ドル円見通し 157円台後半を維持して三角持ち合いの様相(24/6/20)

6月19日は米国市場がジューンティーンスデー(奴隷解放記念日)で休場となり手がかりに欠けたもののドル円は157円台後半を維持して一時158円台を付けるなどしっかりした。

ドル円見通し 157円台後半を維持して三角持ち合いの様相(24/6/20)

157円台後半を維持して三角持ち合いの様相

〇昨日のドル円、米市場休場で手掛かりにかけたが157円台後半を維持、一時158円台をつける
〇クロス円の上昇感がドル円を支えている印象
〇158円台での市場介入を警戒しつつ、三角持ち合いからの上放れに挑戦
〇6/14高値158.25を超える場合159円台へ向かい、けん制トーン試される展開の可能性も
〇日銀の引き締めや追加利上げ姿勢にさほど積極性見られず、中長期的な円安継続感優勢な印象
〇157.60以上での推移中は158.25超えから158.50前後への上昇を想定
〇157.60割れからは三角持ち合い下放れとして157.30、157.00を順次試す下落を想定

【概況】

6月19日は米国市場がジューンティーンスデー(奴隷解放記念日)で休場となり手がかりに欠けたもののドル円は157円台後半を維持して一時158円台を付けるなどしっかりした。
ドル円は6月18日夕高値158.22円で6月14日の日銀会合を通過しての乱高下時に付けた高値158.25円に迫ってからの反落を続けて19日夕に157.60円まで下げたものの18日午前安値157.49円から若干底上げをして20日早朝に158.10円を付けた。先週大幅下落したユーロドルが持ち直したことでユーロ円が6月17日から3連騰していること、豪ドル米ドルの上昇により豪ドル円が連騰して2020年3月以降の最高値を更新したこと等のクロス円の上昇感が目立っていることがドル円を支えている印象だ。
6月19日深夜に発表されたNAHBの米6月住宅市場指数は43となり5月の45を下回り2か月連続で低下したが市場の反応は鈍かった。

本日はスイス中銀、ノルウェー中銀、英中銀の政策金利発表の他、米国市場時間では1〜3月期経常収支、5月米住宅着工件数及び許可件数、週間新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀の6月製造業景況指数などの発表がある。

【市場介入を警戒しつつ三角持ち合いからの上放れに挑戦】

6月14日の日銀金融政策決定会合で長期金利上昇を抑制するための国債大量購入(現状は月間6兆円規模)を減額するとしたものの具体的な額を示さなかったことを、量的金融引き締め策に対しての姿勢がハト派的と受け止めてドル円は158.25円へ上昇して5月3日安値151.85円以降の最高値としたが、14日午後の植田日銀総裁会見で減額規模は相当になるとされ、追加利上げに対する含みある発言も見られたことで14日夜に156.88円へ急落した。
しかしこの乱高下を通過してからは新たな高値更新へ進めずにいるものの17日、18日、19日と日々底上げをし、18日夕高値158.22円、20日早朝高値158.10円と158円台序盤を繰り返し試しているため、60分足レベルで見れば158.20円台を上値抵抗として徐々に安値を切り上げるレンジ縮小型の三角持ち合いを形成している。

