南アランド円週報:『約6年ぶり高値圏へと急上昇。閣僚人事決定と米金利低下が買い要因』(7/6朝)

南アランド円相場は、7/1にの約6年ぶり高値8.97円をトップに反落に転じ、一時8.65円まで下げましたが、週末にかけては再び8.83円付近まで持ち直す動きとなりました。

南アランド円週報:『約6年ぶり高値圏へと急上昇。閣僚人事決定と米金利低下が買い要因』(7/6朝)

『約6年ぶり高値圏へと急上昇。閣僚人事決定と米金利低下が買い要因』

〇今週の南ア円、連立政権閣僚人事発表を受け週明け早々8.97まで上昇
〇買い一巡後は8.65まで反落するも、米金利低下、金・プラチナ価格堅調に8.83前後まで持ち直す
〇テクニカルは、日足が主要テクニカルポイントの上側に位置、強い買いシグナルも点灯、地合い強い
〇円キャリー継続、連立政権閣僚人事への安堵感、米利下げ観測再燃等も南ア円をサポート
〇引き続き、南アランド円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.70ー9.00

今週のレビュー(7/1−7/5)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初8.87円で寄り付いた後、(1)ラマポーザ大統領による閣僚人事発表を受けたご祝儀買い(最大野党・民主同盟=DAから計6ポストが選出されたことや、ゴドンワナ財務相の留任が決定したこと等を市場が好感)が支援材料となり、週明け早々に週間高値8.97円(2018年5月14日の高値圏)まで上昇しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(2)急ピッチな上昇に対する反動売りが重石となり、翌7/2に週間安値8.65円まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(3)パウエルFRB議長による「ディスインフレの軌道に戻りつつある」とのハト派的な発言や、(4)上記3を背景とした米FRBによる早期利下げ観測再燃(米金利低下→新興国通貨上昇)、(5)南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の堅調推移(金価格は6/7以来の高値圏へ上昇。プラチナ価格は6/3以来の高値圏へ上昇)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間7/6午前1時30分現在)では、8.83円前後まで持ち直す動きとなっております。

尚、今週発表された南ア経済指標では、南ア6月製造業PMI(結果45.7、前回43.8)が前回数値を上回る一方、南ア6月スタンダード銀行PMI(結果49.2、前回50.4)が前回数値を下回るなど強弱まちまちの結果となりました。また、南ア4ー6月期BERインフレ予想(結果5.3%、前回5.4%)は前回数値を下回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。

来週の見通し(7/8−7/12)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、7/1に記録した約6年ぶり高値8.97円をトップに反落に転じると、一時8.65円まで下げ幅を広げる場面も見られましたが、週末にかけては一転、再び8.83円付近まで持ち直す力強い動きとなりました。日足ローソク足が依然として主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、一目均衡表転換線、基準線、雲上限、ボリンジャーミッドバンド)の上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日本と南アフリカの金利差に着目した円キャリートレードの継続や、(2)閣僚人事決定を巡る安堵感(DAからの6ポスト選出+ゴドンワナ財務相の留任決定)、(3)上記2を背景とした外国人投資家による資金流入期待、(4)米FRBによる早期利下げ観測再燃(新興国から米国への資金流出圧力後退)、(5)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)など、南アランド円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南アフリカの経済指標が予定されておらず、また翌週(6/18)に南ア中銀会合を控えていることもあり、南アランドは主体性に欠ける値動き(米ドル主導の動き)となりそうです。

来週の予想レンジ(ZARJPY):8.70ー9.00

注:ポイント要約は編集部

『約6年ぶり高値圏へと急上昇。閣僚人事決定と米金利低下が買い要因』

南アランド円日足

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