東京市場のドルは151円97銭まで上昇、為替介入の有無を探る緊張感のある地合いに(24/3/27)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、田村直樹日銀審議員の発言後に一時151円97銭までドルが買われる場面が見られた。

東京市場のドルは151円97銭まで上昇、為替介入の有無を探る緊張感のある地合いに(24/3/27)

東京市場のドルは151円97銭まで上昇、為替介入の有無を探る緊張感のある地合いに

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、田村直樹日銀審議員の発言後に一時151円97銭までドルが買われる場面が見られた。

昨晩の海外時間では、3月消費者信頼感指数が予想外に悪化したため一時ドル売りが優勢となったが、米連邦準備制度理事会(FRB)の年内の大幅な利下げ観測の後退に連れたドル買いが優勢となり、結果的に方向感に乏しい地合いとなった。

東京時間では、10時過ぎ、田村直樹日銀審議委員は青森県金融経済懇談会にて「大規模緩和の修正によって金融政策の正常化へ第一歩を踏み出したとは言っても副作用も残る状況が続いている」と述べた。

また、金融政策正常化の最終的なゴールに対しては「2%物価目標の下で金利の上げ下げを通じて需要を調整し、物価に影響させるという金利の機能が発揮できるような水準まで金利を戻す」などと発言。

9人の日銀政策委員のなかで最もタカ派と見られていた田村日銀審議委員から「追加利上げ実施の時期」といった踏み込んだ話が出なかったことから市場はドル買い円売りで反応。151円97銭と2022年高値151円96銭を上回る場面が見られた。

買い一巡後は、鈴木財務大臣が「行き過ぎた動きにはあらゆる手段を排除せず断固たる措置をとっていきたい」と強めの口先介入を行ったことで、円売りは一服。その後、ドルは151円70銭水準で推移した。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:151円53銭
高値:151円97銭
安値:151円45銭
終値:151円74銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:164円05銭
高値:164円42銭
安値:163円91銭
終値:164円19銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 98円96銭
高値: 99円09銭
安値: 98円74銭
終値: 98円98銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:191円24銭
高値:191円54銭
安値:191円06銭
終値:191円30銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:40517円17銭
高値:40979円36銭
安値:40452円21銭
終値:40762円73銭(前日比+364円70銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

19時00分、欧、3月ユーロ圏景況感、前回:95.4、市場予想:96.0
23時30分、米、週次石油在庫統計、前回:−195.2万バレル
31時00分、米、ウォラーFRB理事が経済見通しについて講演

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析など】

日足ベースのドル・円は、本日、2022年高値151円96銭を上回ったことで、1990年7月以来となる152円台乗せを試す展開を迎えている。ここからは政府・日銀による為替介入警戒との攻防戦となろう。

27日、為替介入の陣頭指揮を執る神田財務官は目立った発言を行っていないが、鈴木財務大臣が発した「断固たる」は、口先介入としては最上位の発言と考える。25日に神田財務官が「(為替介入の)準備は常にできている」と発言していることから、後は「レートチェック」を行う段取りしかないため、いつ為替介入が実施されてもおかしくない状況だ。

一方、2022年は物価上昇に耐えられない国民から、「円高を期待する声」が非常に強かったものの、足元、物価上昇率を超える賃上げが進んでいることなどが影響してか、こうした声はさほど聞かれなくなった。

「国民の生活を維持する」という大義名分に弱いほか、3月の期末を迎える今週、政府・日銀は、株安につながる為替介入を実施するのは難しいと考える。仮に試し買いでドルが152円台に到達した後、政府・日銀による為替介入が確認できなかった場合は、一気にドル高円安基調が強まるだろう。口先介入だけではコントロールできない水準で推移していることから、今晩の海外時間は緊張感のある地合いとなりそうだ。

今晩の海外時間の上値メドは152円80銭、下値メドは150円80銭とする。

東京市場のドルは151円97銭まで上昇、為替介入の有無を探る緊張感のある地合いに

ドル円日足

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