トルコリラ円週報:『ドル円に連れ乱高下するも下値余地は限定的か。シンクロ相場が続く見通し』(5/4朝)

トルコリラの対円相場は、今週初高値4.92まで上値を伸ばしましたが、政府・日銀による為替介入の影響で反落に転じると、週末にかけて一時4.69まで下げ幅を広げました。

トルコリラ円週報:『ドル円に連れ乱高下するも下値余地は限定的か。シンクロ相場が続く見通し』(5/4朝)

『ドル円に連れ乱高下するも下値余地は限定的か。シンクロ相場が続く見通し』

〇今週のトルコ円、週明け早々のドル円上昇に高値4.92まで上昇
〇その後はドル円急落、トルコ経済指標の不冴えとインフレ加速等に週末にかけ4.69まで下落
〇テクニカルには一目均衡表雲下限にサポートされ、強い買いシグナルも成立、地合い崩れず
〇ファンダメンタルズもトルコ経済復調期待、中銀の追加利上げ観測等がサポート
〇引き続き、トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.60ー4.90

今週のレビュー(4/29−5/3)

今週のトルコリラ円相場(TRYJPY)は、週初4.87円で寄り付いた後、早々に週間高値4.92円まで上昇しました(ドル円が約34年ぶり高値160.24まで急上昇→トルコリラ円連れ高)。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(1)日本政府・日銀による断続的な為替介入(ドル円急落→トルコリラ円連れ安)や、(2)トルコ4月経済信頼感(結果99.0、前回100.0)の前月比悪化、(3)トルコ3月貿易収支(結果73.4億ドル赤字、前回67.7億ドル赤字)の前月比悪化、(4)トルコ4月製造業PMI(結果49.3、前回50.0)の不冴な結果(好不況の分岐点50割れ)、

(5)トルコ4月消費者物価指数(結果+69.80%、前回+68.50%)の伸び率加速(2022年終盤以来の高水準)、(6)トルコ4月消費者物価コア指数(結果+75.81%、前回+75.21%)の伸び率加速、(7)トルコ4月生産者物価指数(結果+55.66%、前回+51.47%)の伸び率加速、(8)上記5、6、7を背景とした実質金利低下懸念が重石となり、週末にかけて、週間安値4.69円まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/4午前2時20分現在)では、4.72円前後で推移しております。

来週の見通し(5/6−5/10)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は3/13に記録した史上最安値4.52円をボトムに切り返すと、今週初に、約2カ月半ぶり高値4.92円(本年2/16以来の高値圏)まで上値を伸ばしましたが、日本政府・日銀による為替介入(ドル円急落→南アランド円連れ安)の影響で反落に転じると、週末にかけて、一時4.69円まで下げ幅を広げました。但し、日足ローソク足が一目均衡表雲下限にサポートされていることや、強い買いシグナルを示唆する「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、対ドル相場で史上最安値更新の流れがストップしていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合は崩れていない(下値余地は限定的)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)トルコ経済の復調期待や、(2)トルコ中銀による追加利上げ観測(今週発表されたインフレ指標はいずれも前月と比べて伸び率が加速しましたが、トルコ中銀はインフレ指標次第で追加利上げも辞さない構えを示しているため、次回会合での追加利上げ期待が再燃)、(3)トルコアセットに対する市場プレゼンス改善(外国人投資家によるトルコアセットへの資金流入期待)、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力(トルコ国内から米国への資金流出圧力後退)、

(5)日本政府・日銀による介入余力低下(4/29および5/1に介入と思しきドル売り・円買いを観測→日銀当座預金見通しから類推すると、既に8.5兆円規模の介入を行ったと予測されることから、介入余力は残り15.5兆円程度→介入余力が無くなれば無くなるほど足元を見る形で円売り圧力が再開する恐れあり)など、トルコリラ円相場の反発を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は、5/10にトルコ4月失業率や、トルコ4月鉱工業生産が予定されております。

来週の予想レンジ(TRYJPY):4.60ー4.90

注:ポイント要約は編集部

『ドル円に連れ乱高下するも下値余地は限定的か。シンクロ相場が続く見通し』

トルコ円日足

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