豪ドルWeekly 中国経済底入れ期待強く、4月高値更新を意識した地合いは継続か(24/5/17)

豪ドルの反発基調は継続しており104円台に乗せる場面も見られた。

豪ドルWeekly 中国経済底入れ期待強く、4月高値更新を意識した地合いは継続か(24/5/17)

中国経済底入れ期待強く、4月高値更新を意識した地合いは継続か

【今週の豪ドル】

今週の豪ドルは、4月雇用統計は就業者数が市場予想を上振れたものの、失業率が予想よりも増加するなどまちまちの格好と経済指標は材料視しにくい結果。ただ、豪ドルの反発基調は継続しており104円台に乗せる場面も見られた。

16日にオーストラリア連邦統計局が発表した4月の雇用統計は、就業者数は市場予想を上回る3.85万人増加し、労働力人口が増えた影響で失業率は4.1%まで上昇した。労働需給が徐々に緩んでいることを示す結果となった。フルタイムの就業者数は6100人減少したほか、労働参加率は66.7%に上昇し、労働時間は横ばいだった。

豪ドルは、4月雇用統計発表後は上値が重くなったものの、16日も下影(下ヒゲ)を残すなど反発基調は継続。4月29日の上影(上ヒゲ)をじりじりと吸収する展開となった。

豪ドル・円(東京時間:5月13日―5月17日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照

始値: 102円82銭
高値: 104円03銭
安値: 102円62銭
終値: 103円73銭 

【今週と来週の重要指標】

※時間は東京時間

5月15日
10時30分、第1四半期賃金指数(前期比)、前回:0.9%、市場予想:0.9%、結果:0.8%
10時30分、第1四半期賃金指数(前年比)、前回:4.2%、市場予想:4.2%、結果:4.1
5月16日
10時30分、4月雇用者数、前回:−0.66万人、市場予想:2.37万人、結果:3.85万人
10時30分、4月失業率、前回:3.8%、市場予想:3.9%、結果:4.1%
5月21日
9時30分、5月消費者信頼感指数、前回:−2.4%

※予定は変更することがございます。

【今週末から来週の見通し】

今週末から来週の豪ドルは、引き続き中国経済底入れへの期待感をベースに、4月29日高値104円91銭を意識した展開となりそうだ。

足元の豪ドル高の背景には、中国経済回復への期待感がベースにあると考える。4月の中国貿易統計で輸出入が増加に転じるなど、オーストラリアと中国間の交易活動が復調するとの前提があると推測。

投機筋は中国リスクのヘッジに通貨先物市場で豪ドルの売り持ちポジションを拡大させる傾向がある。3月に中国経済の先行き不安が強まった頃、豪ドルのネット売りポジションは10万枚を超えていたが、5月7日時点では6.5万枚のネット売りポジションまで縮小している。こうしたデータからも、中国経済に対する警戒感が和らいでいるとの見方ができよう。

また、4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下振れたことで、USドルが主要通貨に対してやや弱い動きを見せたことも豪ドル上昇の背景にある。ただ、この辺りは米政府高官の発言一つで米金利引き下げ見通しは変わることから、少々読みにくい要因と考える。

ただ、テクニカルは堅調と言えよう。日足の一目均衡表の雲上限を上放れた状況下、一時下回っていた転換線を明確に上回った。転換線が上を向いていることから、4月29日に残した長い上ヒゲを意識した地合いがみられそうだ。月足でも20年3月安値59円87銭をボトムとした上昇のなか、14年高値102円89銭を上回ったことで、上を意識した地合いがより強まると想定する。

中国経済底入れ期待強く、4月高値更新を意識した地合いは継続か

豪ドル円日足

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