日本当局の介入警戒するも、反発傾向強まる地合いに
【先週のトルコリラ】
先週のトルコリラは、週末こそ4.6円台に急落する場面も見られたが、ラマダン明けの砂糖祭(シェケル・バイラム、日本でいうお盆か正月)によって、薄商いの静かな地合いとなった。
8日に発表された2月鉱工業生産は前年比+11.5%と市場予想(同+8.1%)、前回(同+1.3%)を大幅に上回る結果となったが、既に「砂糖祭」が意識されており、市場の反応は限定的となった。
週末こそ、10日の3月米消費者物価指数(CPI)の上振れを契機としたドル買い等の影響で、4.6円台までトルコリラが売られる場面も見られたが、市場参加者が少なかったことが影響したとの観測。瞬間的な動きに留まったことから、週次ベースではトルコリラはほぼ横ばい推移となった。
トルコリラ・円(東京時間:4月8日―4月12日)※Investing.comの日足を参照
始値:4.7301円
高値:4.7726円
安値:4.6382円
終値:4.7375円
【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間
4月8日
16時00分、2月鉱工業生産指数(前月比)、前回:0.3%、結果:3.2%
16時00分、2月鉱工業生産指数(前年比)、前回:1.3%、市場予想:8.1%、結果:11.5%
4月15日
16時00分、2月失業率、前回:9.1%
4月16日
16時00分、2月小売売上高、前回:13.3%
4月17日
16時00分、2月経常収支、前回:−25.6億ドル、市場予想:−40.0億ドル
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のトルコリラは、「砂糖祭」明けで売買も活発となろう。トルコ経済の回復やエルドアン大統領の政策転換の警戒感などが和らいだことで、やや反発基調を強めると想定する。
先週発表された2月鉱工業生産指数が好調だったことで、15日の2月失業率、16日の2月小売売上高なども良好な結果となれば、トルコ経済の持ち直しへの期待感などが先行する可能性はある。
3月の政策会合でトルコ中央銀行はサプライズ利上げを実施したが、3日に発表された3 月CPIは前年比+68.50%(前月:同+67.07%)、食品とエネルギーを除いたコアが同+75.21%(前月:同+72.89%)とともに市場予想を上回り、前月よりも伸びが加速。
そして、同じく3日に発表された、3月生産者物価指数(PPI)も前年比+51.47%と前月(同+47.29%)を上回り11カ月ぶりの高い伸びとなった。先行性があるPPIの高い伸びが、のちのちCPIに与える影響を考慮すると、4月CPIも高い伸びが想定されよう。4月25日開催予定の政策会合での追加利上げは五分五分と考えるが、5月会合では追加利上げを行う可能性は非常に高いと考える。
また、政権3期目のエルドアン大統領による最後の大規模な選挙を通過したことで、今後、金融政策変更の可能性は低くなるとも考える。エルドアン大統領の声明を鵜のみにするわけではないが、市場が感じ取っていた過度な警戒感は後退していると推測する。
日足ベースでは、50日移動平均線が位置する4.75円水準で上影(上ヒゲ)が連発している。一気に上抜けてくると短期的な反発基調はより強くなりそうだが、まだ様子見的な動きか。ただ、日足の一目均衡表の雲が切り下がることから、自然体での雲突入、及び雲上限上放れが期待できそうな状況にある。
薄い雲なので上回る可能性も高く、反発基調が強まる展開も期待できよう。ドル独歩高や、日本当局による円買い介入の可能性などは重しとなりそうだが、トルコリラが相対的に強含む展開とはなりそうだ。
トルコリラ円日足
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