トルコリラ円見通し ドル高リラ安と円安に挟まれて4.76円を挟んだ小動き(24/4/17)

トルコリラ円の4月16日は概ね4.77円から4.74円の取引レンジ、17日早朝の終値は4.75円で前日終値と変わらなかった。

トルコリラ円見通し ドル高リラ安と円安に挟まれて4.76円を挟んだ小動き(24/4/17)

ドル高リラ安と円安に挟まれて4.76円を挟んだ小動き

〇トルコリラ円、4/16は概ね4.77から4.74の取引レンジで4/17早朝終値は4.75で前日終値と変わらず
〇ドル円が市場介入なく155円超える場合、円安相場として5.00目指す上昇期に入ることも
〇対ドル、4/16取引レンジは概ね32.54から32.23。4/17午前32.57つけドル高リラ安基調続く
〇トルコ2月小売売上高、前月比3.5%増。9月から6か月連続でプラス幅を上昇させて改善
〇4.73上回るうちは一段高余地あり、4.77超えからは4.78、4.79順次試す上昇を想定
〇4.73割れからは4.70前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の4月16日は概ね4.77円から4.74円の取引レンジ、17日早朝の終値は4.75円で前日終値と変わらなかった。
3月31日のトルコ統一地方選挙での与党敗北をきっかけとしてトルコリラが対ドルで反騰したことをきっかけとしてトルコリラ円は4月1日に4.77円へ急伸した後もののその後は高値更新へ進めず、4月5日からはドル高リラ安が再燃したこととドル円の上昇が交錯する中で4.70円台前半を中心とした持ち合いで推移してきた。
4月12日にトルコリラが対ドルで史上最安値を更新する一時的な急落を見せたためにトルコリラ円も一時的な飛び値で4.63円を付ける場面がみられたものの早々に元の水準へ切り返し、15日午後に4.77円へ戻した後はドル円が高値を切り上げているものの上昇ペースが鈍っていることでトルコリラ円への円安による押し上げが弱まり、ドル高リラ安の継続により上値が抑えられて小動きに入っている。

【ドル円の市場介入に備える】

ドル円は4月10日夜の米3月CPI上昇率が予想を上回ったことによる米長期債利回り急伸をきっかけに152円の壁を超えて一段高に入り、4月12日夜に反落したところも買われて154円台へ続伸してきた。4月16日夜の一時的な下落で154円を割り込んだところも買われて17日未明には154.78円を付けて徐々に155円へ迫ってきている。
財務省による円安けん制は続いているものの市場介入への切迫性がみられず、実弾介入前のレートチェック等も見られないため、市場は155円到達で介入があるのかどうか試しているところだ。155円トライ前にいったん仕切り直しの下落を入れてから再上昇するケース、155円前後で市場介入により2022年の介入時と同様に直前高値から5円を超える規模の急落となるケース、155円到達でも市場介入なく160円を目指す声が高まるケースのいずれも可能性があると思われる。

トルコリラ円はドル高リラ安が再開していることによる圧迫感があり、ドル円が155円手前で足踏みしているうちは上値が重くなり、ドル円がいったん仕切り直しの下落へ進む場合には4.70円割れから4.60円台中盤への下落へ向かう可能性が考えられる。しかしドル円が市場介入なく155円を超える場合には円安相場として5.00円を目指す上昇期に入ることもあり得るところだ。2022年の市場介入は9月22日(金曜日)と10月21日(連休前日)だったためこのままドル円が154円台で推移する場合には週末の介入を警戒する。トルコリラ円としてはドル円の急変に注意しつつ急落も急騰もあり得るところとして臨機応変で対処したい。

【ドル/トルコリラ 4月5日以降のドル高リラ安基調続く】

ドル/トルコリラの4月16日は概ね32.54リラから32.23リラの取引レンジ、17日早朝の終値は32.39リラで前日終値の32.40リラからは0.01リラのドル安リラ高だった。
3月31日のトルコ統一地方選での与党大敗をきっかけとしたリラ買いにより4月1日に32.48リラから31.36リラへドル安リラ高となり、日足終値ベースでは4月4日まで4営業日連続のドル安リラ高だったものの、統一地方選に対する市場反応が一巡してリラ売りが再開したことにより4月12日朝に一時32.56リラを付けて3月19日安値32.50リラを超えて史上最安値を更新し、日足の終値ベースでは4月9日から15日まで5営業日連続のドル高リラ安となり15日終値で3月19日終値を超えて史上最安値を更新した。
4月16日はわずかに前日比でリラ高だったものの17日午前に32.57リラを付けるなど4月5日以降のドル高リラ安基調が続いている。

4月16日に発表されたトルコの2月小売売上高は前月比3.5%増となり1月の2.7%増を上回った。昨年8月に2.1%減のマイナスとなった後は9月から6か月連続でプラス幅を上昇させて改善している。前年同月比は25.1%増で1月の13.7%増を大幅に上回ったが2023年2月にトルコ・シリア大地震の影響で急減したところとの対比であり、3月以降に上昇率を上げられるか試されるところだ。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、4月12日早朝へ続伸してから一時4.70円割れへ急落したために12日午前時点では12日早朝高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとしたが、15日午前安値から4.77円に迫る反騰となったために16日午前時点では15日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして17日早朝から19日早朝にかけての間への上昇を想定した。
4月15日午後以降は4.77円を上値抵抗線として横ばい推移のためまだ上昇余地ありとみるが、4.73円割れから弱気サイクル入りとして18日午前から22日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では4月15日午後への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンからも上抜いたが、4月15日午後からの横ばい推移で遅行スパンは実線と交錯し、先行スパンを上回る状況は概ね維持されている。4.77円を超えて一段高に入る場合は上昇がさらに続くとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、連続的な下落で先行スパンから転落する場合は下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は4月11日から15日午後への高値切り上げに際して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられ、15日午後の70ポイント超えからは指数のジリ安推移が続いている。相場が横ばい推移のため60ポイント超えからは上昇再開から一段高へ進むとみるが、40ポイント割れからは下落期入りとして20ポイント台への低下へ進むとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.73円を下値支持線、4.77円を上値抵抗線とする。
(2)4.73円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.77円超えからは4.78円、4.79円を順次試す上昇を想定する。4.78円以上は反落注意とするが、4.74円を上回っての推移なら18日も高値試しへ向かいやすいとし、ドル円が急伸する場合は4.80円まで上値目途を引き上げる。
(3)4.73円割れからは4.70円前後への下落を想定する。4.70円前後は買われやすいとみるが、4.73円を下回っての推移なら18日も安値試しへ向かいやすいとみる。ドル/トルコリラでリラが史上最安値を更新する場合には一時的な急落に注意し、ドル円が急落する場合は4.60円台中盤へ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

4月17日
 16:00 2月 経常収支 (1月 -25.56億ドル)
4月18日
 20:30 週次 外貨準備高 4月12日時点
4月19日
 16:00 4月 トルコ中銀ビジネスサーベイ
 23:30 3月 中央政府債務 (2月 7兆2381億リラ)
4月22日
 16:00 4月 消費者信頼感指数 (3月 79.4)
4月24日
 16:00 4月 製造業信頼感指数 (3月 104.4)
 16:00 4月 設備稼働率 (3月 76.2%)
4月25日 トルコ中銀MPC 政策金利 (現行 50.0%)



注:ポイント要約は編集部

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