南アランド円週報:『約2年ぶり高値圏から急反落。米利下げ観測後退がランドの重石に』(5/25朝)

南アランドの対円相場は週前半に記録した約2年ぶり高値8.66円(2022年6月以来の高値圏)をトップに反落に転じると、週後半にかけて、一時8.48円まで急落しました。

南アランド円週報:『約2年ぶり高値圏から急反落。米利下げ観測後退がランドの重石に』(5/25朝)

『約2年ぶり高値圏から急反落。米利下げ観測後退がランドの重石に』

〇今週の南ア円、週央にかけ8.66まで上昇するも週後半にかけて8.50近辺まで反落
〇南ア指標の不冴え、金・プラチナ価格の大幅下落等が背景
〇テクニカルには主要テクニカルポイントの上側で推移、強い買いシグナルも継続、地合い崩れず
〇ファンダメンタルズも、南ア経済の復調、円キャリートレードの継続等が南ア円をサポート
〇来週実施の南ア総選挙および南ア中銀の金融政策決定会合は無風通過の公算
〇引き続き、南アランド円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.40ー8.65

今週のレビュー(5/20−5/24)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初8.57円で寄り付いた後、週央にかけて、週間高値8.66円(2022年6月以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(1)南ア3月景気先行指数(結果110.4、前回112.5)の冴えない結果や、(2)南ア4月消費者物価指数(結果+0.3%、予想+0.4%)および、同コア指数(結果+0.2%、予想+0.3%)の市場予想を下回る結果、(3)上記1、2を背景とした南ア中銀による利下げ観測再燃、(4)米FOMC議事要旨のタカ派的な結果(米FOMC議事要旨は「数人の当局者は必要ならさらなる引き締めに意欲」「一部の当局者は長期金利がこれまで考えられていたよりも高くなる可能性があると認識」と予想以上にタカ派的な内容→米FRBによる9月利下げ観測後退→米金利上昇→新興国通貨下落)、(5)金・プラチナ価格の大幅下落(南アフリカの交易条件悪化懸念)が重石となり、週後半にかけて、週間安値8.48円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/25午前3時00分現在)では、8.51円前後で推移しております。

来週の見通し(5/27−5/31)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は週前半に記録した約2年ぶり高値8.66円(2022年6月以来の高値圏)をトップに反落に転じると、週後半にかけて、一時8.48円まで急落しました。但し、日足ローソク足が依然として主要テクニカルポイントの上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合は崩れていない(今週の下落は急ピッチな上昇に対する一時的なポジション調整)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ経済の復調期待や、(2)南アランドと日本円の金利差に着目した南アランド買い・円売り圧力、(3)日本政府・日銀による為替介入警戒感の後退(イエレン米財務長官は日本の為替介入を牽制)など、南アランド円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。今週は米FOMC議事要旨のタカ派的な結果をトリガーに「米金利上昇→南アランド急落」の流れが強まりましたが、米FRBが再度利上げに踏み切ることは想定しがたく(米長期金利の上昇余地は乏しく)、一巡後は再び南アランド円相場が反発するシナリオが想定されます。

また、来週実施される南アフリカの総選挙および南ア中銀の金融政策決定会合についても、無風通過(総選挙は、与党ANCが大幅に議席を失いつつも、少数政党と連立を組むことで主導権を維持できる公算が大きいと考えられる他、南ア中銀会合についても現行政策の現状維持が見込まれる)が想定されるため、来週は重要イベント通過後のあく抜け感(ポジション調整一巡後の持ち直し)も期待できます。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):8.40ー8.65

注:ポイント要約は編集部

『約2年ぶり高値圏から急反落。米利下げ観測後退がランドの重石に』

南アフリカランド円日足

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