トルコリラ週報『流動性引き締め策を講じるもリラ売り止まらず。来週はトルコ中銀会合に注目』(3/16朝)

トルコリラ(TRY)を巡っては対円・対ドル共に連日で史上最安値を更新するなど、冴えない動きが続いています。

トルコリラ週報『流動性引き締め策を講じるもリラ売り止まらず。来週はトルコ中銀会合に注目』(3/16朝)

『流動性引き締め策を講じるもリラ売り止まらず。来週はトルコ中銀会合に注目』

今週のレビュー(3/11−3/15)

今週のトルコリラ円相場(TRYJPY)は、週初4.61円で寄り付いた後、(1)大手格付け会社フィッチによるトルコ格付けの「B」から「Bプラス」への引き上げ発表(見通しについても「安定的」から「ポジティブ」へ変更)や、(2)シムシェキ財務相による「中銀のインフレ抑制を支援するため今後も財政政策を引き締める」との投稿が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値4.64円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)日銀によるマイナス金利の早期解除観測(円金利上昇・円買い→トルコリラ円連れ安)や、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測→米長期金利急上昇→新興国通貨に下押し圧力)が重石となり、週末にかけて、週間安値4.51円(史上最安値)まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し(ドル円上昇→トルコリラ円連れ高)、本稿執筆時点(日本時間3/16午前3時30分現在)では、4.63円前後で推移しております。

来週の見通し(3/18−3/22)

トルコリラ(TRY)を巡っては対円・対ドル共に連日で史上最安値を更新するなど、冴えない動きが続いています。上位足・下位足共に主要テクニカルポイント(21MA、50MA、90MA、200MA、一目均衡表転換線、基準線、雲上下限、ボリンジャーミッドバンド)の下側で推移している他、強い売りシグナルを示唆する「弱気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役逆転」「弱気のバンドウォーク」「ダウ理論の下落トレンド」も継続するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて弱い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)トルコ経済の先行き不透明感(今週発表されたトルコ1月失業率は前回の8.8%から9.1%へ大幅悪化。トルコ1月鉱工業生産についても市場予想の+1.5%に対して結果が+1.1%と不冴な結果)や、(2)トルコ国内のインフレ再上昇懸念(実質金利マイナスに伴う構造的なリラ売り圧力)、(3)上記2を背景とした利上げ催促のリラ売り圧力(トルコ中銀は先月の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定したが、市場ではトルコ中銀が比較的早いタイミングで利上げ再開に追い込まれるとの見方が市場コンセンサス→事実、トルコ中銀は今週、流動性引き締め策の一貫として銀行に対してリラ建準備預金の一部に凍結義務を課すことを発表→資産規模1000億リラ以上の銀行はリラ建準備預金の15%、5000億リラ以上の銀行はリラ建準備預金の25%が凍結対象)など、トルコリラ円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

こうした中、来週は3/21に予定されているトルコ中銀の金融政策決定会合に注目が集まります。市場予想通り、政策金利の据え置きが決定される場合には、利上げ催促のリラ売りが強まる恐れがあるため、当方では引き続き、トルコリラ円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(TRYJPY):4.45ー4.75

注:ポイント要約は編集部

『流動性引き締め策を講じるもリラ売り止まらず。来週はトルコ中銀会合に注目』

トルコリラ円日足

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