ユーロ 今週は先週同様のレンジで横ばい(週報5月第4週)

先週は、週間レンジはわずか79pipsにとどまり、鈍い動きの一週間で終わりました。

ユーロ 今週は先週同様のレンジで横ばい(週報5月第4週)

今週は先週同様のレンジで横ばい

〇先週のユーロドル、週間レンジはわずか79pips、鈍い動きの一週間
〇ユーロ円で介入が出るはずないとの見方がユーロ買いとなり、ユーロドルを底堅くしている理由の一つ
〇ユーロ円、ドル円以上の買い安心感から介入前の年初来高値171.56レベルを視野に入れる動き
〇ユーロドルではドルの動きをユーロ円が相殺する方向で動く流れが続きやすい
〇今週は欧州主要国CPI速報値が発表予定、予想は前回より高い数値、予想より強ければユーロ高に
〇今週は1.0800レベルをサポート、1.0900レベルをレジスタンスとする週を見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週はドル円の動きに沿って金曜まではユーロ安・ドル高、金曜は週末前にポジション調整とユーロ円でのユーロ買いも手伝ってユーロが買い戻されての週末クローズとなりましたが、週間レンジはわずか79pipsにとどまり、鈍い動きの一週間で終わりました。

金曜までの下げはFRB関係者のタカ派発言を主要因とした米金利上昇によるドル高ですが、直近では6月FOMCの金利見通しにおいて年末時点の利下げ回数が3月の3回から、1〜2回に後退するところまでは織り込み済みです。インフレ関連指標はまだ強いものの、雇用関連指標は弱くなってきていることを考えると、9月以降に2回利下げというのが妥当な線だと思います。

いっぽうで先週は複数のECB関係者から6月6日のECB理事会で利下げを示唆する発言があったいっぽうで、金曜のドイツ連銀総裁の発言からその後の利下げは連続せず、9月以降という見方も示されました。まだ先の話ではあるものの、ECBの利下げ回数がこれまで想定されていたより1回は少なくなりそうということで、ユーロの買い戻しも出やすくなっています。

また現在のドル円での円安ペースでは介入が出る可能性は無いでしょうが、ユーロ円では介入が出るはずがないという見方がユーロ円でのユーロ買い、それがユーロドルを底堅くしている理由のひとつにもなっています。引き続きユーロドルではドルの動きをユーロ円が相殺する方向で動くという流れが続きやすいと言えそうです。

今週は欧州主要国のCPI速報値が発表されますが、ここまで順調にインフレが抑えられてきた動きが止まり予想でも前回より高い数値が出ると見られています。この出方が予想以上に大きいということがあればユーロ高につながるでしょうが、予想よりも弱い場合には既に利下げが織り込まれていることを考えると、大きく売られる流れにはならないと思います。

テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。

今週は先週同様のレンジで横ばい

4月安値からの上昇N波動はちょうど161.8%エクスパンション(1.0897)で止まり、その後の押しは5月安値と高値の38.2%押し(1.0800)で止まりました。テクニカルにはほぼ1.0800〜1.0900のレンジとなりますが、それよりも狭い値幅で終わったのが先週です。今週もこのサポートとレジスタンスを大きく抜けるとは考え難く、1.0800レベルをサポートに、1.0900レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

今週のコラム

今週もユーロ円の日足チャートをご覧ください。

今週は先週同様のレンジで横ばい 2枚目の画像

12月安値からの上昇チャンネルの中での動きを継続中ですが、ドル円以上にユーロ円での買い安心感、そして6月利下げは織り込み済みかつECB関係者がそのあとは9月以降といった発言も加わり、170.50レベルまで高値を切り上げてきました。次の動きとして介入前の年初来高値171.56レベルを視野に入れる動きとなってきました。

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

5月27日(月)
**:** LDN、NY市場休場
17:00 ドイツ5月企業景況感
20:00 レーンECB理事講演 ☆

5月28日(火)
22:15 オランダ中銀総裁講演

5月29日(水)
15:00 ドイツ6月消費者信頼感
15:45 フランス5月消費者信頼感
16:00 フランス中銀総裁講演 ☆
21:00 ドイツ5月CPI速報値 ☆

5月30日(木)
18:00 ユーロ圏5月消費者信頼感
18:00 ユーロ圏4月失業率

5月31日(金)
15:00 ドイツ4月小売売上高、輸入物価
15:45 フランス5月CPI速報値 ☆、4月PPI
15:45 フランス1〜3月期GDP改定値
18:00 ユーロ圏5月CPI速報値 ☆

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

5月20日(月)
ユーロドルは小動き、1.08台後半をじり安の動きとなりましたが、終日のレンジは31pipsと同意薄の一日で終わりました。

5月21日(火)
ユーロドルは1.08台半ばを中心にまったく動きが見られず、前日に続き終日レンジもわずか32pipsに留まりました。

5月22日(水)
ユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場に入り出遅れて米金利の動きに沿ったドル買い(ユーロ売り)が先行しました。しかし、NY市場では米金利が低下した動きとその後のFOMC議事要旨公表を受け、若干のユーロ買い戻しを挟んで安値引けとなりました。

5月23日(木)
ユーロドルは東京市場では小動き、欧州市場に入り発表された経済指標が強かったことを受け買いが先行しました。NY市場前場には1.0861レベルの高値をつけましたが前日高値を超えられず、その後のドル買いの動きで反落、1.0805レベルの安値をつけ安値圏での引けとなりました。

5月24日(金)
ユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場ではECB関係者による6月利下げ発言はあったものの織り込み済み。3連休を前にしたポジション調整による買い戻しと、ユーロ円が前日高値を上抜け170.50レベルまで上昇したことから1.0858レベルまで買われ、高値圏での引けとなりました。



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