GNU樹立に向けたご祝儀相場が続く
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、国民統一政府(GNU)に関するニュースに一喜一憂し、結果的にほぼ横ばい推移となった。
民主同盟(DA)が閣僚人数の配分に加え、主要な経済関係閣僚ポストを要求していることで、交渉が難航しているとの見方が強まっている。第一党のアフリカ民族会議(ANC)内でDAとのGNU樹立合意に根強い反対意見がくすぶっていることや、ANCの支持母体の南ア労働組合連合(COSATU)や南ア共産党(SACP)との関係から、DAのリベラルな経済政策を受け入れにくい状況などが懸念材料視され、GNU樹立に時間がかかっている様子。
こうしたニュースに加え、27日に発表された5月生産者物価指数が前回及び市場予想を下回ったことで、インフレ見通し鈍化に伴う早期の利下げ観測をやや強める材料となり、ランドは売り優勢の展開となった。
ただ、週末、ムバルラANC事務局長が「GNUに関する議論をほぼ終えた」とXに投稿したことで、ランドは持ち直す展開となった。
ランド・円(東京時間:6月24日―6月28日)
※Investing.comの日足を参照
始値:8.8946円
高値:8.8959円
安値:8.6804円
終値:8.8368円
【先週と今週の重要指標】
※時間は東京時間
6月27日
17時00分、第2四半期消費者信頼感指数、前回:−15、結果:−12
18時30分、5月生産者物価指数(前月比)、前回:0.5%、市場予想:0.5%、結果:0.1%
18時30分、5月生産者物価指数(前年比)、前回:5.1%、市場予想:5.0%、結果:4.6%
6月28日
15時00分、5月マネーサプライ、前回:5.75%、結果:4.72%
21時00分、5月貿易収支、前回:97億ランド、結果:201億ランド
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、目立った経済指標の発表が予定されていないこともあり、GNU樹立に関するニュースへの関心が非常に高まろう。先週同様、一喜一憂する地合いを想定する。
ムバルラ事務局長のコメントを見る限りでは、先週のランド売りの材料となった「貿易産業競争大臣のポスト」は当初の予定通りDAに渡ったとの観測だが、確定情報を確認するまでは安心できない。今週、GNU樹立の方向性が固まれば、ランドは9.0円台の大台を試すと考える。
(編集部注:午前中、連立政権樹立報道あり、貿易産業大臣ポストにはANCのタウ氏が就任と報道)
本来、先週のPPI鈍化はランド売りの材料と捉えられるが、今はGNU樹立への期待感といったご祝儀相場のため、モメンタム先行で経済指標はほぼ無視された地合いと言えよう。
テクニカルでは、日足の一目均衡表の雲上限水準を上放れており、22年戻り高値を上回ったことから、ターゲットは9.0円台となろう。いったんは8.8円前後でもみ合ったが、買いの圧力は引き続き強い。「GNU樹立に不透明感」といったネガティブなニュースが出ない限りは、9.0円を通過点としたランド高円安の地合いは継続すると考える。
南アフリカランド円日足
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.07.06
南アランド円週報:『約6年ぶり高値圏へと急上昇。閣僚人事決定と米金利低下が買い要因』(7/6朝)
南アランド円相場は、7/1にの約6年ぶり高値8.97円をトップに反落に転じ、一時8.65円まで下げましたが、週末にかけては再び8.83円付近まで持ち直す動きとなりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.06.29
南アランド円週報:『国民統一政府の閣僚人事を巡るヘッドラインに一喜一憂』(6/29朝)
南アフリカランドの対円は、週後半にかけて一時8.68円まで急落しましたが、週末に騰勢を取り戻し、本稿執筆時点では8.85円前後まで急回復する力強い動きが見られました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。