英米休場もあり材料難、基本は小動きか
〇東京時間のドル円、寄り付き157円レベルを日中高値に、ドルは小安い
〇5/31、為替介入実績公表。推計8.5兆円規模とされるが予想より少額なら失望誘いドル高に弾みも
〇先週、円買い介入シーリングと言われる157円超えるも定着できず。156円台中心とした一進一退続くか
〇ドル高円安方向、先週高値157.19が最初の抵抗。超えれば明確な上値メドは158円台
〇ドル安円高方向、弱いながらサポートになりつつある156円半ばの攻防に注目。下回っても基本底堅い
〇156円下回ると155円半ばの21日MAがターゲット
〇欧米時間のドル円予想レンジ:156.40-157.30
<< 東京市場の動き >>
週明けの東京市場はドルが底堅い。引き続き157円台での上値の重さを感じる反面、下値も堅く下げ渋った。
先週末は、終了したG7財務相会議の共同声明で「中国の過剰生産」に懸念が示されたほか、国際司法裁判所がイスラエルに対し「ラファ攻撃の即時停止命じる」暫定措置を発表したものの、ロイターによると「処分後もラファへの攻撃を続けている」と伝えられていた。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた157円レベルを日中高値にドルは小安い。円買い介入については先週のイエレン発言などもあり、見方は交錯しているものの引き続きドルの上値は重いようだ。しかし、下値も堅く安値は156.65円レベルまで。16時現在では156.80-85円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「円買い介入など」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、週末終了したG7財務相・中銀総裁会議が共同声明で、「為替の過度な変動は経済に悪影響」とした過去の合意を再認識すると明記された。また、それに先んじて参加した神田財務官からは「今後も必要に応じて、いつ何時でも適切な措置を取って参りたい」との発言も聞かれている。そうしたなか本日は日銀正副総裁の講演が実施され、植田氏からは「2%の物価目標実現に向けて注意深く進んでいくつもり」、内田氏は「デフレとの闘いは終わりも視野に入った」と述べていたようだ。
対して後者は、韓国聯合ニュースが週末に「韓国軍、北朝鮮の軍事偵察衛星2号機発射を準備している状況を把握」と報じるなか、日本の海上保安庁は、北朝鮮から「人工衛星」を27日午前0時から6月4日午前0時までのあいだに発射するとの通告を受けたと発表していた。そうしたなか、日米韓の担当高官が電話で協議を行い、「いかなる目的でも国連安全保障理事会の決議違反」などとして、北朝鮮に中止を求めることを確認すると同時に、衛星打ち上げ中止の要求を行っている。とは言え、北朝鮮が要求をすんなり受け入れるとも思われない。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、ドル高基調が続いているものの、日本時間でいえば今月2日早朝に円買いの実弾介入が観測された157円前後で推移していることもあり、円買い介入警戒が依然として強いようだ。少なくとも、ドルの上値を積極的に買っていく向きはそれほど多くない。先週高値157.19円を超えればザックリ158円が次の抵抗で、それも超えれば再び160円台乗せも見えてくるが到達にはいま少し時間が必要だろう。
日米を中心とした金融政策への関心が引き続き高いなか、今週も発表される米経済指標や要人発言に要注意だ。また、市場で別途関心を集めているものが週末31日に発表される日本の指標、いわゆる「為替介入実績」になる。すでに当局は4月29日など2回、合計8.5兆円規模の実弾介入を行ったと推計されているが、それが改めて確認されることになり、思惑が高まる可能性も否定できない。逆に金額が予想よりも少額にとどまった場合などは、失望を誘いドル高に弾みをつけるといった見方も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週、「円買い介入シーリング」などといわれた157円を一時超えるも定着できず。上値の重さを露呈した格好だ。上値は重いが下値も堅いということで、156円台を中心とした一進一退がいましばらく続くことになるのかもしれない。先週高値157.19円を超えれば158円が次の抵抗として予想される反面、156円を下回ると移動平均の21日線がターゲットに。
本日はメモリアルデーなどで英国そして米国市場が休場となるため、米経済指標の発表は予定されていない。そうした意味も含め、材料は少なめか。ただ、先で取り上げた北朝鮮による自称「人工衛星発射」の時間帯に入っていることから、そちらには注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは156.40-157.30円。ドル高・円安方向は先週高値の157.19円が最初の抵抗。超えれば明確な上値メドは158円台だが、一応157円半ばが次のメドに。
対するドル安・円高方向は、弱いながらサポートになりつつある156円半ばの攻防にまずは注目。下回っても基本底堅いが、それでも156円割れは否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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