トルコリラ円週報:『急落後に急伸するなど下値の堅さを再確認。リラ買いトレンドの継続を想定』(6/8朝)

トルコリラの対円相場は一時4.73円まで下げ幅を広げるも、週末にかけて全値戻しする展開となりました(下値の堅さを再確認)。

トルコリラ円週報:『急落後に急伸するなど下値の堅さを再確認。リラ買いトレンドの継続を想定』(6/8朝)

『急落後に急伸するなど下値の堅さを再確認。リラ買いトレンドの継続を想定』

〇今週のトルコ円、週初4.90まで上昇後、トルコインフレ指標の伸び率加速等に週央4.73まで下落
〇週末にかけてはドル円反発等に4.84前後に持ち直す
〇テクニカルには日足が主要テクニカルポイントの上で推移、買いシグナルも成立、地合い強い
〇ファンダメンタルズもトルコ円キャリートレード継続期待、中銀の追加利上げ観測等がサポート
〇トルコリラ円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.70ー5.00

今週のレビュー(6/3−6/7)

今週のトルコリラ円相場(TRYJPY)は、週初4.88円で寄り付いた後、早々に週間高値4.90円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(1)トルコ5月消費者物価指数(結果+75.45%、予想+74.80%)の市場予想を上回る結果(2022年11月以来の上昇率)や、(2)トルコ5月コアCPI(結果+74.98%、予想+74.45%)の市場予想を上回る結果、(3)トルコ5月生産者物価指数(結果+57.68%、前回+55.66%)の伸び率加速、(4)トルコ5月製造業PMI(結果48.4、前回49.3)の冴えない結果(2ヵ月連続で好不況の分かれ目となる50を下回る結果)、(5)ロシア大統領府ペスコフ報道官による「BRICS加盟を望むトルコのフィダン外相を歓迎する」との発言(欧米とトルコの関係悪化懸念)が重石となり、翌6/4にかけて、週間安値4.73円まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(6)ドル円相場の急上昇(トルコリラ円連れ高)や、(7)トルコ憲法裁判所による「中央銀行総裁を任期中に解任する大統領権限を無効とする判断」決定が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間6/8午前1時35分現在)では、4.84円前後まで持ち直す動きとなっております。

来週の見通し(6/10−6/14)

トルコリラの対円相場は一時4.73円まで下げ幅を広げるも、週末にかけて全値戻しする展開となりました(下値の堅さを再確認)。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線、基準線、雲上限)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)トルコリラ(政策金利50.0%)と日本円(政策金利0.1%)の金利差に着目した円キャリートレードの継続期待や、(2)トルコ中銀による根強い追加利上げ観測(今週発表されたトルコCPI・トルコPPIの伸び率が加速したことで、トルコ中銀による利上げ打ち止め観測が後退)、

(3)外国人投資家によるトルコアセットへの資金流入期待(トルコ政府・中銀による政策転換を好感する形で外国人投資家による資金流入が活発化。フィッチやS&Pによる格上げや、トルコ憲法裁判所による「中央銀行総裁を任期中に解任する大統領権限を無効とする判断」決定なども下支え。米JPモルガンは5/31にトルコ国債の投資判断を「オーバーウエート」に引き上げることを発表)、(4)トルコ中銀の外貨準備増加など、トルコリラ円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の一巡後の急伸(心理的節目5.00円の早期突破)をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週はトルコ4月鉱工業生産や、トルコ4月失業率、トルコ4月経常収支、トルコ4月小売売上高、トルコ中銀ビジネスサーベイなど、トルコ経済イベントが複数予定されております。

来週の予想レンジ(TRYJPY):4.70ー5.00

注:ポイント要約は編集部

『急落後に急伸するなど下値の堅さを再確認。リラ買いトレンドの継続を想定』

トルコリラ円日足

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