トルコリラ円見通し ドル円の急落一服で下げ渋りだが、ドル高リラ安継続で上値重い(24/7/17)

トルコリラ円の7月16日は概ね4.81円から4.78円の取引レンジ、17日早朝の終値は4.79円で前日終値の4.78円からは0.01円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の急落一服で下げ渋りだが、ドル高リラ安継続で上値重い(24/7/17)

トルコリラ円見通し ドル円の急落一服で下げ渋りだが、ドル高リラ安継続で上値重い

〇トルコリラ円、7/16夜に4.81まで戻したが、7/17午前序盤にかけては4.79を挟んだ揉み合い
〇対ドル、7/16は概ね33.10から32.84の取引レンジ、終値ベースでは33.05をつけて史上最安値を更新
〇トルコ6月財政収支は前月の黒字から、ふたたび赤字に転落
〇4.81超えからは、4.83手前への上昇を想定する
〇4.78割れからは、4.76前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の7月16日は概ね4.81円から4.78円の取引レンジ、17日早朝の終値は4.79円で前日終値の4.78円からは0.01円の円安リラ高だった。
7月11日夜にドル円が3兆円を超える規模の市場介入により急落したためにトルコリラ円は4.92円近辺から4.80円へ急落し、12日午前には日銀のレートチェックによるドル円の下落時に4.78円へ続落し、12日夜には2兆円規模とされる市場介入によりドル円が一段安する中で4.76円まで続落した。
ドル円は7月16日未明に一時157.17円まで安値を切り下げたものの早々に切り返して16日夜には158.85円まで戻したたため、トルコリラ円は16日夜に4.81円まで戻したが、17日午前序盤にかけてはドル円の戻り一巡による失速で上値が抑えられて4.79円を挟んだ揉み合いとなっている。

ドル円は7月11日夜と12日夜及び16日未明の急落時に157円割れを回避しており、11日夜に続いて12日も市場介入があったとされたことによる追加の市場介入警戒感を持ちながらもひとまず急落商状が落ち着いている。今のところは昨年末以降の上昇トレンド内に収まっているものの、市場介入が繰り返されて157円を割り込む場合は上昇トレンドからの転落となり円高継続感が強まってゆくことも考えられる。
159円台回復から160円へ徐々に戻して行く過程で追加の市場介入がなければ歴史的な円安継続としてクロス円全般が上昇を再開しトルコリラ円も反騰期に入る可能性も出てくるだろうが、まだ暫くは神経質で波乱含みの展開が続くと注意したい。

【対ドルでトルコリラは終値ベースの史上最安値を更新】

ドル/トルコリラの7月16日は概ね33.10リラから32.84リラの取引レンジ、17日早朝の終値は33.05リラで前日終値の32.97リラからは0.08リラのドル高リラ安だった。
7月3日高値32.30リラからドル高リラ安が再開して7月15日には一時33.14リラを付けて取引時間中の史上最安値を更新し、16日は安値更新へは進まなかったものの終値ベースでは7月12日終値33.02リラを超えて史上最安値を更新した。7月17日午前序盤も33リラを挟んだ揉み合いで推移しながら最安値更新を伺う位置に付けている。
トルコの金融政策正常化が継続し、高インフレ抑制のための金融引き締め姿勢も継続しているとして高金利通貨のトルコリラ及びトルコ株式市場、高利回り国債への海外からの投資意欲が徐々に回復しているものの、年末から来年にかけてドル高リラ安基調が続くとの見方は健在であり、再び取引時間中及び終値ベースでの最安値更新へ進み始めたことでリラ売り優勢の流れでしばらく進みやすくなっている印象だ。

7月16日に発表されたトルコの6月財政収支は2752.8億リラの赤字で5月の2194.1億リラの黒字からふたたび赤字に転落した。直近の1年では昨年7月、8月、11月と今年5月が黒字だったもののその他の8か月は赤字であり、経常赤字、財政赤字、中央政府債務残高の増加によるトルコリラに対する中長期的な圧迫感が払拭できない状況が続いている。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、7月11日夜の急落で弱気転換目安とした10日夕安値を割り込んだために12日午前時点では11日早朝高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとしたが、7月12日夜へ一段安した後は下げ渋りつつ戻り高値を切り上げているので、12日夜安値を直近のサイクルボトムとし、底割れ回避のうちは17日の日中から18日午前にかけての間への上昇を想定する。
ただし、4.78円割れからは弱気サイクル入りとして17日夜から19日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では7月12日夜以降の下げ渋りで遅行スパンは実線と交錯を繰り返しているが、先行スパンに潜り込んで上下いずれへ抜けるか試している。先行スパンを上抜くところからは上昇継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから転落する場合は下落再開を疑い遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は7月11日夜の急落から12日夜へ一段安した際に指数のボトムが切り上がる強気逆行を見せてから戻しているため、40ポイントを上回るうちは60ポイント台への上昇余地ありとするが、40ポイント割れからは下げ再開とみて20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.78円を下値支持線、4.81円を上値抵抗線とする。
(2)4.81円超えからは4.83円手前への上昇を想定するが、4.82円以上は反落注意としてその後に4.79円を割り込むとこからは下落再開とみる。
(3)4.78円割れからは4.76円前後への下落を想定する。4.76円以下は反騰注意とするが4.78円以下での推移なら18日も安値試しへ向かいやすいとみる。ドル円の急落などにより下げ足が速まる場合は4.75円から4.74円を順次試す流れとみる。

【当面の主な予定】

7月18日
 20:30 週次 外貨準備高 7月12日時点 (7月5日時点 897.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 7月12日時点 (7月5日時点 435.6億ドル)
7月19日
 23:30 6月 中央政府債務 (5月 7兆6410億リラ)
7月22日
 16:00 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末CPI、ドル/トルコリラ等予想集計)
7月23日
 16:00 7月 消費者信頼感指数 (6月 78.30)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 50.0%)


注:ポイント要約は編集部

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