ドル円 介入警戒などで上値重いがドル高基調は継続(3/27夕)

東京市場はドルが小高い。値幅は50ポイント程度で、決して値動きは大きくなかったが、それでも年初来高値を再び更新し一時152円に迫る局面も観測されていた。

ドル円 介入警戒などで上値重いがドル高基調は継続(3/27夕)

介入警戒などで上値重いがドル高基調は継続

〇ドル円、2022年と23年高値(151.95レベル)超える局面も。16時現在やや小緩んだ151.70前後で推移
〇田村日銀審議委員発言後のドル買い円売り進行で、関係者からの円安けん制発言が相次ぎ緊張感高まる
〇本日の主な米経済指標はMBA住宅ローン申請指数。材料不足だが月末・期末の需給要因警戒する声も
〇リスクはドル高方向、東京時間に超えられなかった152円の壁の攻防に注意、抜けても上値限られるか
〇ドル高円安方向、151.95-00が最初の抵抗。抜けると152円台乗せだが上値重い状況変わらず
〇ドル安円高方向、昨日安値151.21めぐる攻防に注目。下回ると151円レベルが意識されそう
〇欧米時間のドル円予想レンジ:151.10-152.00

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが小高い。値幅は50ポイント程度で、決して値動きは大きくなかったが、それでも年初来高値を再び更新し一時152円に迫る局面も観測されていた。

ドル/円は151.55円レベルで寄り付いたのち、しばらくは冴えず。しかし、注目されていた講演で田村日銀審議委員が、「当面緩和的な金融環境が継続する」と述べたことなどを材料に、徐々にドル買い・円売りが進展している。22日高値の151.86円を超えただけでなく、わずかではあるが2022年と23年高値(151.95円レベル)を超える局面も。16時現在ではやや小緩んだ151.70円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制発言など」と「中国情勢」について。
前者は、先で指摘したように日銀の田村委員から「当面緩和的な金融環境が継続する」との発言が聞かれ、ドル高・円安が進展したことで、その後は関係者からの円安けん制発言が相次ぐ格好となった。一例を挙げると、鈴木財務相は「高い緊張感もって為替市場を見ている」、植田日銀総裁「為替市場の動向や経済物価への影響を注視」−−などとなる。緊張感が俄かに高まってきた感を否めないが、発言内容的に見た場合には実弾介入までいま少し猶予がありそう、といった見方も少なくない。

対して後者は、「中国軍無人機が日本海飛行、空自が緊急発進」などといった威嚇行動が依然として観測されるなか、目に付いたのはむしろ経済問題。たとえば、湖南省や遼寧省といった一部地方政府は、「金融規制の強化と金融リスクの解消が目的」とし、管轄区内の金融資産取引所を閉鎖する方針を示し物議を醸していた。また中国外為当局の高官からは、海外からの直接投資が低迷しているが、「変動することは普通のこと」と平静を装う発言が聞かれたほか、韓副主席は開催した投資会合で「新たな質の生産力の発展を加速し、世界経済の安定と安全を強化する」と力強く宣言していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は本日東京時間に高値を更新。1990年7月以来、34年ぶりの高値となる。2022年や23年高値(151.95円レベル)を超えるという流れそのものは想定内だが、予想よりもだいぶ早い上抜けで、タイミング的な意外感もある。いずれにしてもリスクは上向き、ドル高方向で間違いないものの、以前から報じているように152円をあっさり超えて、勢いのままにドル高が進むという展開は果たしてどうか。個人的には飽くまで牛歩。ゆっくりとしたドル高進展にとどまる気がしている。
引き続き日米金融政策が注視されている状況下、日銀は19日の「政策金利変更」直後から追加利上げに慎重姿勢をうかがわせている気がするのだが、市場は何故か勝手に期待を膨らませそして裏切られるということを繰り返している。実際、前記した本日の日銀の田村委員発言「当面緩和的な金融環境が継続する」も、特筆するほどの内容ではなかったと思われるが市場ではドル買い・円売りの材料視されていた。

つまり逆に言えば、ドル買いの材料あるいは理由付けを探しているのかもしれず、発表される経済指標や発言なども、ドル買いサイドの内容により反応する可能性が取り沙汰されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円は150円以上のレベルも見慣れてきた感がある。日本当局の円買い実弾介入でもない限り、150円以下へと下落することは予想しにくいといった指摘も聞かれていた。
とは言え、ドルの上値が重いこともまた事実。本日東京で超えられなかった152円の壁をめぐる攻防にまずは要注意で、仮に抜けてもドルの上値は限られそうだ。

本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数が発表されるものの、市場の関心はさほど高くない。それを除く材料もとくに目立ったものはなく、全体的には動きにくい雰囲気ながら、月末・期末ということでの需給要因を警戒する声は少なくなかった。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.10-152.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値でもある151.95-00円が最初の抵抗。抜けるといよいよ152円台乗せが現実のものとなりそうだが、その場合でも上値は重い状況は変わらない。
対するドル安・円高方向は、昨日安値151.21円をめぐる攻防に注目。下回ると151円レベルが意識されそうだ。

介入警戒などで上値重いがドル高基調は継続

ドル円日足



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