南アランド週報:『南アCPI上振れで年初来高値更新。来週は南ア中銀会合に注目』(3/23朝)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は週後半にかけて年初来高値を更新しました。

南アランド週報:『南アCPI上振れで年初来高値更新。来週は南ア中銀会合に注目』(3/23朝)

『南アCPI上振れで年初来高値更新。来週は南ア中銀会合に注目』

〇今週の南ア円、南ア指標の好調、米金利低下等に週後半にかけ8.09まで上昇、7.98レベルで越週
〇テクニカルには主要テクニカルポイントの上で推移、強い買いシグナルも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズは南ア経済・政局の先行き不透明感が重石
〇来週は南ア1QCPI、南ア中銀金融政策決定会合、3南ア2月PPI、貿易収支等に注目
〇引き続き、南アランド円相場の一巡後の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.80ー8.10

今週のレビュー(3/18−3/22)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.94円で寄り付いた後、(1)金・プラチナ価格の冴えない動き(南アフリカの交易条件悪化懸念)を背景に、早々に週間安値7.84円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)南ア2月消費者物価指数(結果+5.6%、予想+5.5%)および、同2月コアCPI(結果+5.0%、予想+4.9%)の市場予想を上回る結果や、(3)上記2を背景とした南ア中銀の早期利下げ観測後退、(4)米FOMCのハト派的な結果(米金利低下→新興国通貨上昇)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値8.09円(昨年11/21以来の高値圏)まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(5)南ア1月小売売上高(結果▲2.1%、予想+0.9%)の大幅悪化や、(6)南アフリカの期待インフレ率低下(2024年の期待インフレ率は前回調査時点の5.7%から5.4%へ低下。2025年については5.6%から5.3%に低下)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間3/23午前0時35分現在)では、7.97円前後まで反落する動きとなっております。

来週の見通し(3/25−3/29)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は週後半にかけて年初来高値を更新しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、南アフリカ経済の先行き不透明感(景気減速懸念が続く中でのインフレ上昇)や、南アフリカを巡る政局不透明感(本年5/29に予定されている南ア選挙で与党アフリカ民族会議が大幅に議席を失うリスク)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

こうした中、来週は3/25に予定されている南ア第1四半期BER消費者信頼感指数や、3/27の南ア中銀金融政策決定会合、3/28の南ア2月生産者物価指数および南ア2月貿易収支に注目が集まります。特に南ア中銀会合(政策金利は据え置き予想)への注目度が高く、声明文や記者会見がタカ派的な結果となれば、南ア中銀によるインフレ退治の姿勢明確化→南ア中銀による早期利下げ観測後退の波及経路で、一時的に南アランドが買われるシナリオが想定されます。但し、景気減速下での政策金利高止まりは景気への更なる下押しに繋がるリスクを孕んでいるため、一巡後は南ア株下落→南アランド売りの経路で上値が次第に重くなりそうです。

一方、声明文や記者会見がハト派的な結果となれば、米FRBより先に利下げに舵を切るとの見方が広がり、南アフリカの金利先安観→対米ドルでの南アランド下落の波及経路で、南アランド円相場にも強い下押し圧力が加わると考えられます。以上の通り、南ア中銀会合がタカ派・ハト派、いずれの結果となっても、南アランドには結果的に下押し圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、南アランド円相場の一巡後の下落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.80ー8.10

注:ポイント要約は編集部

『南アCPI上振れで年初来高値更新。来週は南ア中銀会合に注目』

南アフリカランド円日足

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