トルコリラ円見通し ドル円は高止まりだが対ドルでのリラ連騰で6月4日以降の高値更新(24/7/3)

トルコリラ円の7月2日は概ね4.97円から4.92円の取引レンジ、3日早朝の終値は4.96円で前日終値の4.94円から0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円は高止まりだが対ドルでのリラ連騰で6月4日以降の高値更新(24/7/3)

ドル円は高止まりだが対ドルでのリラ連騰で6月4日以降の高値更新

〇トルコリラ円、6/28から3連騰、7/2は概ね4.97から4.92の取引レンジ
〇対ドル、7/2は概ね32.73から32.37の取引レンジ、終値ベースでは6/26から5連騰
〇円安とリラ高重なれば、トルコリラ円の上昇も勢い増す可能性
〇本日トルコ6月CPI、前年比鈍化予想、インフレが当面のピークつけた認識広がればリラ買い勢い付くか
〇7/1発表のイスタンブール6月小売物価指数、わずかに鈍化傾向みられるものの高インフレ状態続く
〇4.93上回るうちは4.97超えから4.98、4.99順次試す上昇想定、4.98以上は反落注意
〇4.93割れからは下向きとし4.92、4.91を順次試す下落を想定

【概況】

トルコリラ円の7月2日は概ね4.97円から4.92円の取引レンジ、3日早朝の終値は4.96円で前日終値の4.94円から0.02円の円安リラ高だった。
ドル円は7月2日午後に161.74円を付けてこの間の高値を更新したものの2日夜に161.27円まで下げて上げ渋りの様相となり円安による押し上げがやや鈍ったものの、ドル/トルコリラが5営業日連続でドル安リラ高となったことでトルコリラ円は6月28日から3連騰として6月4日安値4.73円以降の高値を更新した。

4月29日にドル円が160.16円を付けたところでトルコリラ円は4.93円へ上昇し、その後は5月27日早朝の一時的な上昇で付けた4.94円を含めて4.90円から4.94円までを上値抵抗帯としつつ、3月13日安値4.52円から5月3日安値4.69円、6月4日安値4.73円へと安値ラインを切り上げて日足チャートは三角持ち合いの様相だったが、6月28日からの3連騰で上値抵抗帯を突破して上昇が勢い付いている印象だ。
ドル円は162円手前でやや足踏みしているものの米国の為替報告書における監視対象国への再指定もあり市場介入しづらい状況にあり歴史的な円安基調は継続してトルコリラ円を押し上げてゆくのではないかと思われる。ドル/トルコリラにおけるリラ安も一服しており、円安とリラ高が重なる場合にはトルコリラ円の上昇も勢いを増す可能性があると思われる。

【ドルトルコリラは終値ベースで5連騰】

ドル/トルコリラの7月2日は概ね32.73リラから32.37リラの取引レンジ、3日早朝の終値は32.55リラで前日終値の32.63リラからは0.08リラのドル安リラ高だった。
6月25日に33.03リラへ下落して4月12日安値をわずかに更新するとともに終値32.92リラで終値ベースの史上最安値を更新したが、その後はリラ高へ揺れ返しており、6月28日に一時33.04リラへ急落して取引時間中の最安値を更新する場面がみられたものの終値ベースでは6月26日から7月1日へ4連騰となり、7月2日も32.37リラへ高値を伸ばして終値ベースで5連騰とした。

トルコ外相がBRICS加盟希望と発言したこと等をきっかけにリラ売りが再開して史上最安値も更新したのだが、6月27日にトルコ中銀がインフレ抑制のための金融引き締めを継続して政策金利の週間レポレートを50.0%で据え置いたことと年後半へのインフレ鈍化期待によりリラ売りがひとまず落ち着いてリラ買い戻し優勢の流れを作っている印象だ。
6月28日に金融活動作業部会(FATF=マネーロンダリングやテロ資金対策を監視する国際組織)がトルコを「グレーリスト(監視強化対象国・地域)」から除外したこともリラ買いに寄与していると思われる。
本日は6月のトルコCPI上昇率の発表があり、前年比は5月から鈍化すると見込まれているため、インフレが当面のピークを付けたとの認識が広がればリラ買いが勢い付く可能性もあると注目したい。

