ドル円 152円が再び視界内に、攻防を注視(4/8夕)

東京市場はドルが小じっかり。依然として上値が重く152円にはとどいていないが、それでも151.85円レベルまで再び値を上げる局面も。

ドル円 152円が再び視界内に、攻防を注視(4/8夕)

152円が再び視界内に、攻防を注視

〇本日ドル円、わずか30ポイント程度の値幅で緩やかなドル高・円安が進行
〇16時現在151.80-85の日中高値圏で推移
〇円買い介入警戒感のある152円を超えられるか引き続き注目
〇投機筋の円売りポジション相当量積み上がる、上値トライ失敗の場合一気にドル安進行のリスクも
〇今週は4/10 NZ中銀、カナダ中銀、4/11 ECB政策金利発表、また中東情勢に注意
〇ドル高・円安方向、年初来高値を含めた152円をめぐる攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向、本日東京で割り込めなかった151円半ばが目先のサポートか
〇欧米時間の予想レンジ:151.30-152.10

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが小じっかり。依然として上値が重く152円にはとどいていないが、それでも151.85円レベルまで再び値を上げる局面も。

先週末は、訪中している米財務長官が李強首相らと会談を実施したうえ、ハマスはガザ停戦交渉に応じる構えをみせ、代表団をエジプト・カイロに派遣するとの声明を出していたと伝えられていた。
ドル/円は、151.60円レベルで寄り付いたものの、基本的に動意が乏しい。値動きは151.55-85円といったわずか30ポイント程度ながら、緩やかなドル高・円安が進行していた。16時現在では151.80-85円の日中高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。なお、ドル高の進行が非常に緩やかだったためなのか、本日は鈴木財務相などによる円安けん制発言はとくに聞かれなかったようだ。

一方、材料的に注視されていたものは「米中関係」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、前述したようにイエレン米財務長官が訪中を実施し、何副首相や李強首相らと相次ぎ会談を行った。そのなかで、イエレン氏は「対立の回避に向けた米中対話の重要性を訴えた」ほか、「二大経済大国として複雑な関係を管理し、指導力を発揮する義務がある」と指摘したという。それに対し、中国サイドは「米中は互いに尊重し合う必要があり、パートナーであるべきだ」と返答したとされるが、新華社通信はイエレン氏が、中国の過剰製造能力に対し懸念を示したことについて、「米国が中国脅威論を蒸し返し、一段の保護主義政策の口実にしようとしている」と批判するなど、微妙なしこりを残す一面もうかがわせていた。

対して後者は、ロシア国営原子力企業ロスアトムが、ウクライナ南部でロシアの制圧下にあるザポロジエ原子力発電所をウクライナ軍が連続で攻撃したと非難する声明を発表している。しかし、ロシアによる影響力工作との見方も少なくなく、実際ウクライナ情報機関の当局者は「ウクライナは攻撃に関与していない」と表明したうえで、ロシアの自作自演だとの見方を示唆するコメントが発せられていた。一方、それとは別に米紙ワシントンポストが「トランプ氏、ウクライナに南部クリミア半島や東部ドンバス地方の国境地帯をロシアに割譲するよう圧力をかけることで終戦に持ち込めると周囲に語った」などと報じ、そこここで物議を醸していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は依然として高原推移をたどるも152円にはとどかず。日本当局の円買い介入警戒感などから岩盤のようになっている152円を、このあと果たして超えていくことが出来るのかに引き続き注目だ。ただし日経新聞によると、投機筋による円売りポジションは相当量積み上がっているとされ、「ドル高・円安が進んだ2022年以降で最大」に達しているという。上値トライが失敗した場合など、逆にドル安・円高へと振れた際には一気にドル安が進行するリスクもある。
引き続き各国の政策金利が注目を集めるなか、今週は10日にNZ中銀とカナダ中銀、11日にはECBが政策金利の発表を予定している。もちろん、そちらにも注意を払いつつ、もっとも関心を集める日米金融政策の行方をめぐり、今週も思惑の交錯した展開をたどりそうだ。なお、情報が錯綜しているものの、それでも停戦協議に向け進展の兆しがうかがえるガザ情勢なども場合によっては相場の波乱要因となりかねないかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は再びドル高方向へのリスクをうかがわせる展開だが、如何せん152円レベルが非常に重い。完全に近くて遠いという存在だが、怖いもの見たさでそろそろ上値トライをするといった声も徐々に高まりつつあるようだ。
もっとも、同時に当局の実弾介入警戒感も強まりつつある感もあり、本日東京時間に要人による口先介入が聞かれなかったのは逆に不気味といった声も。ドル高基調が変わるか否かは別にして、実施されれば2-3円の下落を否定出来そうにない。

本日はとくに目立った米経済指標の発表などはなし。また、米要人による講演などの発言機会もとくにはないが、英国を含めた欧州要人の講演などは幾つか予定されており、そちらには注意が必要かもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.30-152.10円。ドル高・円安方向は年初来高値を含めた152円をめぐる攻防にまずは注目。抜ければテクニカル的には青天井で、強い抵抗はしばらく見当たらない。
対するドル安・円高方向は、本日東京で割り込めなかった151円半ばが目先のサポートか。下回ると先週安値である150.81円が意識されそうだ。

152円が再び視界内に、攻防を注視

ドル円日足


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