ユーロ ユーロドルはやや上値が重い展開か(週報4月第2週)

先週のユーロドルはイースター休暇明けということもあってようやく動きが出てきたという一週間でした。

ユーロ ユーロドルはやや上値が重い展開か(週報4月第2週)

ユーロドルはやや上値が重い展開か

〇先週のユーロドル、早期緩和思惑で膨らんだユーロ売りポジションに調整の買い戻しが入る
〇4/11開催のECB理事会、利下げ無しがコンセンサス。ラガルド総裁発言が最大の注目材料
〇テクニカルには4月安値と高値の61.8%押し1.0782レベルは、押し目買いが出やすい水準
〇ユーロ円、介入警戒感なく買い強まりやすい傾向続く
〇1.0730レベルをサポートに、1.0870レベルをレジスタンスとする週を見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルはイースター休暇明けということもあってようやく動きが出てきたという一週間でしたが、3月後半にECBの早期緩和思惑が強まりユーロ売りポジションが膨らんだ動きに対して調整の買い戻しが入った動きだったと言えるでしょう。ユーロ材料的にはそれほど目立ったものは無く、米独の金利市場の動きに沿った展開となりましたが、緩和思惑があるとは言っても今週のECB理事会での利下げは無いというのもコンセンサスであり、今週もそれほど大きな動きは期待できないように思います。

ECB理事会は11日開催で上述の通り現状維持がコンセンサスですが、前回の理事会では6月には情報が揃うといった趣旨のコメントもあり、6月理事会で利下げに転換するという見方に対して、ラガルドECB総裁が会見でどのような発言を行うのかが最大の注目材料です。ユーロ圏のインフレ率は着実に低下してきていることを考えると、前回よりも一歩踏み込んだ発言が出てくる可能性もありますが、前日の米国CPIで水準が上がっているか、下がっているかでも状況は異なります。ただ、先週の戻り高値を超えていくほどのユーロ買いの動きは考えにくいでしょう。

テクニカルには日足チャートをご覧ください。

ユーロドルはやや上値が重い展開か

現在は3月高値を起点とした平行下降チャンネル(ピンク)を下抜けたので下側のラインを引き直しましたが、この拡散型のもみあいパターンはなかなか難しい動きで、思わぬ振れにつながりやすい形です。日柄的にも振れやすい時期でECB理事会もあることを考えると、下方向に動きが出てくる可能性の方が高いように思います。

ただ、テクニカルには4月安値と高値の61.8%押しとなる1.0782レベルはいったん押し目買いが出やすい水準となりそうです。米国CPIが弱く、もしドル売り・ユーロ買いの動きの後の理事会といった場合には気にしておくべき水準でしょう。逆に下げていた場合には下値は先週安値がサポートとなります。

ここでは、どちらの場合でも先週のレンジを抜けることは無いという見通しで、1.0730レベルをサポートに、1.0870レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

今週のコラム

今週はユーロ円の月足チャートをご覧ください。

ユーロドルはやや上値が重い展開か 2枚目の画像

ドル円では介入警戒感があるものの、ユーロ円ではそうした警戒感が無いこともあって、買いが強まりやすい傾向が続いています。長期的には2008年リーマンショック前の高値169.95レベルをターゲットと考える向きが多いでしょうから、すぐにではないでしょうが今後ユーロ円の買いが改めて強まる際の参考にしておくと良いでしょう。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

4月8日(月)
15:00 ドイツ2月鉱工業生産
24:30 英中銀副総裁講演

4月9日(火)
08:01 英国3月小売売上高
15:45 フランス2月貿易収支

4月10日(水)
21:30 米国3月CPI ☆
27:00 FOMC議事要旨公表 ☆

4月11日(木)
08:01 英国3月住宅価格
21:15 ECB理事会 ☆
21:45 ラガルドECB総裁会見 ☆

4月12日(金)
15:00 ドイツ3月CPI
15:00 英国2月鉱工業生産
15:00 英国2月貿易収支
15:45 フランス3月CPI

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

4月1日(月)
週明けのユーロドルはイースター休暇でNY市場までは小動き、NY市場では強い米国経済指標に反応し米金利上昇によるドル買いからユーロドルは下落しましたが、最近のECB早期緩和思惑も重なり、ユーロドルは安値1.0731レベルと珍しく値幅がドル円よりも大きい一日となりました。

4月2日(火)
ユーロドルは欧州市場まではわずかに安値を切り下げ1.0725レベルをつけていました。連休後の欧州市場では欧州での金利上昇の動きもあり、ユーロが対ドル、対円で買われ、どちらも前日のもみあい水準へと戻して引けました。

4月3日(水)
ユーロドルはNY市場までは小動きとなっていましたが、ADPでドル円が上昇した際にはユーロ円でも買いが出たこともあり動かず。その後のドル売りの局面では素直にユーロ買いで反応し、1.0837レベルまで上伸し高値引けとなりました。

4月4日(木)
ユーロドルは東京市場では動かなかったものの欧州市場に入ると前日の流れを継続してのユーロ買いがみられました。その後対ドルだけでなく対円でも買いが入り、それぞれ1.0877レベル、164.92レベルの高値をつけましたが、イランによるイスラエル攻撃の可能性とのニュースによりドル円の下げとともにユーロ円でも大きく売られたことでユーロドルも反落して引けました。

4月5日(金)
ユーロドルは東京朝方にドル円とともにユーロ円が下げた動きで売りが先行したものの、NY市場までは基本的にもみあいが続きました。強い米国雇用統計後は1.0791レベルの安値をつけたものの買い戻され、東京朝方の水準に戻しての週末クローズとなりました。



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