中国経済底入れ期待強く、4月高値更新を意識した地合いは継続か
【今週の豪ドル】
今週の豪ドルは、4月雇用統計は就業者数が市場予想を上振れたものの、失業率が予想よりも増加するなどまちまちの格好と経済指標は材料視しにくい結果。ただ、豪ドルの反発基調は継続しており104円台に乗せる場面も見られた。
16日にオーストラリア連邦統計局が発表した4月の雇用統計は、就業者数は市場予想を上回る3.85万人増加し、労働力人口が増えた影響で失業率は4.1%まで上昇した。労働需給が徐々に緩んでいることを示す結果となった。フルタイムの就業者数は6100人減少したほか、労働参加率は66.7%に上昇し、労働時間は横ばいだった。
豪ドルは、4月雇用統計発表後は上値が重くなったものの、16日も下影(下ヒゲ)を残すなど反発基調は継続。4月29日の上影(上ヒゲ)をじりじりと吸収する展開となった。
豪ドル・円(東京時間:5月13日―5月17日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 102円82銭
高値: 104円03銭
安値: 102円62銭
終値: 103円73銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
5月15日
10時30分、第1四半期賃金指数(前期比)、前回:0.9%、市場予想:0.9%、結果:0.8%
10時30分、第1四半期賃金指数(前年比)、前回:4.2%、市場予想:4.2%、結果:4.1
5月16日
10時30分、4月雇用者数、前回:−0.66万人、市場予想:2.37万人、結果:3.85万人
10時30分、4月失業率、前回:3.8%、市場予想:3.9%、結果:4.1%
5月21日
9時30分、5月消費者信頼感指数、前回:−2.4%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、引き続き中国経済底入れへの期待感をベースに、4月29日高値104円91銭を意識した展開となりそうだ。
足元の豪ドル高の背景には、中国経済回復への期待感がベースにあると考える。4月の中国貿易統計で輸出入が増加に転じるなど、オーストラリアと中国間の交易活動が復調するとの前提があると推測。
投機筋は中国リスクのヘッジに通貨先物市場で豪ドルの売り持ちポジションを拡大させる傾向がある。3月に中国経済の先行き不安が強まった頃、豪ドルのネット売りポジションは10万枚を超えていたが、5月7日時点では6.5万枚のネット売りポジションまで縮小している。こうしたデータからも、中国経済に対する警戒感が和らいでいるとの見方ができよう。
また、4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下振れたことで、USドルが主要通貨に対してやや弱い動きを見せたことも豪ドル上昇の背景にある。ただ、この辺りは米政府高官の発言一つで米金利引き下げ見通しは変わることから、少々読みにくい要因と考える。
ただ、テクニカルは堅調と言えよう。日足の一目均衡表の雲上限を上放れた状況下、一時下回っていた転換線を明確に上回った。転換線が上を向いていることから、4月29日に残した長い上ヒゲを意識した地合いがみられそうだ。月足でも20年3月安値59円87銭をボトムとした上昇のなか、14年高値102円89銭を上回ったことで、上を意識した地合いがより強まると想定する。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.05.24
豪ドルWeekly RBAタカ派方針と中国景気回復を背景に105円台を意識へ(24/5/24)
今週の豪ドルは、オーストラリア準備銀行が5月政策決定会合にて、利上げ協議を再開したことを公表したことから、タカ派方針を下支えに104円台での推移となった。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.05.10
豪ドルWeekly タカ派ではなかったが反発継続、日本当局の円買い警戒も104円台を意識へ(24/5/10)
今週の豪ドルは、オーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)声明などが想定よりもタカ派ではなかったことで一時売られる場面は見られたが、反発の地合いは継続した。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。