『国民統一政府の閣僚人事を巡るヘッドラインに一喜一憂』
〇今週の南ア円、週後半にかけ週間安値8.68まで下落後に8.85前後まで急回復
〇総選挙後の国民統一政府を巡る先行き不透明感の後退(閣僚人事の合意期待)が支援材料
〇テクニカルは、日足が主要テクニカルポイントの上側に位置、急落局面も転換線で止まり、地合い強い
〇ファンダメンタルズも政局不安後退、南ア中銀の早期利下げ観測後退が南ア円をサポート
〇引き続き、南アランド円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.75ー9.05
今週のレビュー(6/24−6/28)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週間高値8.89円で寄り付いた後、(1)南ア1ー3月期非農業部門雇用者数(結果▲0.7%、前回+1.2%)の冴えない結果や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米当局者による相次ぐタカ派発言→米金利上昇に伴うドル買い圧力→南アフリカから米国への資金流出圧力)、(3)金・プラチナ価格の冴えない動き(南アフリカの交易条件悪化懸念)、(4)南アフリカの閣僚人事を巡る先行き不透明感(ラマポーザ大統領は最大野党の民主同盟=DAに渡すとされていた貿易産業競争大臣のポストを突如撤回→DAの連立政権離脱リスクが浮上→国民統一政府=GNUを巡る先行き不安拡大)が重石となり、週後半にかけて、週間安値8.68円まで下落しました。
しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)フィキレ・ムバルラANC事務局長によるXへの「South Africa almost done with GNU discussions, In the best interest of all south africans. It will be done as promised(南アフリカはGNUに関する議論をほぼ終えた。約束どおり実行されるでしょう)」とのコメント投稿や、(6)上記5を背景としたGNUを巡る先行き不透明感の後退(閣僚人事の合意期待)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間6/29午前2時45分現在)では、8.85円前後まで急回復する展開となっております。
来週の見通し(7/1−7/5)
南アフリカランドの対円相場(ZARJPY)は、先週末金曜日に記録した約6年ぶり高値8.89円をトップに反落に転じると、週後半にかけて一時8.68円まで急落しましたが、週末にかけては一転、騰勢を取り戻し、本稿執筆時点では8.85円前後まで急回復する力強い動きが見られました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、一目均衡表転換線、基準線、雲上限、ボリンジャーミッドバンド)の上側に位置していること(週後半にかけて急落した場面でも一目均衡表転換線がサポートとして確り機能したこと)や、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日本と南アフリカの金利差に着目した円キャリートレードの継続や、(2)GNUの閣僚人事を巡る合意期待、(3)上記2を背景とした外国人投資家による資金流入期待、(4)南ア中銀による早期利下げ観測の後退(市場では南ア中銀が米国に先だった利下げに踏み切る可能性は乏しいとの見方がコンセンサス。南ア中銀の利下げ開始時期が本年11月以降にずれ込むとの見方が再浮上)など、南アランド円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。来週も新政権の閣僚人事を巡るヘッドラインに揺さぶられる可能性はあるものの、上記の通り、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも南アランド買いの材料が揃っているため、当方では引き続き、南アランド円相場の上昇(6/21に記録した約6年ぶり高値8.89円や、心理的節目9.00円の早期突破)をメインシナリオとして予想いたします。
来週の予想レンジ(ZARJPY):8.75ー9.05
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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