トルコリラ円見通し 対ドルでのリラ反発で戻すが19日午前は失速気配(24/6/19)

トルコリラ円の6月18日は概ね4.86円から4.78円の取引レンジ、19日早朝の終値は4.85円で前日終値の4.81円から0.04円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し 対ドルでのリラ反発で戻すが19日午前は失速気配(24/6/19)

対ドルでのリラ反発で戻すが19日午前は失速気配

〇昨日のトルコ円、ドル円上昇とドル/トルコ反騰により、4.80を挟むレンジの持ち合いを上放れる
〇本日早朝4.86まで切り返すも、対ドルでのリラ売り再開気配により、4.83前後へ失速
〇対ドル、6/18は概ね32.85から32.47の取引レンジ、6/19早朝終値は32.49
〇ドル高一服感で目先のリラ売りが一巡し、本日午前序盤に一時的高値32.30つける
〇9時台に32.60台まで再び売られる、リラ先安感によるリラ売り再燃か
〇4.82を上回るうちは一段高余地ありとし、4.86超えからは4.88前後への上昇を想定
〇連続的な下落で4.82割れから続落に入る場合は下落期入りとみて4.79前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の6月18日は概ね4.86円から4.78円の取引レンジ、19日早朝の終値は4.85円で前日終値の4.81円から0.04円の円安リラ高だった。
ドル円が6月14日の日銀金融政策決定会合後の急騰で158.25円へ上昇してから植田総裁会見により14日夜安値156.88円まで失速したこととドル/トルコリラが6月14日に終値ベースの史上最安値を更新した事が重なったためにトルコリラ円は6月14日に午後高値4.87円から夕刻安値4.79円へ急落し、6月17日はドル円が上昇を再開したもののドル/トルコリラが終値ベースの史上最安値を2日連続で更新したことに圧されて反騰できずに4.80円を挟んで4.79円から4.82円までのレンジで持ち合いに留まった。
6月18日はドル円が夕刻に158.22円を付けて6月14日高値に迫った後も157円台後半で確りする中、ドル/トルコリラが反騰したことでトルコリラ円は持ち合いから上放れて19日早朝には4.86円まで切り返した。
しかし19日午前序盤はドル円が上げ渋る中で対ドルでのリラ売りが再開気配となったために4.83円前後へ失速しており戻り一巡感も見られる。

ドル円が6月14日高値158.25円を超えればダブルトップ・ブレイクから上昇が勢い付いて158円台後半へ向かいトルコリラ円を押し上げる可能性があるが、高値更新へ進めずにダブルトップ形成からいったん下げに転じる懸念も抱えている。一方でドル/トルコリラは2日連続の終値最安値更新が落ち着いたものの19日午前から再びリラ売りがみられる。
トルコリラ円としてはドル円の上昇時においてもドル買いリラ売りの勢いが勝るようだと円安効果が相殺され、ドル/トルコリラが終値ベースの最安値更新へ進むようだと円安よりもリラ安が勝って失速しかねないところと注意したい。

【対ドルでのリラ安一服で持ち直す】

ドル/トルコリラの6月18日は概ね32.85リラから32.47リラの取引レンジ、19日早朝の終値は32.49リラで前日終値の32.79リラからは0.30リラのドル安リラ高だった。
トルコ外相がBRICS加盟希望と発言してロシア大統領府が歓迎姿勢を示したことで6月4日に急落して6月5日に安値で32.67リラを付け、いったんリラ売りが収まって三角持ち合いの様相となっていたところから下放れし始めて6月14日は32.82リラへ急落して終値を32.63リラとして終値ベースの史上最安値を更新し、6月17日には32.86リラへ安値を切り下げて4月12日に付けた取引時間中の史上最安値33.03リラ以来の安値水準とし、終値32.79リラで終値ベースの最安値を2営業日連続で更新した。
6月18日は仏総選挙での極右勢力躍進見通しで急落していたユーロドルが戻し、豪ドルが反騰するなどドル高に一服感がでたことで目先のリラ売りが一巡して買い戻し優勢となり、19日午前序盤には一時的な高値で32.30リラまで戻したのだが、19日9時台には32.60リラ台まで再び売られており、リラの先安感でリラ売りが再燃したのではないかと懸念される。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、6月14日夜に弱気転換目安の4.81円を割り込んで4.79円へ下落したために17日朝時点では13日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして17日夜から19日深夜にかけての間への下落を想定した。
6月18日午前時点では4.82円超えを強気転換注意として4.84円超えからは強気サイクル入りとしていたが、18日午後からの急伸で4.82円及び4.84円を超えたため、18日朝安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして19日午後から21日夕にかけての間への上昇を想定する。
ただし、6月19日午前の反落により戻り一巡から下落期に入っていることも警戒されるため、4.82円割れからは弱気サイクル入りの可能性を優先して21日朝から25日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では6月19日早朝への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンからも上抜けたため遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、連続的な下落で先行スパンへ潜り込むところからは下落再開を警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下げ足が速まりかねないと注意する。

60分足の相対力指数は6月18日夕刻に80ポイント近くへ上昇したものの19日早朝への一段高に際しては指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるため下落期入り注意とし、60ポイント超えからは上昇再開とするが、50ポイント以下で徐々に指数の安値が切り下がる場合は20ポイント台を目指す低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.82円を下値支持線、4.86円を上値抵抗線とする。
(2)4.82円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.86円超えからは4.88円前後への上昇を想定する。4.87円以上は反落警戒とするが、4.83円を上回っての推移なら20日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)連続的な下落で4.82円割れから続落に入る場合は戻り一巡による下落期入りとみて4.79円前後への下落を想定する。4.80円以下は反騰注意とするが、4.82円以下での推移なら20日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

6月17日から19日までトルコは休場(犠牲祭)
6月20日
 16:00 6月 消費者信頼感指数 (5月 80.51)
 17:00 5月 財政収支 (4月 -1778億リラ)
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 6月14日時点 (6月7日時点 863.6億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 ネット 6月14日時点 (6月7日時点 475.2億ドル)
 23:30 5月 中央政府債務 (4月 7兆4926億リラ)
6月24日
 16:00 6月 製造業信頼感指数 (5月 105.4)
 16:00 6月 設備稼働率 (5月 76.3%)
6月25日
 17:00 5月 海外観光客数 前年同月比 (4月 8.7%)
6月27日
 16:00 6月 経済信頼感指数 (5月 98.2)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現行 50.0%、予想 50.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 6月21日時点


注:ポイント要約は編集部

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