22日の政策金利発表に注目、強いトレンドのなかハト派見通しに警戒
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下振れたことなどから、年内2回の利下げ実施観測が強まりUSドルが下落したことで、相対的にNZドルが強含む展開となった。
NZ中銀が13日に公表した四半期調査では、今後2年間のインフレ予想は2.33%と前回の2.50%から低下した一方、10年先は上昇した。短期インフレ期待低下を受けてNZドルはやや軟化したが、反応は小さかった。
15日に発表された4月米CPIは市場予想を下回ったことから、米10年債利回りが4.3%台まで低下するなど年内2回利下げ観測が強まったことでUSドルは主要通貨に対して下落。NZドルはじりじりと上昇し、週末に発表された第1四半期生産者物価指数は市場予想を上回ったことも影響し95円35銭と4月29日高値95円36銭に迫る場面も見られた。
NZドル・円(東京時間:5月13日―5月17日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値:93円77銭
高値:95円35銭
安値:93円47銭
終値:95円09銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
5月13日
12時00分、第2四半期二年インフレ予想、前回:2.5%、結果:2.33%
5月17日
7時45分、第1四半期生産者物価指数(前期比)、前回:0.7%、結果:0.9%
5月22日
11時00分、NZ中銀政策金利、前回:5.50%、市場予想:5.50%
5月23日
7時45分、第1四半期小売売上高、前回:−1.9%
5月24日
7時45分、4月貿易収支、前回:5.88億NZドル
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、22日のNZ準備銀行(NZ中銀)による政策金利発表に注目が集まる。米国の年内2回の利下げ観測が強まっているなか、NZ中銀のインフレに対する考えが、タカ派となるか、ハト派となるかでNZドルは上下に動くと想定する。
6日、経済協力開発機構(OECD)は、ニュージーランド経済についての報告書で、NZ中銀はインフレ率が目標レンジ内に収まるまで引き締め的な金融政策を維持すべきだとの見解を示した。報告書にて、OECDは「データに依存した金融政策を維持するべき。インフレ率が中銀の目標レンジに達する時期が見通せず、負の世界的ショックが加わるリスクもある」と指摘した。
OECDは、21年10月から実施した利上げによって資金調達コストが上がって景気は減速したが、大量の移民流入によって同行の予想以上に内需が押し上げられたと指摘。「24年は景気が減速し、25年に持ち直す見通しだが、海外由来のリスクは高い」とした。
現在、NZ中銀は6会合連続で主要政策金利を5.5%に据え置いており、今回も据え置きが見込まれている。13日に発表された第2四半期短期インフレ期待の1年物は、前回の3.22%から2.73%とNZ中銀が目標とするインフレ率1−3%の範囲に入ったことで、インフレを注視しつつも景気を意識して、ややハト派な発言が出る可能性もある。
テクニカル面は強いトレンドが見られる。日足の一目均衡表では、日本当局と見られる円買いドル売り介入のあおりをうけて、雲下限を下回る場面も見られたが反発。95円台回復は時間がかかると思っていたが、反発の勢いは強く、4月29日の長い上ヒゲ(上影)をほぼ吸収した。
戻り高値更新で中長期的にもトレンドは強いことから、テクニカル面は良好と言えよう。NZ中銀のハト派見通しを警戒しつつ、07年7月以来となる96円台を意識した展開が期待できよう。
NZドル円日足
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