ドル円、約34年ぶり高値圏へと急伸するも、政府・日銀による介入警戒感から急反落(3/28朝)

27日(水)のドル円相場は急伸後に急反落。

ドル円、約34年ぶり高値圏へと急伸するも、政府・日銀による介入警戒感から急反落(3/28朝)

約34年ぶり高値圏へと急伸するも、政府・日銀による介入警戒感から急反落

〇ドル円、東京時間の年初来高値151.97から米国時間に一時151.03まで急落、151円台前半での推移
〇直近高値突破に伴う達成感、政府・日銀による為替介入警戒感が重石
〇ユーロドル、ECB関係者のハト派発言、欧州債利回り低下等に1.08台前半で上値重い
〇ドル円、152.00が強力なレジスタンスとして市場参加者に意識され上値重い
〇政府・日銀による為替介入警戒感(昨日は財務省・金融庁・日銀による三者会議実施)も重石
〇ドル円相場の一巡後の急落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.25ー151.75

海外時間のレビュー

27日(水)のドル円相場は急伸後に急反落。(1)日経平均株価の3営業日ぶり反発や、(2)田村日銀審議委員による「当面緩和的な金融環境が継続する」とのハト派的な見解発表、(3)上記2を背景とした日銀による追加利上げ観測後退、(4)直近高値突破(2024年の年間高値151.88突破→2023年の年間高値151.91突破→2022年の年間高値151.95突破)に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、約34年ぶり高値となる151.97(1990年7月以来の高値圏)まで急伸しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(5)直近高値突破に伴う達成感や、(6)心理的節目152.00を背にした戻り売り圧力、(7)鈴木財務相による「円相場について高い緊張感をもって見ている」「円安の行き過ぎた動きにあらゆる手段排除せず断固たる措置」との牽制発言、(8)林官房長官による「為替市場の動向を注視しつつ万全の対応を行いたい」との牽制発言、(9)神田財務官による「円安の背景に投機的な動きがあることは明らか」「あらゆる手段を排除せずに適切な対応をとる」との牽制発言、(10)財務省・金融庁・日銀による3者会合実施、(11)上記7、8、9、10を背景とした政府・日銀による為替介入警戒感が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値151.03まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/28午前3時40分現在)では、151.38前後で推移しております。

27日(水)のユーロドル相場は上値の重い展開。欧州時間朝方にかけて、高値1.0839まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ECBによる早期利下げ観測の再燃(スウェーデン中銀は政策金利を据え置きつつも声明文で「5月か6月に利下げを行う可能性がある」と言及→BOEのハト派的な会合やスイス中銀によるサプライズ利下げなどこのところ欧州圏でのハト派的な政策決定が続出→ECBがこれらに追随して早期利下げに踏み切るとの思惑浮上)や、(2)チポローネECB専務理事による「賃金の伸び率が鈍化傾向にあるため、ユーロ圏のインフレ率は2025年半ばまでに目標の2%へ低下することに確信を強めている」とのハト派的な発言、(3)ドイツの主要経済研究所による2024年のGDP成長率の大幅下方修正(今回+0.1%、前回+1.3%)、(4)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0811まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/28午前3時40分現在)では、1.0820前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時約34年ぶり高値圏(151.97)へと急伸するも、心理的節目152.00に続伸を阻まれる形で反落に転じました。152.00が強力なレジスタンスとして市場参加者に意識されている証左といえるため(2022年の年間高値151.95、2023年の年間高値151.91、今年の年間高値151.97)、上値は次第に重くなると考えられます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(利上げ方向の日銀と、利下げ方向の米国とのコントラスト→日米金利差縮小に伴う円キャリートレードの逆流懸念)や、政府・日銀による為替介入警戒感(昨日は財務省・金融庁・日銀による三者会議も実施)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

本日予定されている一連の米経済指標(米10ー12月期GDP確報値、米3月シカゴ購買部協会景気指数、米2月中古住宅販売成約指数、米3月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、米カンザスシティ連銀3月製造業活動指数)が市場予想を下回る場合には、米金利低下→米ドル売りの経路で、ドル円に強い下落圧力が加わる展開が想定されるため、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の急落(節目151.00を下抜けるとロング勢のロスカットを巻き込みながら大きく値崩れする恐れ)をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:150.25ー151.75

約34年ぶり高値圏へと急伸するも、政府・日銀による介入警戒感から急反落

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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