トルコリラ円見通し ドル円の上昇時を活かせず横ばい、対ドルは終値で連日史上最安値更新(24/6/18)

トルコリラ円の6月17日は概ね4.82円から4.79円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.81円で先週末終値4.80円からは0.01円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の上昇時を活かせず横ばい、対ドルは終値で連日史上最安値更新(24/6/18)

ドル円の上昇時を活かせず横ばい、対ドルは終値で連日史上最安値更新

〇トルコ円、ドル円の上昇を活かせず、4.80を挟んで4.79から4.82までのレンジで揉み合いの様相
〇6/17も横ばい型の小動きにとどまり反騰入りのきっかけつかめず、ドル高リラ安に圧されやすい状況か
〇対ドル、6/17は概ね32.86から32.64の取引レンジ、終値ベースで2営業日連続の史上最安値更新
〇6/17は安値32.86を付けて、4/12に付けた史上最安値33.03以来の安値水準となる
〇4.82を下回るうちは一段安余地ありとし、4.79割れからは4.77前後への下落を想定する
〇4.82超えからは4.84手前への上昇を想定するが、4.84手前は反落警戒とする

【概況】

トルコリラ円の6月17日は概ね4.82円から4.79円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.81円で先週末終値4.80円からは0.01円の円安リラ高だった。
ドル円は6月14日の日銀金融政策決定会合後の急騰で158.25円へ上昇してから植田総裁会見をきっかけに売られて14日夜安値156.88円まで失速して会合結果発表後の上昇幅をいったん解消したが、目先の売り一巡で15日早朝に157円台前半へ戻し、17日は米長期債利回り上昇を見て深夜に157.95円まで高値を伸ばしたものの158円には届かずに18日午前にかけては157.50円台へジリ安で推移している。乱高下は落ち着いたものの上値の重い印象だ。
一方でドル/トルコリラは6月14日に終値ベースの史上最安値を更新していたが、17日も2日連続で最安値を更新しており、リラ売りが再び勢い付いてきている。

トルコリラ円はドル高リラ安による圧迫感があるためにドル円の上昇を活かせず、4.80円を挟んで4.79円から4.82円までのレンジで揉み合いの様相となっている。先週は4.82円前後を下値支持線として4.87円を上値抵抗線としたレンジ相場が続いていたものの、6月14日夜にかけてドル円が下落したこととドル高リラ安が重なったことでレンジ相場から下抜けており、17日も一段安した状況で横ばい型の小動きにとどまって反騰入りへのきっかけをつかめずにいる。
ドル円は市場介入への警戒感と7月に日銀が大規模な国債買い入れ減額を決定する可能性を意識して上値が重くなりつつあるため、トルコリラ円はドル高リラ安に圧されやすい状況と思われる。

【対ドルでリラ急落、終値ベースで連日の史上最安値更新】

ドル/トルコリラの6月17日は概ね32.86リラから32.64リラの取引レンジ、18日早朝の終値は32.79リラで先週末終値の32.63リラからは0.16リラのドル高リラ安だった。
6月14日に前日比0.35リラのドル高リラ安となり安値で32.82リラを付けて終値ベースとしては6月4日終値32.57リラを超えて対ドルでの史上最安値更新となったが、週明けもこの流れを継続して安値を32.86リラへ伸ばして4月12日に付けた史上最安値33.03リラ以来の安値水準とし、終値ベースでは2営業日連続の史上最安値更新とした。6月18日午前序盤も32.85リラから32.72リラのレンジで推移して最安値更新を伺う位置に付けている。

6月4日にトルコ外相がBRICS加盟希望を表明してロシア大統領府が歓迎姿勢を示したことによりトルコの地政学的リスクが高まったことへの懸念、メキシコペソが6月12日にかけて急落したことによる新興国通貨安への不安、仏総選挙における極右勢力台頭見通しによる先行き不安等が交錯する中、6月4日から6月13日にかけてレンジ縮小型の三角持ち合いを形成し、6月14日の下落で持ち合いから下放れたことがテクニカルなリラ売りを勢い付かせた印象だ。
日足終値ベースで史上最安値を連日更新して取引時間中の最安値更新へ迫ってきていることでリラの先安感が再認識されていると思われる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、6月12日夜安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとしたが、6月13日午後へ高値を伸ばした後は上値の重い展開が続いたために14日午前時点ではすでにサイクルトップを付けた可能性があるとして4.81円割れから弱気サイクル入りとし、6月14日夜に4.79円へ下落したために17日朝時点では13日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして17日夜から19日深夜にかけての間への下落を想定した。
6月18日朝にかけて4.80円を挟んだ下げ渋り型の持ち合いで推移しているのでまだ一段安余地ありとするが、4.82円超えから続伸の場合は強気転換注意とし、4.84円超えからは強気サイクル入りとして19日午後から21日夕にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では6月14日夜の下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したが、その後は一段安後の横ばい推移のため遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下落再開とする。強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとし、その際は遅行スパン好転中の試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は4.80円を挟んだ横ばい推移が続いているためにややジリ高で推移しているものの勢いに欠けるため、60ポイント手前は戻り売りにつかまりやすい水準とし、40ポイント割れからは下落再開として20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.79円を下値支持線、4.82円を上値抵抗線とする。
(2)4.82円を下回るうちは一段安余地ありとし、4.79円割れからは4.77円前後への下落を想定する。4.77円以下は反発注意とするが4.82円を下回るか直前安値から0.04円を超える反騰がみられないうちは19日も安値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)4.82円超えからは4.84円手前への上昇を想定するが4.84円手前は反落警戒とする。

【当面の主な予定】

6月17日から19日までトルコは休場(犠牲祭)
6月20日
 16:00 6月 消費者信頼感指数 (5月 80.51)
 17:00 5月 財政収支 (4月 -1778億リラ)
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 6月14日時点 (6月7日時点 863.6億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 ネット 6月14日時点 (6月7日時点 475.2億ドル)
 23:30 5月 中央政府債務 (4月 7兆4926億リラ)
6月24日
 16:00 6月 製造業信頼感指数 (5月 105.4)
 16:00 6月 設備稼働率 (5月 76.3%)
6月25日
 17:00 5月 海外観光客数 前年同月比 (4月 8.7%)
6月27日
 16:00 6月 経済信頼感指数 (5月 98.2)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現行 50.0%、予想 50.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 6月21日時点



注:ポイント要約は編集部

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