東京市場のドルは161円台到達、PCE市場予想通りでも円安ドル高は継続か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、10時の値決めのタイミングでドル買い需要が入ったとの観測などから161円28銭まで買われる場面が見られた。
昨晩の海外時間では、週次の失業保険継続受給者数の一段の増加や、5月耐久財受注速報値でのコア資本財受注の落ち込みが懸念されたといわれ、やや金利が低下したことに伴いドル売りが先行した。しかし、売り一巡後は押し目買いなどが入り160円台70銭台で推移した。
東京時間では、10時の値決めのタイミングで実需筋のドル買い需要が入ったとの観測から161円28銭まで買われる場面が見られた。市場では、米国で行われている大統領選挙に向けた第1回のテレビ討論会で「トランプ優勢」との見方が強まったことでドルが買われたとの声も聞かれた。
なお、朝方に伝わった5月失業率は市場予想と同じ2.6%、6月東京消費者物価指数も市場予想と同じ前年比2.1%上昇だったことで、為替への影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:160円72銭
高値:161円28銭
安値:160円64銭
終値:160円95銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:172円04銭
高値:172円38銭
安値:172円00銭
終値:172円06銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:106円82銭
高値:107円00銭
安値:106円56銭
終値:106円60銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:203円13銭
高値:203円58銭
安値:203円07銭
終値:203円31銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39593円01銭
高値:39783円70銭
安値:39485円73銭
終値:39583円08銭(前日比+241円54銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
19時00分、欧、ビルロワドガロー仏中銀総裁が会議出席
19時00分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁が会議出席
21時30分、米、5月PCEデフレータ(前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.0%
21時30分、米、5月PCEデフレータ(前年比)、前回:2.7%、市場予想:2.6%
21時30分、米、5月PCEデフレータ(コア・前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.1%
21時30分、米、5月PCEデフレータ(コア・前年比)、前回:2.8%、市場予想:2.6%
22時45分、米、6月シカゴ購買部協会景気指数、前回:35.4、市場予想:39.0
23時00分、米、6月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)、前回:65.6、市場予想:65.6
21時40分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁がインタビューに応じる
25時00分、米、ボウマンFRB理事が討論会に参加
25時40分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が講演
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、米連邦準備制度理事会(FRB)がデータとして非常に重要視しているPCEデフレータの発表を控えていることで、値動きが大きくなりそうだ。為替市場では、トランプ氏とバイデン大統領の討論会の話題のほか、為替介入の陣頭指揮を執っていた神田財務官が交代し、後任に三村国際局長が就くことで介入がしにくくなるのではないか、など思惑材料が満載となっている。
ドル・円は161円台にあっさりと入ったことで上への地合いが強いと考える。今晩は、PCEデフレータのほか、タカ派なボウマンFRB理事の講演なども控えていることから、円安ドル高の地合いが強まる展開に警戒しておきたい。
せっかくなので、PCEデフレータを少し説明したい。PCEデフレータは、米商務省経済分析局が発表する「個人の消費支出の変動分のうち物価変動によるものを除くための指数」である。名目個人消費支出をPCEデフレータで割ることで実質個人消費支出が算出される。
年8回開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)のうち4回(3月、6月、9月、12月)で示されるFOMC参加メンバーによる経済見通し(ドットチャート)の際に、物価見通しの対象となっていることで有名な経済指標だ。
似たような経済指標の消費者物価指数(CPI)との違いは調査対象となる範囲がPCEデフレータの方が広い。また、CPIが消費者調査によるデータを基にしているのに対して、PCEデフレータは企業調査によるデータを基に算出される。短期間で生じた消費行動の変化について、CPIでは調整が行われないが、PCEデフレータは代替品などによる行動変化を調整される。つまりCPIよりもPCEデフレータの方が精緻なデータという見方である。
6月FOMC時の2024年のインフレ率(PCE)の予想中央値は2.6%で、今回の市場予想も同じ2.6%である。市場予想通りであれば、年内一回利下げの可能性がより強まることで、ややドル買いに傾く可能性はある。
今晩の海外時間は米経済指標や米要人発言を控え動きそうだが、ドル上昇を想定する。上値メドは162円00銭、下値メドは160円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.06.29
来週の為替相場見通し:『ドル円は約38年ぶり高値を更新。ドル高・円安トレンドの継続を想定』(6/29朝)
ドル円はついに心理的節目160.00を突破し、週末にかけて約38年ぶり高値となる161.28まで急伸しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.06.28
ドル円 ドル高止まらず、月末需給要因にも注意(6/28夕)
東京市場はドルが続伸。前日高値を超え、38年ぶりに一時161円台を示現する局面も観測されていた。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。