トルコリラ円見通し ドル円が確りしドル/トルコリラも小動きの中でFOMCへ向かう(24/6/12)

トルコリラ円の6月11日は概ね4.87円から4.84円の取引レンジ、12日早朝の終値は4.85円で前日終値と変わらなかった。

トルコリラ円見通し ドル円が確りしドル/トルコリラも小動きの中でFOMCへ向かう(24/6/12)

ドル円が確りしドル/トルコリラも小動きの中でFOMCへ向かう

〇トルコリラ円、6/11は概ね4.87から4.84の取引レンジ
〇ドル円が高値を切り上げたことで、6/12未明に4.87つけたが高値更新へは進めず
〇今夜の米CPIとFOMCでドル円急落反応に注意しつつ、一段高なら追従買いで4.90台へ向かう可能性も
〇対ドル、6/11は概ね32.42から32.14の取引レンジ、終値ベースで32.30台続きリラ安再燃の動き
〇トルコ4月小売売上高、前月比1.8%減で2か月連続悪化
〇前年同月比はプラス圏維持するも前月から大幅に悪化、景気全般の低調さから脱却しきれずにいる印象
〇4.83上回るうちは一段高余地あり、4.87超えからは4.88、4.89を順次試す上昇想定
〇4.83割れからは4.80前後への下落を想定、4.80以下は反騰注意

【概況】

トルコリラ円の6月11日は概ね4.87円から4.84円の取引レンジ、12日早朝の終値は4.85円で前日終値と変わらなかった。
6月4日に対ドルでのリラ急落とドル円の急落が重なったためにトルコリラ円は6月5日早朝安値4.73円へ大幅下落したが、その後は対ドルでリラが前日の急落を解消してドル円が持ち直しに入ったために6日夜高値4.86円へ切り返し、6月7日夜の米5月雇用統計をきっかけにドル円が157円到達へ急伸した局面で4.87円へ高値を伸ばした。
6月10日は4.82円から4.86円のレンジで推移し、11日はドル円が高値を切り上げたことで12日未明に4.87円を付けて6月7日深夜高値と同値としたが、高値更新へは進めずにいる。

今夜は5月米CPI、明日未明には米FOMC(連邦公開市場委員会=金融政策決定会合)がある。
米CPI伸び率が顕著に鈍化してFOMCが年内2回利下げの可能性を残せばドル安反応を招きドル円とともにトルコリラ円は下落しやすくなるが、米CPIが高止まりでFOMCが年内1回利下げ想定とすればドル円とともにトルコリラ円も急伸する可能性がある。またFOMCが想定よりもタカ派的としてドル円が上昇する場合、14日の日銀金融政策決定会合も予想よりもハト派的ならドル円の上昇がかなり勢い付くこともあり得ると思われる。
トルコリラ円としてはドル円の急落反応に注意しつつ、ドル円が一段高へ走る場合は追従買いで4.90円台へ向かう可能性もあると注目したい。

【ドル/トルコリラは終値で32.30リラ台を続ける】

ドル/トルコリラの6月11日は概ね32.42リラから32.14リラの取引レンジ、12日早朝の終値は32.32リラで前日終値32.34リラからは0.02リラのドル安リラ高だった。
4月12日の取引時間中史上最安値33.03リラ及び日足終値ベースの史上最安値である4月24日終値32.54リラを起点としてドル安リラ高へ進み、5月14日に31.89リラまで高値を伸ばしたものの日足終値ベースでは32リラ台を続けて上げ渋り、6月4日に一時32.63リラへ急落して終値32.57リラで終値ベースの史上最安値を更新した。6月5日に32.67リラへ安値を切り下げてからいったん下落幅を解消したものの、10日終値32.34リラから11日終値32.32リラと32.30リラ台を続けており終値ベースではリラ安再燃の動きがみられる。
6月12日午前序盤も32.40リラから32.27リラのレンジで推移している。

6月11日にロシアのプーチン大統領はトルコのフィダン外相とモスクワで会談し、トルコがBRICSに関心を寄せていることを歓迎し同国の参加を後押しすると述べた。プーチン氏は7月にカザフスタンで開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議でエルドアン大統領と会談する予定。トルコのBRICS加盟が具体化する場合はNATOやEU及び米国との関係悪化も懸念される。

【トルコの小売売上高は低調】

6月11日にトルコ統計局が発表した4月の小売売上高は前月比1.8%減となり3月の0.2%減を下回った。昨年9月から今年2月の3.6%増まで改善が続いていたものの2か月連続の悪化となりリラ安を見込んだ消費者の前倒し的な買い急ぎが落ち着いた印象がある。2021年以降はプラス7%前後からマイナス4%前後のレンジでプラスとマイナスを繰り返している。
前年同月比は10.2%増で3月の19.8%増から大幅に悪化した。2020年6月以降はプラス圏を維持しているが、今年2月の25.7%増の後は2か月連続の悪化であり、2023年1月の34.1%増以降で最低となった。
前日発表の鉱工業生産が低調だったことを含め、景気全般の低調さからは脱却しきれずにいる印象だ。
今後は年前半の増税の影響に加えて緊縮財政方針が示されたことによる景気減速への懸念もあり、成長率鈍化への不安も拭えきれない印象。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、6月5日午後に強気転換目安とした4.78円を超えたために6日午前時点では5日未明安値を直近のサイクルボトムとして強気サイクル入りとし、サイクルトップ形成期を6日午後から10日午後にかけての間としてきたが、6月7日午後へいったん下げてから一段高したために11日午前時点では7日午後安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして11日夜から13日夜にかけての間への上昇を想定した。
6月12日未明に4.87円を付けた後も4.80円台中盤で確りしているのでまだ上昇余地ありとするが、4.83円割れからは弱気サイクル入りとして12日午後から14日午後にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では4.87円を上値抵抗とした持ち合い型での推移が続いているので方向感に欠けるが、先行スパンからの転落を回避する内は遅行スパン好転中の高値試し優先とし、連続的な下落で先行スパンから転落する場合は下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は60ポイント前後を売られ40ポイント台を買われる持ち合いで推移しているため次に60ポイントを超えるところからは70ポイント前後への上昇を想定するが、次に40ポイントを割り込むところからは下落期入りとみて30ポイント前後の低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.83円を下値支持線、4.87円を上値抵抗線とする。
(2)4.83円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.87円超えからは4.88円、4.89円を順次試す上昇を想定する。4.89円以上は反落警戒とするが、ドル円が急伸する場合は4.90円超えへ進む可能性があるとみる。
(3)4.83円割れからは4.80円前後への下落を想定する。4.80円以下は反騰注意とするが、ドル円が急落する場合は4.78円前後へ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

6月13日
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 6月7日時点 (5月31日時点 839.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 ネット 6月7日時点 (5月31日時点 454.6億ドル)
6月14日
 16:00 トルコ中銀ビジネスサーベイ
6月20日
 16:00 6月 消費者信頼感指数 (5月 80.51)
 17:00 5月 財政収支 (4月 -1778億リラ)
 20:30 週次 外貨準備高 6月14日時点
 23:30 5月 中央政府債務 (4月 7兆4926億リラ)



注:ポイント要約は編集部

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