158円台に対しては三度目の市場介入への警戒感があるものの、4月29日に続く5月2日の二度目介入時の水準をすでに超えているため、4月29日高値160.16円を試すところまで三度目の介入が見送られる可能性もある。政府・財務省による強い牽制も最近は見られていないため、6月14日高値158.25円を超える場合は159円台へ向かい、159円台で市場介入へのけん制トーンがどれだけ強まるのか試される展開に入ることも考えられる。
ドル円にとっては米国の利下げ先延ばしが押し上げ要因ではあるものの、最近の米長期債利回りは直近のFOMCを通過してから低下傾向を示しているため必ずしも利下げ先延ばし=米長期債利回り上昇=ドル高円安という図式ではないが、日銀の量的金融引き締めや追加利上げへの姿勢もさほど積極性がみられないため、中長期的な円安継続感は優勢な印象だ。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は6月14日夜安値156.88円を起点として徐々に底上げをしてきたが6月14日高値158.25円を超えずにいる。6月14日高値を上抜く場合は6月14日午後と18日夕のダブルトップラインをブレイクしての上昇期入りとして21日午後から25日夕にかけての間への上昇を想定し、6月19日夕安値157.60円割れからは底上げしてきた下値支持線からの転落によりいったん仕切り直しの下落期に入るとみて24日午後から26日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では6月14日高値を超えずに157円台後半を維持する持ち合いのため方向感に欠けるが、20日午前序盤時点では遅行スパンが好転して先行スパンも上回っているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。先行スパンからの転落を回避する内は遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合はいったん仕切り直しの下落期に入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は6月18日夕に70ポイントを超えてから失速して19日午後に50ポイントを割り込んだが20日早朝に60ポイント台後半へ切り返し、その後も50ポイント台を維持しているので、次に60ポイントを超えるところからは70ポイント台を目指す上昇を想定するが、50ポイント割れが続く場合は下向きとし、40ポイント割れからは20ポイント台への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6月19日夕安値157.60円を下値支持線、6月14日午後高値158.25円を上値抵抗線とする。
(2)157.60円以上での推移中は158.25円超えから158.50円前後への上昇を想定する。158.50円以上は反落警戒とするが、158円を上回っての推移なら21日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)157.60円割れからは三角持ち合い下放れとして157.30円、157.00円を順次試す下落を想定する。157.20円以下は反騰注意とするが、157.60円以下での推移が続く場合は21日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の予定】

6/20(木)
15:00 (独) 5月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (4月 0.2%、予想 0.1%)
16:30 (ス) スイス中銀 政策金利 (現行 1.50%、予想 1.50%)
17:00 (ノ) ノルウェー中銀 政策金利 (現行 4.50%、予想 4.50%)
20:00 (英) 英中銀 政策金利 (現行 5.25%、予想 5.25%)
21:30 (米) 1-3月期 経常収支 (10-12月 -1948億ドル、予想 -2064億ドル)
21:30 (米) 5月 住宅着工件数・年率換算 (4月 136.0万件、予想 137.0万件)
21:30 (米) 5月 住宅着工件数 前月比 (4月 5.7%、予想 0.7%)
21:30 (米) 5月 住宅着工許可件数・年率換算 (4月 145.0万件)
21:30 (米) 5月 住宅着工許可件数 前月比 (4月 -3.0%、予想 0.7%)
21:30 (米) 6月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 (5月 4.5、予想 5.0)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 24.2万件、予想 23.5万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 182.0万人、予想 180.5万人)
23:00 (欧) 6月 消費者信頼感・速報値 (5月 -14.3、予想 -13.6)
24:00 (米) EIA週間石油在庫統計
29:00 (米) バーキン・リッチモンド連銀総裁、講演

6/21(金)
休場 スウェーデン
08:30 (日) 5月 全国CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (4月 2.5%、予想 2.9%)
08:30 (日) 5月 全国CPI・生鮮食料品除く 前年同月比 (4月 2.2%、予想 2.6%)
08:30 (日) 5月 全国CPI・生鮮食料品・エネルギー除く 前年同月比 (4月 2.4%、予想 2.2%)
15:00 (英) 5月 小売売上高 前月比 (4月 -2.3%、予想 1.6%)
15:00 (英) 5月 小売売上高 前年同月比 (4月 -2.7%、予想 -0.6%)
16:00 (独) ナーゲル独連銀総裁、講演
16:30 (独) 6月 HOCB製造業PMI・速報値 (5月 45.4、予想 46.4)
16:30 (独) 6月 HOCBサービス業PMI・速報値 (5月 54.2、予想 54.4)
17:00 (欧) 6月 HOCB製造業PMI・速報値 (5月 47.3、予想 47.9)
17:00 (欧) 6月 HOCBサービス業PMI・速報値 (5月 53.2、予想 53.5)
17:30 (英) 6月 S&P製造業PMI・速報値 (5月 51.2、予想 51.3)
17:30 (英) 6月 S&Pサービス業PMI・速報値 (5月 52.9、予想 53.0)

22:45 (米) 6月 S&P製造業PMI・速報値 (5月 51.3、予想 51.0)
22:45 (米) 6月 S&Pサービス業PMI・速報値 (5月 54.8、予想 53.4)
23:00 (米) 5月 コンファレンスボード景気先行指数 前月比 (4月 -0.6%、予想 -0.4%)
23:00 (米) 5月 中古住宅販売件数・年率換算 (4月 414万件、予想 409万件)
23:00 (米) 5月 中古住宅販売件数 前月比 (4月 -1.9%、予想 -1.2%)


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る