トルコリラ円見通し ドル円が上昇するもドル高リラ安再燃に圧される(24/7/11)

トルコリラ円の7月10日は概ね4.93円から4.88円の取引レンジ、11日早朝の終値は4.92円で前日終値の4.89円から0.03円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円が上昇するもドル高リラ安再燃に圧される(24/7/11)

ドル円が上昇するもドル高リラ安再燃に圧される

〇トルコ円、ドル円上昇に押し上げられ、7/10安値4.88から7/11早朝高値4.93へ戻す
〇ドル高リラ安に圧迫され、7/11午前序盤は再び4.90を割り込む
〇今夜米CPI結果を受けたドル円騰落の影響に要注意
〇金融政策正常化継続等が海外からの投資意欲助長するも、暫くはリラ安継続か
〇対ドル、7/10は概ね33.02から32.67の取引レンジ、4営業日続落、5営業日連続陰線
〇トルコ鉱工業生産は低調、失業率改善するも若年層の失業率は高い
〇4.93超えからは4.94、4.95を順次試す上昇を想定
〇4.88割れからは4.87、4.86前後を順次試す下落を想定

【概況】

トルコリラ円の7月10日は概ね4.93円から4.88円の取引レンジ、11日早朝の終値は4.92円で前日終値の4.89円から0.03円の円安リラ高だった。
ドル円が7月8日午前安値160.22円からの上昇を継続して11日未明には161.80円を付けて7月3日夜高値161.94円に迫ったことに押し上げられてトルコリラ円は10日夕刻安値4.88円から11日早朝高値4.93へ戻したものの、ドル高リラ安による圧迫感で上値が抑えられ、11日午前序盤には再び4.90円を割り込んでいる。

ドル円は162円手前に抵抗感がみられるが、今夜の米CPIをきっかけとして一段高へ進めるか、7月3日夜と11日未明の両高値をダブルトップとして下落期に転じるか試されている。162円台へ乗せれば円安によるトルコリラ円への押し上げも力強くなるが、ダブルトップ形成から下落するようだとトルコリラ円はドル高リラ安と円高の両面から押し下げられやすくなると懸念される。
トルコの金融政策正常化が続いていること、インフレ抑制のための金融引き締めも確りしていること、年後半のインフレ低下見通しや中銀の外貨準備高増強姿勢が海外からの投資意欲を助長しているものの、年末にかけてのレート予想は今年序盤の1ドル40リラから1ドル38リラ前後へと下方修正されてきているもののまだ暫くはリラ安が続くとの見方が健在だ。

【対ドルでトルコリラは4営業日続落、5営業日連続陰線】

ドル/トルコリラの7月10日は概ね33.02リラから32.67リラの取引レンジ、11日早朝の終値は32.86リラで前日終値の32.82リラから0.04リラのドル高リラ安だった。
6月28日に33.04リラを付けて取引時間中の史上最安値を更新し、日足終値としての史上最安値となった6月26日終値32.92リラから7月4日まで7営業日連続のドル安リラ高となったが、7月3日高値32.30リラから再びリラ売りの流れとなり、7月5日から9日まで3日連続のドル高リラ安で推移し、10日もこの流れを継続して4営業日連続のドル高リラ安となり、7月4日からは5営業日連続の日足陰線での下落となった。安値で33リラ台は6月28日以来であり史上最安値更新へ余裕が乏しく、11日午前序盤も32.91リラから32.79リラのレンジで推移している。

【トルコ鉱工業生産は低調】

7月10日に発表されたトルコの5月鉱工業生産は前月比1.7%増となり4月の5.0%減から改善したものの低水準に留まり、前年同月比は0.1%減で4月の0.7%減から若干改善したものの2か月連続でマイナス圏に留まった。ハイテク関連が前月比5.2%減で前年比18.0%減と低迷している。
5月のトルコ失業率は8.4%となり4月の8.5%を下回って4か月連続の低下となり、2012年11月以来の最低へ改善した。ただし、若年層(15歳から24歳)の失業率は15.0%と高く、失業率改善に対する市場の反応は鈍い。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、7月8日夜に7月5日夕安値を若干割り込んだために9日午前時点では5日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして10日午後から12日夕にかけての間への下落を想定した。
10日夕刻に続落したところから11日早朝に強気転換目安とした4.93円まで戻したため、10日夕安値を直近のサイクルボトムとするが、11日午前へ失速しているためすでにサイクルトップを付けた可能性もあると注意する。10日夕安値割れ回避のうちは11日の日中から12日夜にかけての間への上昇余地ありとするが、10日夕安値割れからは弱気サイクル入りとして15日午後から17日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では7月11日早朝への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンもいったん上抜いたが、その後の反落により遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落始めているため、遅行スパン好転からは高値試し優先とするが、遅行スパン悪化中は下落継続とみて安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は7月11日早朝に60ポイント台後半へ上昇したが、その後の失速で50ポイントを割り込んでいる。60ポイント超えからは上昇再開とするが、連続的な下落で40ポイント割れが続く場合は20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.88円を下値支持線、4.93円を上値抵抗線とする。
(2)4.93円超えからは4.94円、4.95円を順次試す上昇を想定する。4.94円は反落注意とすが、4.91円を上回っての推移なら12日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.88円割れからは4.87円、4.86円前後を順次試す下落を想定する。4.86円以下は反騰注意とするが4.90円以下での推移なら12日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

7月11日
 16:00 5月 小売売上高 前月比 (4月 -1.8%)
 16:00 5月 小売売上高 前年同月比 (4月 10.2%)
 20:30 週次 外貨準備高 7月5日時点 (6月28日時点 848.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 7月5日時点 (6月28日時点 394.0億ドル)
7月12日
 16:00 5月 経常収支 (4月 -52.9億ドル)
7月16日
 17:00 6月 財政収支 (5月 2194.1億リラ)


注:ポイント要約は編集部

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