコノミストや企業トップによる市況予想調査集計)の公表があるが、6月14日発表の前回サーベイでは2024年末のインフレ率が43.52%へ低下するもののドル/トルコリラは1ドル37.7463リラと予想されて5月時の38.7771リラを下回ったものの依然として現状の33リラ近辺の水準からはさらにリラ安が進むとのコンセンサスに変わりがなかった。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、7月17日午後の下落で弱気転換目安とした4.78円を割り込んでから大幅続落したために18日午前時点では16日午後高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとし、ボトム形成期を18日午前から19日夜にかけての間と想定して4.73円超えからはいったん戻しに入るした。
7月19日早朝への上昇で4.73円を超えて4.76円まで戻したため、18日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして19日午後から23日午後にかけての間への上昇を想定する。
ただし、ドル円の乱高下も警戒されるので4.72円割れからは弱気サイクル入りの可能性を優先して18日午前安値試しとする。

60分足の一目均衡表では7月19日早朝への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜きつつあるため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパンへ潜り込みその下部へ続落し始める場合は下落再開を警戒して遅行スパン悪化からは安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は7月17日夕刻への下落時に10ポイント台へ低下してから18日午前への一段安では指数のボトムが切り上がる強気逆行を見せて19日早朝に60ポイント台へ戻したため、50ポイント以上での推移中は70ポイントを試す上昇を想定するが、45ポイント割れからは下落再開とみて30ポイント前後への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.73円を下値支持線、4.76円を上値抵抗線とする。
(2)4.73円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.76円超えからは4.78円前後への上昇を想定する。4.78円以上は反落警戒とするが、4.74円を上回っての推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.73円割れを弱気転換注意とし、4.72円割れからは下落期入りとみて4.70円前後への下落を想定する。4.70円前後は買われやすいとみるが、ドル円が急落する場合には7月18日午前安値4.68円試しへ下値目途を引き下げ、4.72円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

7月19日
 23:30 6月 中央政府債務 (5月 7兆6410億リラ)
7月22日
 16:00 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末CPI、ドル/トルコリラ等予想集計)
7月23日
 16:00 7月 消費者信頼感指数 (6月 78.30)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 50.0%)
7月25日
 16:00 7月 製造業信頼感指数 (6月 102.8)
 20:30 週次 外貨準備高 7月19日時点



注:ポイント要約は編集部

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る