リラ安再開、ドル円急落で4.70円割り込む
〇昨日トルコ円、ドル円急落とドル高リラ安により4.70割る、本日午前序盤は4.67を割り込む
〇ドル円が151円台の持ち合いから上下いずれへ抜けるのか見極め必要、3/29米PCE統計後の変動に注意
〇対ドル、3/27概ね32.29から31.94の取引レンジ、本日早朝終値は32.25
〇3/21中銀利上げ後のリラ買い一巡、31.50リラ台でリラ売り再開し4日連続でリラ安
〇リラ買い助長する追撃材料が出てこない場合、再び史上最安値更新へ進みかねないか
〇4.66割れからは4.63前後への下落を想定
〇4.70を超える場合は4.73前後への上昇を想定するがその後の反落に注意
【概況】
トルコリラ円の3月27日は概ね4.72円から4.68円の取引レンジ、28日早朝の終値は4.68円で前日終値の4.71円からは0.03円の円高リラ安だった。
3月19日の日銀金融政策決定会合におけるマイナス金利・YCC等の解除決定後も当面は金融緩和状態が続くとして円安が勢い付き、3月21日未明の米FOMCが年内3回利下げ想定を維持したことでいったんドル安となったものの早々にドル高へ切り返したことでドル円が一段高へ進み、21日夜のトルコ中銀による5%利上げをサプライズとしたドル/トルコリラにおけるドル安リラ高によりトルコリラ円は3月21日夜に4.77円へ上昇した。
しかしドル円が151円台での持ち合いで上げ渋り持ち合いに入ったことで円安による押し上げが効かなくなり、トルコ中銀利上げ反応が3月22日までで一巡してドル高リラ安が再開したためにトルコリラ円は4.70円前後で下支えられつつも徐々に戻り高値を切り下げて上値の重い展開となっていた。
3月27日にドル円が151.96円を付けて凡そ34年振り高値としたものの日銀・財務省・金融庁による三者会合と神田財務官等による市場介入をちらつかせる円安けん制で27日夜に151円台序盤へ急落し、ドル/トルコリラが25日から27日へ3営業日連続のドル高リラ安となったため、トルコリラ円は27日夜に4.70円を割り込み、3月28日午前序盤には4.67円を割り込んでいる。
ドル円は三者会合後の下落でも151円台を維持しており、市場介入前のレートチェックや不意をついた実弾による市場介入という段階にはまだ至らず、151円台を維持していることで市場の先高期待=152円を突破してゆく円安の加速となる可能性も残している。しかし昨年11月13日に151.90円を付けて2022年10月21日高値151.94円へ迫ったところから大幅下落に転じたことと、米国のインフレ鈍化がより顕著となれば利下げ期入りによる米長期債利回り低下と日米長期金利差の縮小から円高へ進む可能性もあるため、151円を割り込む場合は円高がしばらく続くことも警戒される。
トルコリラ円にとってはドル円が151円台の持ち合いから上下いずれへ抜けるのかをしっかり見極める必要があるところであり、3月29日の米2月PCE統計後の変動に注意したい。
【ドル/トルコリラ、中銀利上げ後のリラ買い一巡、4日連続でリラ安】
ドル/トルコリラの3月27日は概ね32.29リラから31.94リラの取引レンジ、28日早朝の終値は32.25リラで前日終値の32.17リラから0.08リラのドル高リラ安だった。
3月21日にトルコ中銀が市場予想の現状維持に反して5.0%利上げを決定したことをサプライズとして21日当日安値32.46リラから31.57リラへドル安リラ高となり、22日には31.53リラを付けたものの、31.50リラ台ではリラ売りが再開し、3月25日から27日にかけて3営業日連続のドル高リラ安となり、28日午前には32.39リラを付けてドル高リラ安が続いて中銀ショックによるリラ高の大半を解消している。
昨年8月24日の7.5%利上げをサプライズとしたドル安リラ高が当日で終わり翌日から歴史的なリラ安が再開して9月から史上最安値更新へ進んだことを踏まえれば、リラ買いを助長する追撃の材料が出てこない場合には再び史上最安値更新へ進みかねないところと思われる。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、3月21日午前安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとしてたが、21日夜高値の後は4.70円前後で下支えられつつ戻り高値が切り下がってきたために21日深夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして26日の日中から28日午前にかけての間への下落を想定した。
27日夜に4.70円を割り込み28日午前へ続落しているので引き続きボトム形成中とみるが、26日夜安値から戻した後に一段安したため、26日夜安値を基準としてボトム形成期が29日夜から4月2日夜にかけての間へ延びる可能性がある。
強気転換は4.70円超えからとし、その際は28日夜から29日午前にかけての間への上昇を想定するが、戻りは短命とみてその後に3月21日以降の安値を更新するところからは弱気サイクル入りとする。
60分足の一目均衡表では3月27日夜の下落で先行スパンから転落して遅行スパンも悪化したが、その後も両スパン揃っての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。先行スパンを上抜けないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下げ再開とし、強気転換は両スパンが揃って好転するところからとする。
60分足の相対力指数は3月27日夜の下落時に30ポイントに迫り、その後も50ポイント以下にとどまっているので20ポイント前後への低下余地ありとみる。強気転換は50ポイント超えからの続伸で60ポイントに迫る上昇が必要と思われる。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.66円を下値支持線、4.70円を上値抵抗線とする。
(2)4.70円以下での推移中は一段安余地ありとし、4.66円割れからは4.63円前後への下落を想定する。4.6円以下は反騰注意とするが、4.68円を割り込んでの推移なら29日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.70円では戻り売り有利とし、4.70円を超える場合は4.73円前後への上昇を想定するがその後の反落に注意する。
【当面の主な予定】
3月28日
16:00 3月 経済信頼感指数 (2月 99)
20:30 週次 外貨準備高 3月22日時点 グロス (3月15日時点 748.9億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 3月22日時点 ネット (3月15日時点 196.2億ドル)
3月29日
16:00 2月 貿易収支 (1月 -62.3億ドル)
4月1日
16:00 3月 イスタンブール製造業PMI (2月 50.2)
4月3日
16:00 3月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (2月 4.53%)
16:00 3月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (2月 67.07%)
16:00 3月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (2月 3.74%)
16:00 3月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (2月 47.29%)
注:ポイント要約は編集部
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