東京市場のドルは161円台到達、PCE市場予想通りでも円安ドル高は継続か(24/6/28)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、10時の値決めのタイミングでドル買い需要が入ったとの観測などから161円28銭まで買われる場面が見られた。

東京市場のドルは161円台到達、PCE市場予想通りでも円安ドル高は継続か(24/6/28)

東京市場のドルは161円台到達、PCE市場予想通りでも円安ドル高は継続か

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、10時の値決めのタイミングでドル買い需要が入ったとの観測などから161円28銭まで買われる場面が見られた。

昨晩の海外時間では、週次の失業保険継続受給者数の一段の増加や、5月耐久財受注速報値でのコア資本財受注の落ち込みが懸念されたといわれ、やや金利が低下したことに伴いドル売りが先行した。しかし、売り一巡後は押し目買いなどが入り160円台70銭台で推移した。

東京時間では、10時の値決めのタイミングで実需筋のドル買い需要が入ったとの観測から161円28銭まで買われる場面が見られた。市場では、米国で行われている大統領選挙に向けた第1回のテレビ討論会で「トランプ優勢」との見方が強まったことでドルが買われたとの声も聞かれた。

なお、朝方に伝わった5月失業率は市場予想と同じ2.6%、6月東京消費者物価指数も市場予想と同じ前年比2.1%上昇だったことで、為替への影響は限定的となった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:160円72銭
高値:161円28銭
安値:160円64銭
終値:160円95銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:172円04銭
高値:172円38銭
安値:172円00銭
終値:172円06銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:106円82銭
高値:107円00銭
安値:106円56銭
終値:106円60銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:203円13銭
高値:203円58銭
安値:203円07銭
終値:203円31銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39593円01銭
高値:39783円70銭
安値:39485円73銭
終値:39583円08銭(前日比+241円54銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

19時00分、欧、ビルロワドガロー仏中銀総裁が会議出席
19時00分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁が会議出席
21時30分、米、5月PCEデフレータ(前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.0%
21時30分、米、5月PCEデフレータ(前年比)、前回:2.7%、市場予想:2.6%
21時30分、米、5月PCEデフレータ(コア・前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.1%
21時30分、米、5月PCEデフレータ(コア・前年比)、前回:2.8%、市場予想:2.6%
22時45分、米、6月シカゴ購買部協会景気指数、前回:35.4、市場予想:39.0
23時00分、米、6月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)、前回:65.6、市場予想:65.6
21時40分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁がインタビューに応じる
25時00分、米、ボウマンFRB理事が討論会に参加
25時40分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が講演

※予定は変更することがございます。

【今晩の海外時間の見通し】

本日の海外時間は、米連邦準備制度理事会(FRB)がデータとして非常に重要視しているPCEデフレータの発表を控えていることで、値動きが大きくなりそうだ。為替市場では、トランプ氏とバイデン大統領の討論会の話題のほか、為替介入の陣頭指揮を執っていた神田財務官が交代し、後任に三村国際局長が就くことで介入がしにくくなるのではないか、など思惑材料が満載となっている。

ドル・円は161円台にあっさりと入ったことで上への地合いが強いと考える。今晩は、PCEデフレータのほか、タカ派なボウマンFRB理事の講演なども控えていることから、円安ドル高の地合いが強まる展開に警戒しておきたい。

せっかくなので、PCEデフレータを少し説明したい。PCEデフレータは、米商務省経済分析局が発表する「個人の消費支出の変動分のうち物価変動によるものを除くための指数」である。名目個人消費支出をPCEデフレータで割ることで実質個人消費支出が算出される。

年8回開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)のうち4回(3月、6月、9月、12月)で示されるFOMC参加メンバーによる経済見通し(ドットチャート)の際に、物価見通しの対象となっていることで有名な経済指標だ。

似たような経済指標の消費者物価指数(CPI)との違いは調査対象となる範囲がPCEデフレータの方が広い。また、CPIが消費者調査によるデータを基にしているのに対して、PCEデフレータは企業調査によるデータを基に算出される。短期間で生じた消費行動の変化について、CPIでは調整が行われないが、PCEデフレータは代替品などによる行動変化を調整される。つまりCPIよりもPCEデフレータの方が精緻なデータという見方である。

6月FOMC時の2024年のインフレ率(PCE)の予想中央値は2.6%で、今回の市場予想も同じ2.6%である。市場予想通りであれば、年内一回利下げの可能性がより強まることで、ややドル買いに傾く可能性はある。

今晩の海外時間は米経済指標や米要人発言を控え動きそうだが、ドル上昇を想定する。上値メドは162円00銭、下値メドは160円50銭とする。

東京市場のドルは161円台到達、PCE市場予想通りでも円安ドル高は継続か

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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