『堅調推移継続するも上値余地は限定的か。来週は南アCPIと小売売上高に注目』
〇今週の南ア円、南ア株堅調、金・プラチナ価格の堅調推移が支援して週央にかけ7.97まで上昇
〇買い一巡後は米金利急上昇等に7.93前後に失速して越週
〇南ア円、主要テクニカルポイントの上で推移、強い買いシグナルも点灯、地合い強い
〇ファンダメンタルズは南ア経済・政局の先行き不透明感、南ア早期利下げ観測等が重石
〇引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.75ー8.00
今週のレビュー(3/11−3/15)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.85円で寄り付いた後、(1)日銀によるマイナス金利の早期解除観測(円金利上昇に伴う円買い圧力→ドル円下落→南アランド円連れ安)が重石となる中、週明け早々に、週間安値7.79円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)南ア主要株価指数の力強い動き(約1カ月半ぶり高値圏へと急上昇)や、(3)南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)が支援材料となり、週央にかけて、週間高値7.97円まで反発しました。
もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(4)心理的節目8.00を背にした戻り売り圧力や、(5)米新規失業保険申請件数(結果20.9万件、予想21.8万件)の力強い結果、(6)米2月生産者物価指数(結果+1.6%、予想+1.2%)および、同コア指数(結果+2.0%、予想+1.9%)の市場予想を上回る結果、(7)上記5、6を背景とした米長期金利の急上昇(米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測→米長期金利急上昇→米ドル急伸→新興国通貨に下押し圧力)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間3/16午前3時00分現在)では、7.93円前後まで反落する動きとなっております。
来週の見通し(3/18−3/22)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、週を通して堅調な値動きとなりました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上下限)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」が点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感や、(2)南アフリカの政局不透明感(今年の5/29に予定されている南アフリカの総選挙で与党・アフリカ民族会議が議席を大きく失うリスク)、(3)南アフリカ中銀の早期利下げ観測、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力(今週発表された米CPI・米PPIがいずれも市場予想を上回ったことで米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測が再燃→米金利上昇・米ドル高は新興国通貨や金・プラチナ価格に下押し圧力)、(5)日銀によるマイナス金利の解除観測(来週開催される日銀金融政策決定会合でマイナス金利の解除がなされるとの思惑→円金利上昇・円買い→南アランド円連れ安)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。
こうした中、来週は3/20に予定されている南ア2月消費者物価指数と南ア1月小売売上高に注目が集まります。南ア2月消費者物価指数や南ア1月小売売上高が市場予想を下回る場合には、南ア中銀による早期利下げ観測(上記3)と、南ア経済の先行き不透明感(上記1)が組み合わさることから、南アランドに強い下押し圧力が加わるシナリオが想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.75ー8.00
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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