トルコリラ円見通し ドル円が上昇するもドル高リラ安再燃に押し負ける(24/7/10)

トルコリラ円の7月9日は概ね4.92円から4.89円の取引レンジ、10日早朝の終値は4.89円で前日終値の4.92円から0.03円の円高リラ安となった。

トルコリラ円見通し ドル円が上昇するもドル高リラ安再燃に押し負ける(24/7/10)

ドル円が上昇するもドル高リラ安再燃に押し負ける

〇トルコリラ円、円安活かせずリラ安に押し負ける展開、7/9夜に4.89若干割り込む
〇対ドル、7/9は概ね32.93から32.55の取引レンジ、7/10午前序盤は6/28史上最安値へ迫る32.93近辺
〇7/10はトルコ5月鉱工業生産と失業率、7/11には小売売上高の発表予定
〇実体経済面でトルコ景気の強まりを示せないようだと、リラ売り勢い付く可能性も
〇4.91から4.92にかけては戻り売り有利とし、4.93超える場合は反騰継続とみて4.94前後への上昇想定
〇4.88割れからは4.87、4.86前後を順次試す下落を想定、4.86以下は反騰注意とする

【概況】

トルコリラ円の7月9日は概ね4.92円から4.89円の取引レンジ、10日早朝の終値は4.89円で前日終値の4.92円から0.03円の円高リラ安となった。
ドル円は7月3日高値161.94円を付けて年初来及び2011年10月以降の最高値を更新したところから調整安に入り、5日の米6月雇用統計も低調だったことで5日夜に160.33円へ下落し、週明けの8日午前には160.22円まで安値を切り下げたが、160円台を維持して底固さを見せると円安基調はさらに継続するとの見方を背景に買い戻し優勢となり、7月9日夜のパウエルFRB議長の上院議会証言がややタカ派的だったことをきっかけに161.51円へ上昇して10日午前も161円台を維持している。

一方でドル/トルコリラはリラ売りの再開で3営業日連続でドル高リラ安となり、トルコリラ円は円安を活かせずにリラ安に押し負ける展開で9日夜に4.89円を若干割り込むところまで下げた。深夜に4.91円まで戻したものの、7月5日夜高値から8日夕高値、9日午後高値と戻り高値を徐々に切り下げて安値を更新する右肩下がりの展開であり、ドル円が戻しているものの162円手前での抵抗感が払拭できないうちは対ドルでのリラ安に圧迫されやすい状況に陥っている印象だ。

【対ドルでドルトルコリラは3営業日続落、4営業日連続陰線】

ドル/トルコリラの7月9日は概ね32.93リラから32.55リラの取引レンジ、10日早朝の終値は32.82リラで前日終値の32.67リラからは0.15リラのドル高リラ安だった。
6月28日に一時的な急落で33.04リラを付けて取引時間中の史上最安値を更新したものの、日足終値ベースで史上最安値となった6月26日終値32.92リラから下落に転じて7月4日まで7営業日連続のドル安リラ高となり7月3日に32.30リラへ高値を伸ばしたが、4日は前日比マイナスだったものの終値にかけてのリラ安で陰線となり、7月5日から6日へ続落していたが、9日もリラ売り再開感が優勢となり3営業日続落で7月4日からは4営業日連続の陰線に終わった。

7月10日午前序盤も32.93リラ近辺につけており、6月28日の史上最安値へ再び迫りつつある。
トルコ中銀の金融引き締め継続による政策金利50%での据え置き、6月28日にFATF(マネーロンダリングやテロ資金に対する国際的監視機関)がトルコを監視大量強化国から除外したことや7月3日のトルコ6月CPIが鈍化したことが7月4日までのリラ買いの背景だったが、リラの先安感そのものはまだ解消しないとの見方からリラ売り再開に入っている印象だ。
7月10日はトルコ5月鉱工業生産と失業率、11日には小売売上高の発表があるが、実体経済面でトルコ景気の強まりを示せないようだとリラ売りが勢い付く可能性もあると注目したい。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、7月3日夕高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとしていたが、7月5日夕刻へ一段安してから小反発したものの再び失速気味となり前回ボトムから5日を経過したために、8日午前時点では5日夕安値を割り込む場合は新たな弱気サイクル入りとするのを妥当とみて5日夕安値を直近のサイクルボトムとし、7月8日夜に5日夕安値を若干割り込んだために9日午前時点では5日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして10日午後から12日夕にかけての間への下落を想定した。
9日夜へ安値を切り下げているので引き続きボトム形成中とし、強気転換は9日午後の反発時高値4.93円を超えるところからとする。

60分足の一目均衡表では7月9日夜への下落で遅行スパンが悪化して先行スパンから転落した状況も続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下げ再開とする。強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとし、その際は遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は7月9日夜に30ポイントまで低下してから戻したものの50ポイントに届かずにいるためまだ下落余地ありとするが、相場が一段安する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行がみられる場合は反騰注意とし、50ポイント超えから続伸する場合はいったん戻しに入るとみて60ポイント台前半への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.88円を下値支持線、4.93円を上値抵抗線とする。
(2)4.91円から4.92円にかけては戻り売り有利とするが、4.93円を超える場合は反騰継続とみて4.94円前後への上昇を想定する。
(3)4.88円割れからは4.87円、4.86円前後を順次試す下落を想定する。4.86円以下は反騰注意とするが4.90円以下での推移なら11日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

7月10日
 16:00 5月 鉱工業生産 前月比 (4月 -4.9%)
 16:00 5月 鉱工業生産 前年同月比 (4月 -0.7%)
 16:00 5月 失業率 (4月 8.5%)
7月11日
 16:00 5月 小売売上高 前月比 (4月 -1.8%)
 16:00 5月 小売売上高 前年同月比 (4月 10.2%)
 20:30 週次 外貨準備高 7月5日時点 (6月28日時点 848.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 7月5日時点 (6月28日時点 394.0億ドル)
7月12日
 16:00 5月 経常収支 (4月 -52.9億ドル)
7月16日
 17:00 6月 財政収支 (5月 2194.1億リラ)



注:ポイント要約は編集部

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