ドル高リラ安基調は続いているが、ドル円の動向見ながら慎重な動き
〇トルコリラ円、4/23は4.73前後で買われつつ4.76前後では上値が重くなる小動きで推移
〇ドル円がジリ高の推移に留まる中でトルコ円は上げ渋り。4/25政策金利発表で動意付く可能性も
〇市場介入でドル円が直前高値から5円超える急落なら、トルコ円の下げも厳しくなると警戒
〇対ドル、4/23は概ね32.67から32.35の取引レンジ、4/24午前は32.50台で推移
〇4.77超えからは4.79、4.80を順次試す上昇を想定。4.80以上は反落注意
〇4.73割れからは4.70前後への下落を想定。4.70前後は買われやすい
【概況】
トルコリラ円の4月23日は概ね4.76円から4.73円の取引レンジ、24日早朝の終値は4.74円で前日終値の4.76円からは0.02円の円高リラ安だった。
ドル円が3月11日安値146.46円を起点に一段高へ進んだことでトルコリラ円も3月13日安値4.52円を起点として上昇期に入り、3月31日のトルコ統一地方選での与党大敗をきっかけとしたリラ買いで4月1日高値4.77円へ上昇し、イスラエルがイランを空爆した4月19日にはドル円の下落とともに一時4.61円まで急落したもののドル円の反騰をを見て4.74円台へ戻した。4月22日早朝には4.79円へ高値を伸ばしたが、ドル円がジリ高の推移に留まる中でトルコリラ円は上げ渋りとなり、23日は4.73円前後で買われつつ4.76円前後では上値が重くなる小動きで推移した。
【ドル円の急変に備える】
ドル円は4月23日夜に154.87円を付けて昨年12月28日安値140.24円以降の高値を更新した。昨年1月16日安値127.22円以降の高値であり遡れば2011年10月31日安値75.57円以降の最高値更新だが、155円手前での市場介入警戒感もあって慎重な動きに留まっている。
155円に到達する際に市場介入で急落するのか、市場介入なく156円、157円と進み160円まで市場介入警戒レベルが引き上げられるのか、状況によって急騰も急落もあり得るところだが、4月25日夜の米1-3月期GDP速報、26日昼頃の日銀金融政策決定会合、26日夜の3月米PCE(個人消費支出)デフレーターの発表がドル円を方向付けるきっかけとなりやすく、市場もそれらを見定めたいとして慎重な動きに留まっている。
トルコリラ円としては4月25日のトルコ中銀による政策金利発表で動意付く可能性もあるところだが、事前予想は政策金利の現状維持であり、予想通りの現状維持ならば大きくは動き難くドル円の動向次第ということになりやすいと思われる。
ドル円は152円の壁を超えて急伸したように155円の壁を超えて急伸する場合にはトルコリラ円も4.80円台へ上昇する可能性があると思われるが、ドル円が155円の壁を超えずに失速する場合は4.70円台を維持できるかどうか試し、3月13日以降の戻り一巡で下落期に入る可能性も考えられる。特に市場介入でドル円が直前高値から5円を超える規模の急落となる場合にはトルコリラ円の下げも厳しくなると警戒される。
2022年9月22日にドル円が一度目の市場介入で5円超の急落となった際にトルコリラ円は当日高値7.98円から安値7.64円へ0.34円の急落に見舞われているが、その後に一段高へ進んでいる。2022年10月21日にドル円が151.94円を付けたところで二度目の大規模市場介入により急落して天井形成となった際、トルコリラ円も10月21日高値8.17円を天井として下落に転じて翌年1月へ下落を続けている。現状も2022年9月ないし10月のような市場介入がある場合にはトルコリラ円としても当時の反応規模を踏まえて対処する必要があるだろう。
【ドル/トルコリラは小動きだが4月5日以降のリラ安基調続く】
ドル/トルコリラの4月23日は概ね32.67リラから32.35リラの取引レンジ、24日早朝の終値は32.49リラで前日終値と変わらなかった。4月24日午前は32.50リラ台で推移している。
3月19日に32.50リラを付けて史上最安値とした後、3月21日にトルコ中銀が予想外に5%利上げを決定したことで3月22日高値31.53リラへ上昇し、再び売られた後に3月31日のトルコ統一地方選で与党が大敗したことをきっかけとしたリラ買いで31.36リラへ反騰したものの、リラ買いは長続きせずに4月5日からはドル高リラ安を再開して4月12日には一時的な下落だったものの33.03リラを付けて史上最安値を更新した。その後は最安値更新へ進んでいないものの4月19日に一時32.85リラを付けた後も32リラ台前半を売られて日足の終値ベースではリラ安基調が続いている。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、4月19日昼に急落してから下げ幅を解消する反騰となり20日早朝には4月1日高値を一時超えたため、22日午前時点では19日昼安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、トップ形成期を20日早朝から23日にかけての間と想定した。
4月22日早朝高値からいったん下げたものの22日夜へ戻した後も4.73円前後まででしっかりしているのでまだ一段高余地ありとするが、すでに22日早朝高値でサイクルトップを付けた可能性もあるとみて4.73円割れからは弱気サイクル入りとして24日の日中から26日昼にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では4.76円以上に抵抗感があり遅行スパンは実線と交錯して方向感に欠けるが、先行スパンからの転落は回避している。4.73円を上回るうちは一段高余地ありとして遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、4.73円割れからは下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は4月23日午前に40ポイント弱へ低下してから戻しているので、60ポイント超えからは70ポイントに迫る上昇を想定するが、次に40ポイントを割り込むところからは20ポイント台への低下へ進むとみる。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.73円を下値支持線、4.77円を上値抵抗線とする。
(2)4.77円超えからは4.79円、4.80円を順次試す上昇を想定する。4.80円以上は反落注意とするが、4.76円を上回っての推移なら25日も高値試しへ向かいやすいとみる。ドル円が急伸する場合は4.83円前後へ上値目途を引き上げる。
(3)4.73円割れからは4.70円前後への下落を想定する。4.70円前後は買われやすいとみるが、4.73円を下回っての推移なら25日も安値試しへ向かいやすいとみる。ドル円が急落する場合は4.60円台後半(4.68円から4.65円)へ下値目途を引き下げる。
【当面の主な予定】
4月24日
16:00 4月 製造業信頼感指数 (3月 104.4)
16:00 4月 設備稼働率 (3月 76.2%)
4月25日
20:00 トルコ中銀MPC 政策金利 (現行 50.0%、予想 50.0%)
20:30 週次 外貨準備高
4月29日
16:00 4月 経済信頼感指数 (3月 100.0)
4月30日
16:00 3月 貿易収支確報 (2月 −67.7億ドル)
16:00 1-3月 海外観光収入 (10-12月期 122.7億ドル)
17:00 3月 海外観光客数 前年同月比 (2月 22.68%)
5月2日
16:00 4月 イスタンブール製造業PMI (3月 50)
5月3日
16:00 4月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (3月 3.16%)
16:00 4月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (3月 68.50%)
16:00 4月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (3月 3.29%)
16:00 4月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (3月 51.47%)
注:ポイント要約は編集部
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