トルコリラ円見通し ドル高リラ安と円安に挟まれて4.76円を挟んだ小動き(24/4/18)

トルコリラ円の4月17日は概ね4.77円から4.74円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.75円で前日終値と変わらなかった。

トルコリラ円見通し ドル高リラ安と円安に挟まれて4.76円を挟んだ小動き(24/4/18)

ドル高リラ安と円安に挟まれて4.76円を挟んだ小動き

〇トルコ円、円安の押し上げ効果減少とドル高リラ安基調一服で決め手欠き、揉み合い商状
〇4/18午前序盤に4.73へ下げるなどやや右肩下がりの展開
〇ドル円155円前後での市場介入と波乱に備えつつ、介入なければ介入水準が切り上がる可能性に注意
〇市場介入で反落したところは買われやすく、クロス円全般も急落一巡後の反騰に要注意
〇対ドル、4/17は概ね32.62から32.27の取引レンジ、本日早朝終値は32.38
〇終値ベースで小幅続落だが、4/5以降のドル高リラ安基調は継続
〇トルコ2月経常収支は前月から赤字拡大、経常赤字体質の改善見られず
〇4.77超えからは4.78、4.79を順次試す上昇を想定
〇4.73割れからは4.70前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の4月17日は概ね4.77円から4.74円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.75円で前日終値と変わらなかった。
ドル/トルコリラは4月5日からドル高リラ安基調が続いているものの、日足終値ベースでは4月16日から17日へと小幅ながらドル安リラ高となりリラ安に一服感がみられる。一方でドル円は4月17日未明に154.78円を付けて昨年末以降の高値を更新したものの市場介入警戒感で155円には届かず、日米韓財務相会談等での円安けん制姿勢から18日未明に154.15円まで下落して155円到達への挑戦がいったん仕切り直しとなっている。
トルコリラ円は3月31日のトルコ統一地方選での与党大敗をきっかけとした一時的なリラ高でつけた4月1日高値4.77円の後は高値更新へ進めず、円安による押し上げ効果が薄れていることと4月5日以降のドル高リラ安基調が減速していることで決め手に欠いて揉み合い商状となっているが、18日午前序盤に4.73円へ下げるなどやや右肩下がりとなり始めている。

【ドル円に対する市場介入警戒感】

4月17日に日本商工会議所の小林会頭は「今の円安は非常に困る。適切な措置をお願いしたい」、「他国との協調介入も含めて考えてもらいたい」と政府の市場介入を促すような発言をし、鈴木財務相はG20財務相・中銀総裁会合開催地のワシントンでイエレン米財務長官と会談して「行き過ぎた(円安の)動きには適切に対応する立場を説明した」と述べ、4月18日早朝に神田財務官は「あらゆる手段を排除せず」と述べた。
財界からの円安けん制、米国への根回し等も含め、市場介入への地ならしが進んだ印象だが、2022年の円安局面での市場介入は9月22日の一度目の介入では終わらずに同年10月21日に二度目の介入でようやくブレーキがかかり、その後に米CPI上昇率が大幅に低下したことを根拠に円高へと転換しているため、現状においても一度の市場介入では円安基調そのものを転換させることは難しいと思われる。

トルコリラ円としては引き続き155円前後での市場介入と波乱に備えつつも、仮に市場介入がなければ156円、157円、、と介入水準が切り上がる可能性があること、市場介入で反落したところは買われやすく、クロス円全般も急落一巡後に反騰しかねないことを念頭におきたい。

【ドル/トルコリラ 終値ベースで小幅続落だが4月5日以降のドル高リラ安基調は継続】

ドル/トルコリラの4月17日は概ね32.62リラから32.27リラの取引レンジ、18日早朝の終値は32.38リラで前日終値の32.39リラからは0.01リラのドル安リラ高だった。
3月31日のトルコ統一地方選での与党大敗をきっかけとしたリラ買いで4月1日に32.48リラから31.36リラへドル安リラ高となったものの材料消化でリラ売りが再開して4月12日朝には一時32.56リラを付けて3月19日安値32.50リラを超えて史上最安値を更新した。
日足の終値ベースでは4月9日から15日まで5営業日連続のドル高リラ安となり15日終値32.40リラで3月19日終値を超えて史上最安値を更新した。16日終値32.39リラから17日終値32.38リラと終値ベースでは小幅ながら続落しているが、4月12日の最安値を除いて17日も4月5日以降の安値を切り下げており、4月18日午前も32.50リラを挟んだ水準で推移してドル高リラ安基調は続いている印象だ。

【トルコ2月経常収支は前月から赤字拡大】

4月17日に発表されたトルコの2月経常収支は32.7億ドルの赤字となり赤字額は市場予想の37億ドルを下回ったものの1月の25.2億ドル(速報は25.6億ドル)を上回った。昨年11月から4か月連続の赤字で、直近1年間では昨年6月、9月、10月を除いて赤字となった。2023年1月に赤字104億ドルとしたところから赤字額縮小傾向をたどってきたが、昨年9月に若干の黒字となったところをピークとして赤字拡大期に入っており、構造的な経常赤字体質の改善は見られない。
トルコリラの下落は輸出にプラスとなるもののリラ安とインフレによる輸入物価上昇が足かせとなり景気を重くするために貿易収支の赤字体質から抜け出せない。トルコが高成長を実現しないことには貿易赤字を海外からの観光収入や投資で埋め合わせる経常赤字体質も続き経常赤字がリラ安要因となる悪循環を招く。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、4月15日午前安値から4.77円に迫る反騰となったために16日午前時点では15日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして17日早朝から19日早朝にかけての間への上昇を想定した。
4月15日午後高値以降は高値更新へ進めずにややジリ安となり始めているので15日午後高値を上抜く場合は新たな強気サイクル入りとするのを妥当とみて15日午後高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして18日午前から22日午前にかけての間への下落を想定する。4月15日午後高値超えからは強気サイクル入りとして18日午後から22日午後にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では4月15日午後以降をややジリ安の揉み合いで推移しているため方向感に欠ける。4.77円を超えて一段高へ進む場合はさらに上昇継続するとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、4.73円割れから続落する場合はさらに下落継続するとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は4月15日午後に70ポイント台へ到達してから低下したが17日の日中からは50ポイントを挟んで横ばい推移となっている。60ポイント超えからは上昇期入りとみて70ポイント台への上昇を想定するが、40ポイント割れからは安値試しが続きやすいとみて30ポイント前後への低下へ向かうとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.73円を下値支持線、4.77円を上値抵抗線とする。
(2)4.77円超えからは4.78円、4.79円を順次試す上昇を想定する。4.78円以上は反落注意とするが、4.74円を上回っての推移なら19日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.73円割れからは4.70円前後への下落を想定する。4.70円前後は買われやすいとみるが、4.73円を下回っての推移なら19日も安値試しへ向かいやすいとみる。ドル円が急落する場合は4.60円台中盤へ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

4月18日
 20:30 週次 外貨準備高 4月12日時点
4月19日
 16:00 4月 トルコ中銀ビジネスサーベイ
4月22日
 16:00 4月 消費者信頼感指数 (3月 79.4)
 23:30 3月 中央政府債務 (2月 7兆2381億リラ)
4月24日
 16:00 4月 製造業信頼感指数 (3月 104.4)
 16:00 4月 設備稼働率 (3月 76.2%)
4月25日 トルコ中銀MPC 政策金利 (現行 50.0%)


注:ポイント要約は編集部

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