3. トルコリラ円見通し　ドル円の急伸と対ドルでのリラ安一服で6月4日以降の高値更新(24/6/27)

トルコリラ円見通し　ドル円の急伸と対ドルでのリラ安一服で6月4日以降の高値更新(24/6/27)

トルコリラ円の6月26日は概ね4.90円から4.84円の取引レンジ、27日早朝の終値は4.90円で前日終値の4.84円からは0.06円の円安リラ高だった。

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トルコリラ円見通し　ドル円の急伸と対ドルでのリラ安一服で6月4日以降の高値更新(24/6/27)

ドル円の急伸と対ドルでのリラ安一服で6月4日以降の高値更新

〇トルコ円、ドル円一段高と対ドルでのリラ安一服により、6/27早朝に4.90へ一段高
〇ドル円が161円到達後も円安加速の場合、5/27につけた一時的高値4.95超えを目指す可能性も
〇対ドル、6/26は概ね33.02から32.60の取引レンジ、6/27早朝の終値は32.84
〇ドル/トルコリラ、終値の史上最安値更新一服で5日ぶり反落
〇今夜のトルコ中銀MPC、政策金利据え置き見通し
〇4.86を上回るうちは4.91から4.92を順次試す上昇を想定
〇4.86割れからは下落期入りとみて4.84前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の6月26日は概ね4.90円から4.84円の取引レンジ、27日早朝の終値は4.90円で前日終値の4.84円からは0.06円の円安リラ高だった。
ドル/トルコリラが終値ベースの史上最安値を連日更新したこととドル円の上げ渋りによりトルコリラ円は4.87円前後を抵抗として上値の重い展開で持ち合いにつかまっていたが、ドル円が26日夕刻に4月29日高値を超えて一段高に入る一方で対ドルでのリラ安が一服したことで27日早朝に4.90円へ一段高した。

ドル円は6月24日午前高値159.92円から上げ渋っていたものの、米長期債利回り上昇やユーロドルの下落等によるドル高優勢の流れで6月24日高値を超え、160円到達で市場介入がみられなかったために27日早朝に160.86円へ一段高して4月29日高値160.16円を上抜いた。神田財務官は深刻な懸念や市場介入をちらつかせるけん制発言を行ったものの介入は見られず、市場は米財務省が6月20日に発表した為替報告書において日本が監視対象国に再指定されたことで介入しづらくなっているのではないかとみて円売り攻勢を強めている。このためユーロは対ドルで下落する一方で対円では一段高へ進んでおり、クロス円全般で円安の勢いが増してきた印象だ。

トルコリラ円は6月7日以降、4.80円前後を下値支持線としつつ4.87円前後を上値抵抗線とした持ち合いにつかまってきたが、ドル円の一段高を見て4.87円を超えて持ち合い上放れに入り4.90円に到達した。ドル円が市場介入への警戒感からいったん下げる場合にはトルコリラ円も元の持ち合いレンジへ押し返される可能性があるものの、ドル円が161円に到達しても介入がなければさらに円安が加速する可能性もあり、その際にトルコリラ円は5月27日早朝に一時的な急伸で付けた4.95円超えを目指す可能性も出てくるのではないかと思われる。

【ドルトルコリラは終値の史上最安値更新一服で5日ぶり反落】

ドル/トルコリラの6月26日は概ね33.02リラから32.60リラの取引レンジ、27日早朝の終値は32.84リラで前日終値の32.92リラからは0.08リラのドル安リラ高だった。
4月12日の史上最安値33.03リラから5月14日高値31.89リラまでのリラ高が一巡してリラ売り再開に入り、6月20日から25日まで4営業日連続で終値ベースの史上最安値を更新し、25日は4月12日と同値の安値としたが、小数点下四桁では25日安値33.0264リラで4月12日安値33.0255リラをわずかに超えて取引時間中の史上最安値を更新した。
6月26日夜にかけてはユーロ、ポンド、豪ドル等が総じて下げたことでメジャー通貨ではドル高優勢となったものの、ドル/トルコリラは前日までの下落一服によるリラの買い戻しで5日ぶりの反発となった。今夜のトルコ中銀金融政策会合でカラハン総裁が金融引き締め継続へ向けたタカ派姿勢を示せばリラ売りがいったん落ち着くことも考えられるが、メジャー通貨でのドル高基調が続く内はリラ売りの流れも続きやすいのではないかと思われる。

【6月27日のトルコ中銀ＭＰＣは政策金利据え置き見通し】

6月27日20時にトルコ中銀ＭＰＣ（金融政策委員会）の政策発表があるが、政策金利の週間レポレートは現行の50.0％で据え置かれると衆目が一致している。
トルコ中銀は今年3月に政策金利を50.0％としてからは現状維持を続けており、インフレが収まらないうちは引き締め姿勢を継続すると繰り返し表明してきた。トルコのインフレ率は6月3日発表の5月ＣＰＩの前年比で75.45％となり4月の69.8％から伸びが加速しており、前月比も4月の3.18％から5月は3.37％へ加速したため、7月3日に発表予定の6月ＣＰＩ前年比も6月を上回るのではないかとみられるため中銀の引き締め姿勢も継続すると思われる。

【60分足　一目均衡表・サイクル分析】

【60分足　一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円日足

【当面の主な予定】

6月27日
　16:00　6月　経済信頼感指数　（5月　98.2）
　20:00　トルコ中銀　政策金利　週間レポレート　（現行　50.0％、予想　50.0％）
　20:30　週次　外貨準備高　6月21日時点
6月28日
　16:00　5月　貿易収支確報　（4月　-99億ドル）
7月1日
　16:00　6月　イスタンブール製造業ＰＭＩ　（5月　48.4）
7月3日
　16:00　6月　ＣＰＩ（消費者物価指数）　前月比　（5月　3.37％）
　16:00　6月　ＣＰＩ（消費者物価指数）　前年同月比　（5月　75.45％）


注：ポイント要約は編集部

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