米指標の発表注視、数字次第で荒れた展開も
〇東京市場のドル円、NY時間に米CPIの発表控え全体的に動意は鈍くドルが小安い
〇151.95レベルを日中高値に上値の重い展開、下値も堅く安値は151.40レベル、50-60ポイントの変動
〇今夜の米CPI発表前後、市場の乱高下には要注意、強めの数字の方がサプライズになるとの声も
〇ドル高円安方向、152円が最初の抵抗、超えると昨日高値152.18がターゲット
〇ドル安円高方向、昨日安値150.90めぐる攻防に注目、底堅いイメージだが崩れ始めると早いとの見方も
〇欧米時間のドル円予想レンジ:150.70-152.20
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小安い。ただ、NY時間に注目の米経済指標、消費者物価指数の発表を控えていることで、全体的に動意は鈍かった。
ドル/円は、寄り付いた151.95-00レベルを高値に冴えない。上値の重い展開となったが下値も堅く、大崩れするには至らなかった。日中安値は151.40円レベルで、結局50-60ポイントの変動にとどまっている。本日も韓国政治情勢で気になるニュースも取り沙汰されていたが、相場への影響は軽微。16時現在では151.70-75円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「韓国情勢」と「トランプ氏への対応」について。
前者は、依然として韓国政治情勢が落ち着かない。韓国与党から「来年2-3月の尹大統領退陣案を検討」との考えが示されるなか、「韓国検察が金前国防相を逮捕」、「捜査本部が警察庁長官とソウル警察トップを内乱容疑で拘束」−−など、本日もショッキングなニュースが相次いでいた。なお、一連のゴタゴタについて北朝鮮が初めて反応。「社会の動乱が発生し国際社会が注視している」などと、心配される状況となっていたようだ。一方、朝鮮日報は「与党『国民の力』から提起された早期退陣要求に対し、尹大統領は弾劾訴追されても職務停止状態で法的に対応することを選択する意向を示した」と報じており、今後真偽を含めて物議を醸す可能性もある。
後者は、来年米国でトランプ新政権が誕生するなか、各国で「備え」を示唆する発言などが相次いでいた。たとえば、EUが新設した防衛担当の欧州委員に就任したクビリウス元リトアニア首相は、「ロシアの攻撃に備え来年中に数千億ユーロの財源確保が必要」と述べていたほか、米財務省はG7によるロシア凍結資産活用し3兆円のウクライナ支援を拠出するとの考えを示していた。しかし、そうした反面トランプ氏の放言も止まらない。SNSに「先日、『偉大なカナダ州』の『トルドー知事』と夕食をともにできて嬉しく思う」と投稿。「挑発だ」などといった批判的な声も少なくない。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、当初予想していた151円レベルを上限とした小レンジをしっかりと上抜けてきた。昨日は11月末以来の152円台を一時示現している。しかし、152円レベルは移動平均の200日線が位置するなど重要なテクニカルポイントで、昨日もNYクローズでは上回れず。151円台へ押し戻されているだけに、さらなるドル高が進行するか否か、いま一度動静をしっかり見極めたいところだ。場合によっては、152円レベルを上限とする新レンジを形成する可能性もないではない。
12月の日米金融政策が市場の関心を集めている。金利スワップ市場の動きをみると、12月の米利下げを見込む向きが優勢ながら、「大勢を占める」といった様相までには至っていないようだ。そうした意味では、本日のNY時間に発表される米消費者物価指数の発表は非常に重要で、内容を注視している向きも多く存在する。なお、強めの数字が出た際の方がサプライズになるとの声も聞かれているが、果たしてどういった内容となるのか、いずれにしても発表前後の市場の乱高下には注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は再びドル高方向へのリスクを感じさせる足形だが、152円レベルに位置する200日線が目先は抵抗になっている感があり、さらなるドル高進行を食い止めているようだ。ただし、しっかり超えれば152円後半の21日線がターゲットに。
一方、下値基盤もそれほど強固ではなく、一目均衡表の先行帯の雲の上限も位置する150円半ばを割り込んでしまうと、再び下値リスクが高まりかねない。
本日は米経済指標として、11月の消費者物価指数や同財政収支が発表される予定なっている。12月の米金融政策を左右する指標として、消費者物価指数を注視している向きも少なくなく、内容如何では波乱も。また別途、カナダ中銀による政策金利発表も要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは150.70-152.20円。ドル高・円安方向は、本日東京で超えられなかった152円が最初の抵抗。超えると昨日高値152.18円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値150.90円をめぐる攻防にまず注目。底堅いイメージだが、それでも崩れ始めると意外に早いとの見方もある。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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