『約3週間ぶり高値圏へと急上昇。トルコ中銀は500bpのサプライズ利上げ』
〇今週のトルコ円、週初の安値4.57から週末にかけ4.78まで急伸
〇トルコ指標の好調、米金利低下、トルコ中銀のサプライズ利上げ等が背景
〇テクニカルには一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線を上抜け地合い好転
〇ファンダメンタルズも、指標改善、インフレ抑制スタンス確認、トルコ格付け引き上げ等がサポート
〇トルコリラ円相場に対する見通しを「ベア(弱気)」から「ブル(強気)」に変更
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.60ー4.85
今週のレビュー(3/18−3/22)
今週のトルコリラ円相場(TRYJPY)は、週初4.63円で寄り付いた後、早々に週間安値4.57円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)トルコ3月消費者信頼感指数(結果79.4、前回79.3)の前月比改善や、(2)米FOMCのハト派的な結果(ドットチャートで2024年末時点の中央値が予想外に据え置き→米長期金利急低下→新興国通貨上昇)、(3)トルコ中銀のサプライズ利上げ(トルコ中銀はインフレ見通しの悪化を受けて政策金利の500bpの大幅利上げを決定)、(4)ショート勢のストップBUY(利上げ催促のリラ売り勢のショートカバー)、(5)トルコ3月景気動向指数(結果103.5、前回102.0)の前月比改善が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値4.78円(3/4以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/23午前0時50分現在)では、4.72円前後で推移しております。
来週の見通し(3/25−3/29)
トルコリラの対円相場(TRYJPY)は週後半以降に急伸する動きとなりました。日足ローソク足が一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線を上抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつあります。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)トルコ経済の復調期待(今週発表されたトルコ経済指標はいずれも良好な結果)や、(2)トルコ中銀の積極的なインフレ抑制スタンス(トルコ中銀は据え置き予想に反して1週間物レポ金利を45.0%から50.0%へ大幅引き上げ→利上げ終了宣言から僅か2ヵ月で方針転換→市場はトルコ中銀の機動的な動きを評価→利上げ催促のリラ売り終了)、(3)実質金利のマイナス幅縮小(トルコ中銀による大幅利上げを受けて実質金利のマイナス幅が縮小→構造的なリラ売り圧力の減退)、(4)トルコに対する市場プレゼンスの改善(格付け大手フィッチ・レーティングスは3/8にトルコの長期外貨建て発行体デフォルト格付けを従来の「B」から「B+」に引き上げ実施)など、トルコリラ円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。
これまで一本調子で売られてきた対ドル相場にも復調の兆しが見られるため、当方ではトルコリラ円相場に対する見通しを「ベア(弱気)」から「ブル(強気)」に変更いたします。尚、来週はトルコ3月経済信頼感指数や、トルコ2月貿易収支以外に目立った経済イベントが予定されていない為、トルコリラは米金利や米ドルに振らされる主体性に乏しい値動きとなりそうです。
来週の予想レンジ(TRYJPY):4.60ー4.85
注:ポイント要約は編集部
トルコリラ円日足
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