ECB理事会後のユーロ(2016年12月9日)

今週初のイタリア国民投票後には「酷い値動きの一日となりました」と書きましたが、昨日のECB理事会後の動きは

ECB理事会後のユーロ(2016年12月9日)

ECB理事会後のユーロ

今週初のイタリア国民投票後には「酷い値動きの一日となりました」と書きましたが、昨日のECB理事会後の動きは「酷い値動きの一時間となりました」という状況です。

ECB理事会後にQE自体は来年12月まで延長されるものの債券購入金額が200億ユーロ減額され600億ユーロとなるとの内容に、市場参加者はテーパリングとの判断からユーロ買いで飛びつき、一時1.0874レベルの高値をつけました。しかしドラギ総裁会見では、テーパリングを支持するメンバーはいないこと、引き続き下振れリスクがありいつでも拡大する用意があるとの発言を行い、ユーロドルは急反落し1.0598レベルの安値を見ることとなりました。

市場参加者の思惑ではQE延長イコール同額というイメージが先行していましたから、緩和縮小という反応をしたわけです。いっぽうECBはQE延長イコール緩和継続で市場の反応は意図したものでは無かったのでしょう、ドラギ総裁はハト派発言で火消しに入ったという印象です。

過去にテーパリングと言えば、米国が毎月450億ドルの国債と400億ドルのMBS(住宅ローン担保債券)を購入していたQE3において、2014年1月から徐々に購入金額を減らし2014年10月で終わらせたことは記憶に新しいところです。テーパリング開始に先立って当時のバーナンキ議長は2013年5月にテーパリングについて言及しています。

2013年〜2014年末のドルインデックスの動きを週足で見てみましょう。

        ドルインデックスと米国のテーパリング

        ドルインデックスと米国のテーパリング

ピンクの矢印がテーパリングに言及した時期、赤の矢印が翌月からテーパリングを開始することを決定したFOMC、赤の両矢印の期間がテーパリングを行った期間です。こうして見るともちろん他の要因もありますが、ニュースとしてドルを買う動きはあったものの、実際にテーパリングが開始されるまではドル買いの動きにはつながっていません。

今回のECBの決定が仮に米国におけるテーパリングに対する言及や開始のイベントと同列で考えた場合でも、すぐにユーロ買いで反応するのは時期尚早であり、実際に債券購入額が減る来年4月以降、かつある程度のタイムラグをもってユーロ買いにつながる可能性のほうが高いという考え方が自然ではないかという見方はいかがでしょうか。

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