21日の中銀会合イベントを材料に短期反発が狙えそうな地合いに
【先週のトルコリラ】
先週のトルコリラは、史上最安値を更新したものの、フィッチによる格上げなど好材料が伝わったことからやや反発となった。
フィッチは8日、トルコの格付けを「B」から「Bプラス」に引き上げた。金融政策におけるより引き締め的な姿勢がインフレ対応に寄与していると指摘。見通しも「安定的」から「ポジティブ」に変更した。
フィッチは「2023年6月以降に(トルコ中央銀行)が実施した政策の耐久性と有効性に対する信頼の高まりを反映している」とした。
シムシェキ財務相は11日、Xに「中央銀行のインフレ抑制を支援するため、今後も財政政策を引き締める」「健全な政策を維持し構造改革を進める」「物価安定が引き続き最優先課題だ」とも述べた。
フィッチによる格上げやシムシェキ財務相による「インフレ対応、物価対応最優先」宣言後、トルコリラは史上最安値4.5227円まで下落していたが、週末にかけてやや反発。12日以降、陽線を4本並べている。
トルコ・円(東京時間:3月11日―3月15日)
※Investing.comの日足を参照
始値:4.6175円
高値:4.6543円
安値:4.5227円
終値:4.6415円
【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間
3月11日
16時00分、1月失業率、前回:8.9%、結果:9.1%
16時00分、1月小売売上高(前年比)、前回:14.0%、結果:13.3%
3月12日
16時00分、1月鉱工業生産(前月比)、前回:2.8%、結果:0.0%
16時00分、1月鉱工業生産(前年比)、前回:2.3%、市場予想:1.5%、結果:1.1%
16時00分、1月経常収支、前回:−20.9億ドル、市場予想:−29.1億ドル、結果:−25.6億ドル
3月21日
20時00分、政策金利発表、前回:45.00%、市場予想:45.00%
3月22日
16時00分、3月の製造業景況感指数(季節調整済)、前回:101.5
16時00分、3月設備稼働率、前回:76.4%
17時00分、2月外国人観光客(前年比)、前回:2.1%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のトルコリラは、21日のトルコ中央銀行(トルコ中銀)の金融政策決定会合に注目となる。反発の勢いが強まるかどうか大きなポイントを迎えたと言えよう。
市場コンセンサスは現行の45.00%据え置きが見込まれているが、市場コンセンサス通りだった場合、トルコリラは史上最安値(13日、4.5227円)を下回る弱いトレンドが継続するだろう。
2月消費者物価指数(CPI)が前年比+67.0%、コアが同比+72.89%と1月、市場予想をともに上回ったことや、シムシェキ財務相の「地ならし的」な決意表明的なX投稿などを受けて、1.25%から2.50%程度の利上げ実施まで一気に踏み込むと考える。
トルコリラは、12日以降、4日連続で陽線を残しており、一目均衡表の転換線が位置する4.65円水準を捉えつつある。明確な反発基調というレベルではないが、今週のトルコ中銀会合次第では、大きなリバウンド相場となる可能性は十分ある。
仮に「トルコ中銀利上げ実施」といったサプライズ発表になった場合のリバウンドのメドは、20日移動平均線が位置する4.73円水準、一目均衡表の基準線が位置する4.75円水準、50日移動平均線が位置する4.81円水準、一目均衡表の雲下限が位置する4.86円水準辺りが意識されよう。
上記の水準のほか、雲上限の4.90円水準をクリアして初めて明確な反発局面入りと考えるが、21日のトルコ中銀会合のサプライズを見込んだ短期反発狙いのトレードを試すには非常に面白い局面と言える。
トルコリラ円日足
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