RBAタカ派方針と中国景気回復を背景に105円台を意識へ
【今週の豪ドル】
今週の豪ドルは、オーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)が5月政策決定会合にて、利上げ協議を再開したことを公表したことから、タカ派方針を下支えに104円台での推移となった。
22日、RBA は5 月政策決定会合の議事録を公表。 CPI が一段と長く目標を上回る可能性を指摘し、利上げ協議を開始したことを明らかにした。欧米など主要中銀が年内利下げを検討する中での利上げ検討は、豪ドル高につながりやすい。
さらに、円安地合いが継続していることや、オーストラリア最大の貿易相手国である中国では人民銀行の金融緩和策や中国政府による不動産支援策等により、株価指数は回復基調を強めるなど経済の先行きに対する警戒感は徐々に和らぎつつある。
豪ドルは足元の上昇に対する調整などが意識されて上値は重くなったが、104円台水準でのしっかりとした推移となった。
豪ドル・円(東京時間:5月20日―5月24日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 104円18銭
高値: 104円59銭
安値: 103円47銭
終値: 103円67銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
5月21日
9時30分、5月消費者信頼感指数、前回:−2.4%、結果:−0.3%
5月28日
10時30分、4月小売売上高、前回:−0.4%、市場予想:0.2%
5月29日
10時30分、4月消費者物価指数(前年比)、前回:3.5%、市場予想:3.3%
5月30日
10時30分、4月住宅建設許可(前月比)、前回:1.9%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、引き続きRBAのタカ派な方針を材料に、4月29日高値104円91銭の更新を意識した展開となりそうだ。4月小売売上高、消費者物価指数と重要な経済指標発表を控えているなか、経済的なつながりが深い中国経済のさらなる回復期待が高まれば上への動きを強めると考える。
中国では、5月27日に、3月の工業企業の利益が発表される。国家統計局発表の4月の鉱工業生産の上振れが既に確認されていることから良好な結果となる可能性があろう。また、31日には、国家統計局より5月製造業PMI及びサービス業PMIが発表される。昨年に中国当局が進めた1兆元規模の災害復興やインフラ強化、金融緩和政策がサポート要因となり、4月製造業PMIとサービス業PMIは好不況の節目となる50を上回った。
4月は両PMIとも3月比で低下したことから、製造業及びサービス業の景気回復ピッチは鈍化した可能性はある。ただ、耐久消費財の買い替え政策が発表されていることから、景気回復ピッチのスピード感回復を確認できる可能性もあろう。中国景気の回復が確認できた際には、豪ドルの追い風となる。
また、テクニカルも堅調と言えよう。日足の一目均衡表の雲上限を上放れた状況下、一時下回っていた転換線を明確に上回った。転換線が上を向いていることから、4月29日に残した長い上ヒゲを意識した地合いがみられそうだ。104円水準で値固めを迎えており、上ヒゲ吸収もそろそろか。
月足でも20年3月安値59円87銭をボトムとした上昇のなか、14年高値102円89銭を上回ったことから、上を意識した地合いがより強まると想定する。4月29日高値を更新後、2013年5月以来の105円台を意識した展開へ。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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