トルコリラ円見通し ドル高リラ安は一服、クロス円全般の上昇でトルコリラ円も反騰続く(24/6/20)

トルコリラ円の6月19日は概ね4.86円から4.82円の取引レンジ、20日早朝の終値は4.86円で前日終値の4.85円から0.01円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル高リラ安は一服、クロス円全般の上昇でトルコリラ円も反騰続く(24/6/20)

ドル高リラ安は一服、クロス円全般の上昇でトルコリラ円も反騰続く

〇昨日のトルコ円、前日のドル/トルコリラ反騰とドル円続伸により、早朝に高値4.86つける
〇その後4.82まで小反落したところを買い戻され、6/20早朝は4.86まで高値伸ばす
〇対ドル、6/19は概ね32.69から32.30の取引レンジ
〇対ドルでのリラ安一服だが32リラ台中盤で推移
〇トルコ休場明けの本日は5月財政収支、週次外貨準備高、中央政府債務残高の発表予定
〇終値ベースの史上最安値更新後で、トルコ関連の弱気材料には反応しやすい市場心理か
〇来週6/27のトルコ中銀会合、市場の事前予想は50.0%で据え置き
〇4.82を上回るうちは一段高余地ありとし、4.87超えからは4.89前後への上昇を想定
〇連続的な下落で4.82割れからは戻り一巡による下落期入りとみて4.79前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の6月19日は概ね4.86円から4.82円の取引レンジ、20日早朝の終値は4.86円で前日終値の4.85円から0.01円の円安リラ高だった。
6月14日の日銀金融政策決定会合後を挟んでドル円が乱高下となり14日午後高値158.25円から14日夜安値156.88円へ急落したことと、ドル/トルコリラが6月14日に終値ベースの史上最安値を更新した事が重なったためにトルコリラ円は6月14日午後高値4.87円から夕刻安値4.79円へ急落し、17日はドル円が上昇を再開したもののドル高リラ安が続いたために4.80円を挟んだ持ち合いに留まっていたが、18日に対ドルでリラが反騰したこととドル円の続伸により19日早朝高値4.86円へ戻し、19日は午前に4.82円まで小反落したところを買い戻されて20日早朝に4.86円まで高値を伸ばした。

ドル円は6月14日高値158.25円の後、6月18日夕高値158.22円、20日早朝高値158.10円と繰り返し158円台序盤を試しているが、6月14日夜安値から徐々に底上げをして三角持ち合いを形成している。158円台では三度目の市場介入への警戒感があるものの、最近の政府・財務省による円安けん制は二度の市場介入が行われる直前よりも緩い印象であり、三度目の市場介入目安が160円とすれば6月14日高値を超えて持ち合い上放れに入り159円台へ向かう可能性もあるのではないかと思われる。
トルコリラ円はドル高リラ安の影響もあり6月14日からの下落幅解消にはまだ至っていないものの、リラ安が再び落ち着いてドル円が6月14日高値を超えて一段高に入る場合はドル円を追いかけて4.90円台前半を目指す上昇期に入る可能性もあると思われる。

【対ドルでのリラ安一服だが32リラ台中盤】

ドル/トルコリラの6月19日は概ね32.69リラから32.30リラの取引レンジ、20日早朝の終値は32.50リラで前日終値の32.49リラからは0.01リラのドル高リラ安だった。
6月5日安値32.67リラへ急落したところから6月6日高値31.95リラへ戻した後をこの高安レンジ内での三角持ち合いとしていたところ、6月14日に持ち合い下放れに入ったことでリラ売りが勢い付いて32.82リラへ急落して14日終値32.63リラで終値ベースの史上最安値を更新した。6月17日には32.86リラへ安値を切り下げて4月12日に付けた取引時間中の史上最安値33.03リラ以来の安値水準とし、終値を32.79リラとして2日連続で終値ベースの最安値を更新した。

6月18日はリラ売り一巡でいったん戻しに入り、19日は32.30リラへ続伸したところから32.69リラまで失速したものの20日朝にかけてはややジリ高で推移している。
トルコ市場は犠牲祭で6月17日から19日まで休場のため手掛かりに欠けるところだが、休場明けの6月20日は5月財政収支、週次の外貨準備高、中央政府債務残高の発表がある。来週は6月27日にトルコ中銀金融政策決定会合があるが、市場の事前予想は政策金利の週間レポレートが50.0%で据え置かれるとの見通しでほぼ一致しているようだ。
1ドル31リラ台の高値を繰り返し試したものの上値が重くリラ売りが再開して終値ベースの史上最安値を更新した後であり、トルコ関連の弱気材料には反応しやすい市場心理にあると思われる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、6月13日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして17日夜から19日深夜にかけての間への下落を想定したが、18日午後からの急伸で強気転換目安の4.82円を超えたために19日午前時点では18日朝安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして19日午後から21日夕にかけての間への上昇を想定した。
19日午前の反落では4.82円までにとどまって20日早朝へ一段高したためまだ上昇途中とするが、4.82円割れからは弱気サイクル入りとして21日朝から25日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では6月19日早朝への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンからも上抜けたが、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、連続的な下落で先行スパンから転落する場合は下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は6月18日夕刻に80ポイント近くへ上昇してから19日午前に50ポイントをいったん割り込んだが20日午前序盤には60ポイント台へ戻しているのでまだ上昇余地ありとするが、50ポイント割れからはいったん下げに入るとみて30ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.82円を下値支持線、4.87円を上値抵抗線とする。
(2)4.82円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.87円超えからは4.89円前後への上昇を想定する。4.89円以上は反落警戒とするが、4.83円を上回っての推移なら21日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)連続的な下落で4.82円割れからは戻り一巡による下落期入りとみて4.79円前後への下落を想定する。4.79円前後は反騰注意とするが、4.82円以下での推移なら20日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

6月17日から19日までトルコは休場(犠牲祭)
6月20日
 16:00 6月 消費者信頼感指数 (5月 80.51)
 17:00 5月 財政収支 (4月 -1778億リラ)
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 6月14日時点 (6月7日時点 863.6億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 ネット 6月14日時点 (6月7日時点 475.2億ドル)
 23:30 5月 中央政府債務 (4月 7兆4926億リラ)
6月24日
 16:00 6月 製造業信頼感指数 (5月 105.4)
 16:00 6月 設備稼働率 (5月 76.3%)
6月25日
 17:00 5月 海外観光客数 前年同月比 (4月 8.7%)
6月27日
 16:00 6月 経済信頼感指数 (5月 98.2)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現行 50.0%、予想 50.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 6月21日時点


注:ポイント要約は編集部

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