重要イベントを前に方向感を見出せず。本日はいよいよ注目の米CPIと米FOMCが公表
〇ドル円、重要イベント控え156円台後半から157円台前半で方向感に欠ける動き
〇ユーロドル、フランス政局不透明感からのリスク回避ムードから1.07台で上値重い
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、下位足から上位足まで買いシグナルが成立、地合い強い
〇本日米5月CPI、FOMC結果、パウエル議長会見に注目
〇FOMCは政策不変、ドットチャート年内1回利下げに上方修正、パウエル議長利下げ時期示唆せずと予想
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:156.00ー158.50
海外時間のレビュー
11日(火)のドル円相場は方向感に欠ける展開。(1)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)が支えとなる中、日本時間夕方にかけて、高値157.46(6/3以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(3)重要イベント(米5月消費者物価指数や米FOMCなど)を控えたポジション調整が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値156.80まで反落しました。その後は一時157円台半ばに持ち直す場面も見られましたが、(4)米10年債入札の好調な結果が、(5)米長期金利の低下を促すと、引けにかけて再び下落し、本稿執筆時点(日本時間6/12午前6時30分現在)では、157.10前後で推移しております。尚、昨日発表された米5月NFIB中小企業楽観指数(結果90.5、予想89.7)は市場予想を上回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。
11日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間午後にかけて、高値1.0774まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)欧州政局不安(6/10に公表された世論調査によるとマリーヌ・ルペン氏が率いる極右政党「国民連合」の勝利が予想→ムーディーズはフランスの解散総選挙は財政再建に対するリスクを高めるとして同国信用格付けにマイナスに働くとの見解を表明)を嫌気したユーロ売り圧力や、(2)上記1を背景としたリスク回避ムード(欧州株下落、欧州債利回り低下)、(3)リトアニア中銀シムカス総裁による「インフレ目標達成が確実ならば追加利下げの余地がある」とのハト派的な発言、(4)フランス中銀ビルロワドガロー総裁による「金融引き締め状態から脱却する前に政策金利をさらに大幅に引き下げる余地が十分にある」とのハト派的な発言が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0720(5/2以来の安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/12午前6時30分現在)では、1.0740前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は重要イベントを前に157円を挟んだ方向感に欠ける値動きが続いています。但し、日足ローソク足が全ての主要テクニカルポイントの上側で底堅さを維持していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、下位足(4時間足など)から上位足(週足など)に至る全てのテナーで買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。
こうした中、本日は今週のメインイベントとして注目されている米5月消費者物価指数(21:30)や、米FOMC(03:00)、パウエルFRB議長記者会見(03:30)に注目が集まります。米5月消費者物価指数が市場予想を上回る場合(先週の米雇用統計に加えて、ダメ押しとして米CPIも市場予想を上回る場合)や、米FOMCと同時に公表されるドットチャートやパウエルFRB議長記者会見がタカ派的な結果(今回は政策変更が見込まれていない為、市場参加者の関心事はドットチャートやパウエルFRB議長記者会見で「利下げ時期」や「利下げ回数」に関するヒントを得られるか否か→当方は利下げ時期に関するヒントは得られず、ドットチャートの中央値も前回の年3回から年1回の利下げに上方修正されるシナリオを予測)となる場合には、米FRBによる年内利下げ観測後退→米金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:156.00ー158.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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