トルコリラ円見通し ドル円が155円突破へ向かうかいったん仕切り直しに入るか見定めるところ(24/4/23)

トルコリラ円の4月22日は概ね4.79円から4.73円の取引レンジ、23日早朝の終値は4.76円で先週末終値と変わらなかった。

トルコリラ円見通し ドル円が155円突破へ向かうかいったん仕切り直しに入るか見定めるところ(24/4/23)

ドル円が155円突破へ向かうかいったん仕切り直しに入るか見定めるところ

〇トルコ円、4/22日中から4/23未明にかけてドル円の上昇を見ながらジリ高推移、4/22夜に4.77を付ける
〇対ドル、4/22は概ね32.64から32.27の取引レンジ、リラ安継続感が強い状況続く
〇トルコ消費者信頼感指数は上昇し昨年8月以降の最高となるが、1月以降はやや高止まりの様相も
〇4.77超えからは、4.79、4.80を順次試す上昇を想定する
〇4.74割れからは下向きとし、4.73割れからは4.70前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の4月22日は概ね4.79円から4.73円の取引レンジ、23日早朝の終値は4.76円で先週末終値と変わらなかった。
ドル円が3月11日安値146.46円を起点に一段高へ進み、152円手前の抵抗感を払拭しきれずに151円台中心の持ち合いにつかまっていたところから4月10日の米3月CPI上昇率発表をきっかけに152円の壁を超えて急伸したことにより、トルコリラ円も3月12日安値4.52円を起点として持ち直しに入り、3月21日のトルコ中銀による予想外の5%利上げや3月31日のトルコ統一地方選での与党大敗をきっかけとしたリラ買いで4月1日高値4.77円へ上昇した。
ドル円は4月19日にイランに対するイスラエルの空爆報道から一時急落したもののイランの再報復がみられず両国の全面戦争化が回避されるとして早々に反騰入りし、米国の利下げ先送り感を背景に4月23日未明には154.84円を付けてこの間の最高値を更新した。

トルコリラ円も4月19日にドル円が急落した際に4.61円まで一時的に急落したもののドル円の反騰を追いかけて4.74円台へ戻し、22日早朝の一時的なドル安リラ高局面で4.79円をつけたところからは反落したものの、22日の日中から23日未明にかけてはドル円の上昇を見ながら22日夜に4.77円を付けるなどジリ高で推移した。

ドル円は152円突破に際して市場介入がなかったことで154円台後半まで高値を伸ばしてきたが、155円前後での市場介入警戒感もあり、155円突破へ向けてはやや慎重な姿勢も見られる。しかし米国の早期利下げ期待が後退して利下げ開始が年後半へずれ込む公算が高まっていること、2022年9月の市場介入では一時的に直前高値から5円を超える急落となったものの10月21日高値へ一段高しているため、円安基調そのものの根底が覆される情勢変化がなければ市場介入で急落したところは買われ、介入なければ政府の円安容認限界を試すように156円、157円、160円と試して行く可能性もある。
トルコリラ円を含めクロス円全般はドル円の市場介入(警戒)での急落に注意しつつも、一段高へ進む可能性のある局面として多少突っ込んだところは買い拾われやすい展開で推移すると思われる。ただし、ドル/トルコリラが史上最安値更新へ進む際にはドル円が上昇してもドル円のように高値切り上げヘ進めない可能性もあると注意する。

【ドル/トルコリラ トルコ中銀政策金利発表前で小動き】

ドル/トルコリラの4月22日は概ね32.64リラから32.27リラの取引レンジ、23日早朝の終値は32.49リラで先週末終値と変わらなかった。
3月21日にトルコ中銀が予想外に5%利上げを決定したことで3月19日の史上最安値32.50リラから3月22日高値31.53リラへ上昇し、3月29日に32.49リラへ反落したところから3月31日のトルコ統一地方選での与党大敗をきっかけとしたリラ買いで31.36リラへ反騰したものの、その後は高値更新へ進めず、それらのリラ買い材料が消化されて4月5日からはドル高リラ安の再開となり、4月12日には一時的な下落だったものの33.03リラを付けて史上最安値を更新し、4月19日も一時32.85リラを付けるなどリラ安継続感が強まっている。

