ドル円 ドル高止まらず、月末需給要因にも注意(6/28夕)

東京市場はドルが続伸。前日高値を超え、38年ぶりに一時161円台を示現する局面も観測されていた。

ドル円 ドル高止まらず、月末需給要因にも注意(6/28夕)

ドル高止まらず、月末需給要因にも注意

〇本日のドル円、前日高値を超え一時161.25-30まで続伸、その後強保ち合いをたどる
〇テクニカルには青天井で明確な上値メドは165円か、時間を掛け更なるドル高・円安進行の可能性も
〇短期的にドル買い・円売り要因が山積、月末需給要因や米大統領選ファクターが本日のドル買い材料に
〇本日、5月PCEデフレーターや6月ミシガン大学消費者信頼感指数確報など発表予定
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ160.50-161.60、ドル高・円安方向は161.25-30をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向、160.65レベルが最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが続伸。前日高値を超え、38年ぶりに一時161円台を示現する局面も観測されていた。

ドル/円は160.75円で寄り付いたのち、介入警戒もありしばらくは冴えない。しかし、仲値に向けた需給要因などを受け突然ドル買い・円売りが強まると、一気に161円台へと上伸。そして、そのまま勢いをかい日中高値の161.25-30円まで続伸を遂げている。ちなみに、一連の動きのなかでも、当局による実弾介入は観測されていない。その後は強保ち合いをたどるなか、16時段階では160.95-00円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日米金融政策など」と「米大統領選」について。
前者のうち米国は、昨日発表された米経済指標において好悪混在。しかし、1-3月のGDP確定値が前月から上方修正されたことや、同コアPCEの上振れなどが好感され、ドルの買い要因に。そうしたなか、アトランタ連銀総裁からは「インフレは正しい方向に進んでいる」としたコメントも聞かれていたようだ。それに対して日本は、本日早朝に発表された東京消費者物価が3ヵ月ぶりに2%台を回復していた。日銀の追加利上げを後押しする力強い要因だが、為替市場の反応はいまひとつ。実際、本日東京市場は逆にドル高・円安が進行している。

対して後者は、本日東京時間に行われたバイデン氏とトランプ氏のテレビ討論会も市場の関心を集めていた。互いを「史上最悪の大統領」と罵り合うなど、泥仕合の様相を呈する場面もあったが、結果的にはトランプ氏の完勝に終わったとの見方が有力だ。実際、終了後に米CNNが報じたところによると、今回の討論会は「トランプ氏勝利」と答えた向きが67%にも及んだという。そんなトランプ氏は、金融緩和と減税に積極的。そして対日政策として関税を引き上げる、といった見方がある。なお、米の保護主義強化思惑が本日東京時間のドル買いに繋がっていたとの声もあった。

<< 欧米市場の見通し >>

私事で恐縮だが、筆者が大学を卒業し金融業界に入ったのが1990年のこと。つまり、1ドル=160円というレベルはかつて体感しているけれど、本日東京時間につけた161円以上は筆者も未体験だ。本当に凄いレベルに達していると言わざるを得ないが、テクニカルには軽い青天井で、明確な上値メドと言えば1986年11月高値の165円か。かなり遠いとはいえ、時間を掛けつつさらなるドル高・円安が進行する可能性もある。
市場は7月以降の日米金融政策を注視。簡単には縮まらない日米金利差をバックに、短期的にはドル買い・円売り要因が山積しているとの指摘が聞かれていた。うちひとつは、先でも触れた「月末需給要因」、そして「米大統領選ファクター」が本日はドル買い材料に。さらに、為替介入の司令塔だった「神田財務官の退任」が明らかになったことを材料視していた向きがあったという。後者の為替介入についてはレベル的に見て十分という気がするが、実際に出動することはあるのだろうか。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場はすでに明確な上値メドが見当たらない状況だ。中期的には165円ということになりそうだが、それまでは目立った節目はない。ただし、昨日もレポートした、かつての神田財務官発言「わずか2週間で4%といった、大きな変動が見られるのは違和感」を参考にすれば、162-163円はある種のボーダーラインといった見方も取り沙汰されていた。
一方、ドルは基本的に底堅いものの、実弾介入が実施されればその限りではない。最低でも3円程度は簡単に下落しても不思議はない。

本日は米経済指標として、5月のPCEデフレーターや6月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表される予定となっている。昨日は強弱まちまちながらトータルとしてドル買いに反応したが、果たして本日は如何に。また、米通貨当局者の講演なども多く、こちらも要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは160.50-161.60円。ドル高・円安方向は、本日東京高値161.25-30円をめぐる攻防にまずは注目。上抜けると昨日4本値を参考にしたピボットによる161円半ばが一応のメドか。
対するドル安・円高方向は、同様に本日東京安値の160.65円レベルが最初のサポート。それを下回ると昨日安値160.29円が意識されそうだ。

ドル高止まらず、月末需給要因にも注意

ドル円日足


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