トルコリラ円見通し ドル円の波乱を追いかけ急落後に戻す、6月7日の高安レンジでの持ち合い続く(24/6/13)

トルコリラ円の6月12日は概ね4.86円から4.81円の取引レンジ、13日早朝の終値は4.85円で前日終値と変わらなかった。

トルコリラ円見通し ドル円の波乱を追いかけ急落後に戻す、6月7日の高安レンジでの持ち合い続く(24/6/13)

ドル円の波乱を追いかけ急落後に戻す、6月7日の高安レンジでの持ち合い続く

〇トルコ円、6/12は概ね4.86から4.81の取引レンジ
〇ドル円追いかけ、6/12深夜安値4.81へ急落、6/13未明に4.86まで切り返す
〇明日の日銀会合結果に対する反応に要注目
〇対ドル、6/12は概ね32.40から32.10の取引レンジ、6/13早朝の終値は32.31
〇ドル/トルコリラは6/4から三角持ち合いの様相
〇地政学的リスクの高まりやインフレ高進等の景気への悪影響懸念で、リラの先安感を払拭できず
〇4.83を上回るうちは一段高余地ありとし、4.87超えからは4.88、4.89を順次試す上昇を想定
〇4.83割れからは4.81試しとし、4.81割れ回避から4.84を超える場合は上昇再開とする

【概況】

トルコリラ円の6月12日は概ね4.86円から4.81円の取引レンジ、13日早朝の終値は4.85円で前日終値と変わらなかった。
ドル/トルコリラが膠着状態の中でトルコリラ円はドル円の騰落を追いかけているが、6月12日夜の米CPI鈍化による米長期債利回り急低下をきっかけにドル円が急落した局面で直前の4.86円から12日深夜安値4.81円へ急落し、13日未明の米FOMCが年内利下げ想定の中央値を3月時点の3回から1回へ減らしたことをきっかけに米長期債利回りが反騰してドル円が戻した局面で4.86円まで切り返した。13日早朝にかけては飛び値となる安値も見られたもののいずれも一時的であり、12日夜の急落を往って来いで解消している。

ドル円は6月12日夜の米5月CPIが全体とコア指数の前月比及び前年同月比でいずれも市場予想を下回る顕著な鈍化となったことで米国の9月利下げ期待度が高まったとの見方が優勢となり米長期債利回り急低下とともに急落し、直前の157.30円台から12日深夜安値155.68円へ大幅下落したが、13日未明のFOMCが早期利下げに慎重なタカ派姿勢だったことで13日早朝に156.89円まで切り返し、その後も156.50円以降を維持して確りし、13日午前には156.90円まで高値を若干伸ばしている。
FOMCは年内利下げゼロ回と1回利下げを予想するものが11人で予想中央値は年内1回利下げとされたが、2回利下げを予想するものも8人いたため、今後のインフレ鈍化や労働統計の悪化次第では9月利下げもあり得るとの見方が残ったものの、3月時点の3回利下げからは大きく後退したといえる。
明日は日銀金融政策決定会合があり、長期金利上昇を抑制するための国債大量買入れを減額する場合は円高反応を招く可能性があり、減額の決定が先延ばしされるか小規模なものに留まるなら円安が勢い付く可能性もある。

トルコリラ円としては引き続きドル円の騰落を追いかけ、明日の日銀会合結果に対する反応を見定めて流れに追従してゆきたいところだ。6月7日午後安値4.79円と7日夜高値4.87円までのレンジ内で持ち合い推移が続いているため、ドル円の上昇とともに持ち合い上放れなら4.90円台を目指す流れと考え、逆にドル円の下落とともに持ち合い下放れの場合は4.70円台中盤への下落へ向かうのではないかと考える。

ドル/トルコリラの6月12日は概ね32.40リラから32.10リラの取引レンジ、13日早朝の終値は32.31リラで前日終値の32.32リラからは0.01リラのドル安リラ高だった。
6月4日にトルコ外相のBRICS加盟希望とロシア大統領府の歓迎発言がリスク回避感を強めたこと等をきっかけとして一時32.63リラへ急落して終値を32.57リラとして4月24日に付けた終値ベースの最安値32.54リラを更新したが、6月5日に32.67リラへ安値を切り下げてからいったん急落幅を解消して6日には高値で31.95リラを付けた。その後はこの間の高安レンジ内に収まる動きをつづけておりレンジ縮小型の三角持ち合いの様相となっている。6月13日午前序盤も32.39リラから32.21リラのレンジで推移して持ち合いの範囲にとどまっている。

トルコリラにとっては、金融政策正常化が継続していることによる格付け評価の上昇、リラの暴落商状が4月12日の史上最安値33.03リラ以降は落ち着いていることで高金利通貨への投資妙味が高まっていること、外貨準備高の増加が顕著でありインフレ抑制のための引き締め継続姿勢も確りしていることが強気材料とされているが、BRICS加盟希望等による地政学的リスクの高まり、年末へのインフレ鈍化が期待されているもののまだ高進中であること、経常収支や貿易収支及び財政収支の構造的赤字問題が解決していないこと、高インフレと高金利及び緊縮財政政策による景気への悪影響懸念でリラの先安感を払拭できずにいる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、6月7日午後へいったん下げてから一段高したために11日午前時点では7日午後安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして11日夜から13日夜にかけての間への上昇を想定した。
6月12日午前時点では4.83円割れからは弱気サイクル入りとしてボトム形成期を12日午後から14日午後にかけての間としたが、12日夜に4.81円へ急落してから直前の下げ幅を解消する反騰となったため、12日夜安値を直近のサイクルボトムとした新たな強気サイクル入りとして14日夜から18日深夜にかけての間への上昇を想定する。ただし、乱高下が続く可能性もあると注意し、12日夜安値4.81円割れからは弱気サイクル入りとして17日夜から19日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では6月12日夜の急落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したがその後の反騰で両スパン揃って好転しつつあるため遅行スパン好転からは高値試し優先とするが、一時的な飛び値を除いて連続的な下落で先行スパンから転落する場合は下落再開を疑い遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は12日夜に30ポイントを割り込んでから50ポイント台へ切り返しているので、45ポイントを上回るうちは一段高余地ありとして60ポイント超えからは70ポイント前後への上昇を想定する。ただし次に45ポイントを割り込むところからは下落再開を疑い30ポイント前後の低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.81円を下値支持線、4.87円を上値抵抗線とする。
(2)4.83円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.87円超えからは4.88円、4.89円を順次試す上昇を想定する。4.89円以上は反落警戒とするが、4.84円を上回っての推移なら14日午前も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.83円割れからは4.81円試しとし、4.81円割れ回避から4.84円を超える場合は上昇再開とするが、4.81円割れからは4.79円前後への下落を想定する。4.79円以下は反騰注意とするが、4.83円を下回っての推移なら14日午前も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

6月13日
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 6月7日時点 (5月31日時点 839.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 ネット 6月7日時点 (5月31日時点 454.6億ドル)
6月14日
 16:00 トルコ中銀ビジネスサーベイ
6月20日
 16:00 6月 消費者信頼感指数 (5月 80.51)
 17:00 5月 財政収支 (4月 -1778億リラ)
 20:30 週次 外貨準備高 6月14日時点
 23:30 5月 中央政府債務 (4月 7兆4926億リラ)


注:ポイント要約は編集部

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