トルコリラ円見通し ドル円を見ながら夕刻から戻す、4.90円に抵抗感(24/6/28)

トルコリラ円の6月27日は概ね4.90円から4.86円の取引レンジ、28日早朝の終値は4.89円で前日終値の4.90円から0.01円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円を見ながら夕刻から戻す、4.90円に抵抗感(24/6/28)

トルコリラ円見通し ドル円を見ながら夕刻から戻す、4.90円に抵抗感

〇トルコリラ円、6/27夕刻4.86まで反落したところから、6/28早朝高値4.90まで切り返す
〇対ドル、6/27は概ね32.94から32.65の取引レンジ、前日の高安レンジ内に留まり勢いに欠ける
〇6/28早朝に32.92近辺まで下げる
〇トルコ中銀、3会合連続で政策金利据え置きを決定
〇4.86を上回るうちは、4.91超えから4.92、4.93を順次試す上昇を想定する
〇4.86割れからは下落期入りとみて、4.84、4.83を順次試す下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の6月27日は概ね4.90円から4.86円の取引レンジ、28日早朝の終値は4.89円で前日終値の4.90円から0.01円の円高リラ安だった。
ドル/トルコリラが終値ベースの史上最安値を連日更新したこととドル円の上げ渋りによりトルコリラ円は4.87円前後を抵抗として26日午前までは上値の重い持ち合いにつかまっていたが、ドル円が26日夕刻に4月29日高値を超えて一段高に入る一方で対ドルでのリラ安が一服したことで27日早朝に持ち合いを上放れして4.90円へ一段高した。
6月27日はドル円が市場介入警戒感から夜に160.26円まで下げてから戻し、ドル/トルコリラも中銀の政策金利据え置き決定からややリラ高で推移したため、トルコリラ円は夕刻に4.86円まで反落したところから28日早朝高値4.90円まで切り返している。

ドル円は6月27日朝に160.86円をつけて1986年12月以来の高値水準に達したが、160円台到達で今年三度目の市場介入がなかったものの介入警戒感を払拭できないとしていったん160.0円台前半へ下げたが、円安基調は継続とみられて高値更新を伺う位置へ切り返している。今夜の米5月PCEデフレーターが予想を上回る場合にはインフレの高止まりと米利下げ先送り感からドル高反応を招いてドル円も161円台へ進む可能性があり、その際はトルコリラ円もクロス円全般の上昇とともにドル円の上昇を追いかけると思われるが、米PCEがインフレ鈍化傾向を顕著に示す場合はドル安反応となりドル円がいったん下げてトルコリラ円もドル円の下落を追う展開となりかねない。波乱注意で臨機応変に対処したい。

【ドルトルコリラは32リラ台後半に留まる】

ドル/トルコリラの6月27日は概ね32.94リラから32.65リラの取引レンジ、28日早朝の終値は32.80リラで前日終値の32.84リラから0.04リラのドル安リラ高だった。
4月12日の史上最安値33.03リラから5月14日高値31.89リラまでのリラ高が一巡してリラ売り再開に入り、6月20日終値32.81リラから25日終値32.92リラまで4営業日連続で終値ベースの史上最安値を更新し、25日は安値33.0264リラで4月12日安値をわずかに超えて取引時間中の史上最安値も更新した。リラ売り一服で26日は6営業日ぶりに反発したが、27日はトルコ中銀が政策金利を現状維持とした後にややリラ高反応を見せたものの26日の高安レンジ内に留まって勢いに欠け、28日早朝は32.92リラ近辺へ売られている。
5月後半にかけては対ドルでの歴史的なリラ安が一巡して落ち着き始めたとの声も聞かれたが、その後のリラ安再燃により年末にかけて1ドル35リラや37リラ台等へ向かうのではないかとの見方が再び優勢となりつつある。

【トルコ中銀は3会合連続で政策金利据え置き】

トルコ中銀は6月27日の金融政策委員会で市場予想通りに政策金利の週間レポレートを50.0%で据え置いた。
政策金利はエルカン前総裁時代にそれまでの8.5%から8会合連続の利上げで45.0%まで引き上げられ、エルカン総裁が退任した後を引き継いだカラハン総裁が今年3月に50.0%へ追加利上げをしてからは3会合連続で据え置きとしている。
トルコ中銀は高インフレが収まり年後半にかけて低下するとの楽観見通しを示しているものの、インフレが高止まりする内は引き締め政策を継続すると繰り返し強調しており、今回合でもその方針を維持した。中銀は今回の声明で「インフレ率の基調的なトレンドに大幅かつ持続的な鈍化が確認されるまでは引き締めスタンスを維持する」とし、「信用および預金市場で予想外の展開があった場合には金融政策の伝達メカニズムは追加的なマクロプルーデンス措置(金融システム全体のリスクの把握を重視して安定を図る政策)を通じサポートされる」とした。市場の事前予想は据え置きで衆目が一致していたために大きな反応はなかった。
トルコ経済にとっては高インフレ・高金利・緊縮財政が足かせとなっていることも懸念される。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、6月25日夜へ下落してから反騰したために26日午前時点では24日午前高値を直近のサイクルトップ、25日夜安値を同サイクルボトムとした新たな強気サイクルとして27日午前から7月1日午前にかけての間への上昇を想定した。
6月27日早朝へ急伸してから27日夕刻へいったん下げたものの切り返しているのでまだ上昇余地ありとするが、4.86円割れからは弱気サイクル入りとして28日夜から7月2日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では6月27日早朝への急伸で先行スパンを上抜いたが、その後も先行スパンを上回っての推移が続いているので遅行スパン好転中の高値試し優先とし、先行スパンを上回るうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、連続的な下落で先行スパンから転落する場合はいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は6月28日早朝への急伸で80ポイント台に到達し、27日夕刻の下落時に40ポイントをいったん割り込んだものの持ち直しているので60ポイント超えからは70ポイント前後への上昇を想定するが、次に40ポイントを割り込むところからは下落期入りとみて20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.86円を下値支持線、4.91円を上値抵抗線とする。
(2)4.86円を上回るうちは4.91円超えから4.92円、4.93円を順次試す上昇を想定する。4.92円以上は反落注意とするが、4.88円を上回っての推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.86円割れからは下落期入りとみて4.84円、4.83円を順次試す下落を想定する。4.84円前後は反騰注意とするが、4.86円を割り込での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

6月27日
 16:00 6月 経済信頼感指数 (5月 98.2、結果 95.8)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現行 50.0%、結果 50.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 6月21日時点 (6月14日時点 884.3億ドル、結果 885.0億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 6月21日時点 (6月14日時点 470.0億ドル、結果 448.5億ドル)
6月28日
 16:00 5月 貿易収支確報 (4月 -99億ドル)
7月1日
 16:00 6月 イスタンブール製造業PMI (5月 48.4)
7月3日
 16:00 6月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (5月 3.37%)
 16:00 6月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (5月 75.45%)



注:ポイント要約は編集部

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