【7月3日16時、6月のトルコCPI発表】

7月3日にトルコの6月CPI(消費者物価指数)の発表がある。市場の事前予想では前月比が5月の3.37%から2.22%へ鈍化(予想レンジは1.75%〜3.29%)、前年同月比は5月の75.45%から72.60%へ鈍化(予想レンジは71.78%〜74.40%)と見込まれている。
トルコのシムシェキ財務相は5月CPI発表後に「最悪期は脱した」「我々はディスインフレ期に入る」と述べており、6月が顕著に鈍化するのか注目されるが、鈍化傾向が見られれば年末にかけて40〜45%程度に鈍化してゆく期待が高まり来年は30%台へさらに鈍化することも考えられるが、高止まりするようだとそうした楽観も後退しかねないところだ。
7月1日に発表されたイスタンブールの6月RPI(小売物価指数)上昇率は前月比3.42%(5月は3.59%)、前年同月比82.14%(5月は82.20%)、WPI(卸売物価指数)の上昇率は前月比3.85%(5月は2.59%)、前年同月比は60.49%(61.21%)であり、わずかに鈍化傾向がみられるものの高インフレ状態は続いている。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、6月25日夜へ下落してから反騰したために26日午前時点では25日夜安値をサイクルボトムとした強気サイクルとして27日午前から7月1日午前にかけての間への上昇を想定したが、7月2日早朝へ続伸したために7月2日朝午前時点では6月28日夕安値を直近のサイクルボトムとした新たな強気サイクル入りとして7月3日午前から5日午前にかけての間への上昇を想定した。その後も高値を切り上げているのでまだ上昇途中とするが、4.93円割れからは弱気サイクル入りとして3日夕から5日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では7月2日早朝への続伸により遅行スパンが好転したが、その後も遅行スパンと先行スパンの好転が続いているので遅行スパン好転中の高値試し優先とする。遅行スパン悪化からはいったん下げに入るとみて先行スパンの上下限を試す下落を想定するが、先行スパンを上回るうちは遅行スパンが悪化してもその後に好転するところから上昇を再開する可能性があるとみる。

60分足の相対力指数は7月1日から3日未明への一段高に際して指数のピークが切り下がり弱気逆行がみられるため、50ポイント台を維持するか一時的に割り込んでも回復する内は70ポイント台中盤への上昇余地ありとするが、50ポイント割れから続落の場合は下落期入りとみて30ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.93円を下値支持線、4.97円を上値抵抗線とする。
(2)4.93円を上回るうちは4.97円超えから4.98円、4.99円を順次試す上昇を想定する。4.98円以上は反落注意とするが、4.94円を上回っての推移なら4日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.93円割れからは下向きとして4.92円、4.91円を順次試す下落を想定する。4.91円以下は反騰注意とするが、4.93円以下での推移なら4日も安値試しへ向かいやすいとみる。



注:ポイント要約は編集部

【当面の主な予定】

7月3日
 16:00 6月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (5月 3.37%、予想 2.22%)
 16:00 6月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (5月 75.45%、予想 72.60%)
 16:00 6月 コアCPI(消費者物価指数) 前月比 (5月 3.8%)
 16:00 6月 コアCPI(消費者物価指数) 前年同月比 (5月 75.0%)
 16:00 6月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (5月 1.96%)
 16:00 6月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (5月 57.68%)
7月4日
 20:30 週次 外貨準備高 6月28日時点 (6月21日時点 885.0億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 6月28日時点 (6月21日時点 448.5億ドル)
7月5日
 23:30 6月 財務省現金残 (5月 2347.43億リラ)
7月10日
 16:00 5月 鉱工業生産 前月比 (4月 -4.9%)
 16:00 5月 鉱工業生産 前年同月比 (4月 -0.7%)
 16:00 5月 失業率 (4月 8.5%)

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