【トルコ消費者信頼感指数は昨年8月以降の最高】

4月22日に発表されたトルコの4月消費者信頼感指数は80.5となり3月の79.4から上昇して1月の80.4を超えて昨年8月の68.0以降の最高となった。昨年5月の91.1から大幅低下した流れが落ち着いて持ち直しを続けているが、1月以降はやや高止まりの様相も見える。
内訳では、家計の現況が3月の66.6から65.0に悪化しており低調な状況を反映しているが、先行きとしての家計の12か月後見通しは78.9からら82.9へ改善、景気全般に対する12か月後見通しは74.9から78.1へ改善した。ただ向こう12か月における耐久財消費見通しについては3月の97.0から95.8へ低下している。

3月のトルコ国外PPI(国外生産者物価指数)は前月比4.70%上昇、前年同月比は67.25%で2月の62.38%を上回った。2022年8月に118.94%でピークとなり2023年5月に32.13%まで低下したが、その後は再上昇している。トルコのインフレ低下を実現するには国内PPIを低下させてCPI低下につなげること、海外からの輸入物価が低下すること、通貨インフレを回避するためにリラ安が収まることが必要となるが、海外からの物価上昇圧力はまだ続いている印象だ。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、4月15日午後高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとして18日午前から22日午前にかけての間への下落を想定してきたが、19日昼に急落してから下げ幅を解消する反騰となり20日早朝には4月1日高値を一時超えたため、22日午前時点では19日昼安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、トップ形成期を20日早朝から23日にかけての間と想定した。
4月22日早朝高値からいったん下げたものの22日夜へ上昇したためまだ一段高余地ありとするが、前回サイクルトップから5日を経過しているので4.73円割れからは弱気サイクル入りとして24日午前から26日昼にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では4月22日夜への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜いているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、遅行スパン悪化からはいったん下げに入るとみて安値試し優先とし、4.73円割れからは先行スパン下限のある4.70円前後への下落を想定する。

60分足の相対力指数は4月22日夜に60ポイント台へ到達したが23日午前序盤に50ポイントを試す反落を見せている。55ポイント超えからは上昇再開とするが、45ポイント割れからは下落継続とみて30ポイント以下への低下へ進むとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.73円を下値支持線、4.77円を上値抵抗線とする。
(2)4.77円超えからは4.79円、4.80円を順次試す上昇を想定する。4.80円以上は反落注意とするが、4.76円を上回っての推移なら24日も高値試しへ向かいやすいとみる。ドル円が急伸する場合は4.83円前後へ上値目途を引き上げる。
(3)4.74円割れからは下向きとし、4.73円割れからは4.70円前後への下落を想定する。4.70円前後は買われやすいとみるが、4.73円を下回っての推移なら24日も安値試しへ向かいやすいとみる。ドル円が急落する場合は4.60円台後半(4.68円から4.65円)へ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

4月24日
 16:00 4月 製造業信頼感指数 (3月 104.4)
 16:00 4月 設備稼働率 (3月 76.2%)
4月25日 
 20:00 トルコ中銀MPC 政策金利 (現行 50.0%、予想 50.0%)
 20:30 週次 外貨準備高
4月29日
 16:00 4月 経済信頼感指数 (3月 100.0)
4月30日
 16:00 3月 貿易収支確報 (2月 −67.7億ドル)
 16:00 1-3月 海外観光収入 (10-12月期 122.7億ドル)
 17:00 3月 海外観光客数 前年同月比 (2月 22.68%)
5月2日
 16:00 4月 イスタンブール製造業PMI (3月 50)
5月3日
 16:00 4月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (3月 3.16%)
 16:00 4月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (3月 68.50%)
 16:00 4月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (3月 3.29%)
 16:00 4月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (3月 51.47%)



注:ポイント要約は編集部

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