ドル円見通し 7月11日夜からの急落一服で18日午前安値から2円超の反発(24/7/19)

大幅下落一服感で買い戻し優勢に転じて19日早朝には157.39円を付けて18日午前安値からは2円を超える上昇幅となった。

ドル円見通し 7月11日夜からの急落一服で18日午前安値から2円超の反発(24/7/19)

ドル円見通し 7月11日夜からの急落一服で18日午前安値から2円超の反発

〇ドル円、7/18午前155.37へ続落、7/3夜高値161.94からの下げ幅は6.57円に拡大
〇その後買い戻し優勢に転じ、7/19早朝に157.39を付けて、7/18午前安値からは2円を超える上昇
〇昨日発表の米経済指標はまちまちの結果
〇米長期債利回りは総じて上昇、米国株式市場はこれまでの大幅上昇に対する修正で売られる
〇156.70を上回るうちは上昇余地ありとし、157.39超えからは158円前後への上昇を想定する
〇156.70割れから続落なら弱気転換注意、156.50割れから下落再開とみて156円前後への下落を想定する

【概況】

ドル円は政府・日銀の市場介入により7月11日夜に161円台から157.42円へ急落し、12日夜も2日連続の介入で157.37円へ安値を切り下げ、17日夜にかけて日米要人の円安けん制やドル高けん制発言をきっかけとして156円台序盤へ下げ、18日午前には155.37円へ続落して7月3日夜高値161.94からの下げ幅は6.57円に拡大したが、大幅下落一服感で買い戻し優勢に転じて19日早朝には157.39円を付けて18日午前安値からは2円を超える上昇幅となった。
7月18日はECBが政策金利を据え置いたものの9月利下げへの期待感もあるためユーロドルの上昇が一服、米経済指標はフィラデルフィア連銀景況指数が予想を大幅に上回ったものの新規失業保険申請件数が増加するなどまちまちで決め手に欠いたが、米長期債利回りが低下一服で反発し、史上最高値を連日更新してきたNYダウが利食い売りで大幅下落し、同じく高騰していたゴールドやビットコインが下げるなど前日まで上昇してきた市場が修正安に入り大幅下落してきた市場が反発する流れとなり、ドル円も大幅下落一服で買い戻されたという印象だ。

【米経済指標はまちまち】

7月18日に発表されたフィラデルフィア連銀の7月製造業景況指数は13.9となり6月の1.3及び市場予想の2.9を大幅に上回って3か月振りの上昇となった。
米労働省による新規失業保険申請件数は7月13日までの週間で前週比2万件増の24万3000件と悪化して市場予想の23万件を上回り、4週平均も前週比1000件増の23万4750件となった。失業保険受給者総数は7月6日までの週間で186万7000人となり前週から2万人増加して市場予想の185万5000人を上回った。
米コンファレンス・ボード(CB)による6月景気先行指数は101.1となり5月から0.2%低下したが市場予想の0.3%をやや上回り、5月の0.4%低下(速報の0.5%低下から小幅上方修正)を上回った。一致指数は前月比0.3%上昇、遅行指数は0.1%上昇で、CBは「過去3カ月と比べて落ち込み幅が小さくなったものの個人消費の冷え込みにより今年7-9月期の米成長率は年率1%前後へ低下する」との見通しを示した。

サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は18日に「利下げが妥当と判断するまでにはまだ至っていない」、「持続的に物価安定に達すると確信する必要がある」と述べて利下げ判断に慎重姿勢を示した。

【米長期債利回りは総じて上昇、連騰してきたNYダウは反落】

7月18日の米長期債利回りは総じて上昇した。最近の大幅低下に一服感が出たことと、米大統領選挙でのトランプ氏優勢感がトランプ政権発足後のインフレ再燃を懸念させるとして債券売り・利回り上昇反応を招いたとの見方もあるが反騰期入りとするほどの勢いにはまだ至っていない印象だ。
長期金利指標の10年債利回りは前日比0.04%上昇の4.20%だった。17日は一時4.14%をつけて4月25日に付けた年初来ピークである4.74%以降の最低としたが、その後は下げ渋っている。
30年債利回りは前日比0.04%上昇の4.42%、2年債利回りは前日比0.04%上昇の4.48%となり17日の0.02%上昇から小幅続伸した。

一方で米国株式市場はこれまでの大幅上昇に対する修正で売られた。NYダウは7月10日から17日まで6連騰とし、18日も41376.00ドルまで取引時間中の史上最高値を更新したが利食い売りから急落商状となり前日比533.06ドル安と大幅下落した。ナスダック総合指数は7月11日に取引時間中の史上最高値を更新してから上げ渋っていたが17日に512.41ポイント安と崩れ、18日も125.71ポイント安と続落した。S&P500も7月16日に史上最高値を更新してから17日に78.93ポイント安と下げたが18日も43.68ポイント安と続落した。
大上昇してきた米株式市場が利食いに下げてドル円が大幅下落一服で買い戻されている流れはいずれもポジション修正的な動きと思われる。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は7月16日夜高値158.85円から一段安に入ったが18日午前安値155.37円から反騰入りして19日早朝高値157.39円まで2円を超える戻り幅となった。大幅下落一服で戻りを試すところと思われ、16日夜高値を基準とすれば目先的には19日夜から23日夜にかけての間への上昇余地ありとするが、16日未明安値157.17円から16日夜高値158.85円まで戻した後に一段安したことも踏まえれば戻りが短命の可能性もあるので156.70円割れからは弱気転換注意とし、156.50円割れからは下落再開と仮定して23日午前から25日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では7月18日午前からの反騰で遅行スパンが好転して先行スパンの上限へ戻して突破を試しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパンを突破しきれずにスパンの下側へ下落する場合は戻り一巡後の下げ再開を警戒し、遅行スパン悪化からは下落期入りとして安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は7月19日早朝に60ポイント台後半へ上昇したがその後は伸びずにいる。50ポイント台を維持するか一時的に割り込んでも回復する内は上昇余地ありとするが、相場が一段高する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は反落注意とし、45ポイント割れからは下落期入りとして20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、156.70円を下値支持線、7月19日早朝高値157.39円を上値抵抗線とする。
(2)156.70円を上回るうちは上昇余地ありとし、157.39円超えからは158円前後への上昇を想定する。158円前後は反落注意とするが、157円台を維持して週を終える場合は週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)156.70円割れから続落する場合は弱気転換注意とし、156.50円割れからは下落再開とみて156円前後への下落を想定する。156円前後は買われやすいとみるが、156.50円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。急落商状の場合は18日午前安値155.37円から155円前後にかけての水準を試す可能性もあると注意する。

【当面の予定】

7/19(金)
15:00 (英) 6月 小売売上高 前月比 (5月 2.9%、予想 -0.4%)
15:00 (英) 6月 小売売上高 前年同月比 (5月 1.3%、予想 0.2%)
15:00 (独) 6月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (5月 0.0%、予想 0.1%)
17:00 (欧) 5月 経常収支・季調済 (4月 386億ユーロ)
23:40 (米) ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、パネル討論会
26:00 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、閉会挨拶



注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

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